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シロクマ文芸部参加作

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note内企画「シロクマ文芸部」参加記事のまとめです。
運営しているクリエイター

#シロクマ文芸部

「風呂迷宮・風呂空間」#シロクマ文芸部

 月曜日から風呂に入れていない。もう日曜日になってしまうというのに。梅雨時の湿度の高い暑…

泥辺五郎
14時間前
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「ミニチュアメカキリンは紫陽花を好む(挿絵つき)」#シロクマ文芸部

 紫陽花を好んで食べようとするのだ、うちで飼っているミニチュアキリンは。紫陽花の咲き乱れ…

泥辺五郎
7日前
18

「ハウリングレインリフレイン」#シロクマ文芸部

 雨を聴く細胞が全身にあった頃を思い出す。人になる前は蛙であった。蛙になる前はオタマジャ…

泥辺五郎
13日前
21

「人の降る街では転落死を防ぐために政府から羽根が支給された」#シロクマ文芸部

 赤い傘を差していたので、血の雨が降っているのに気付くのが遅れた。手首を切った女性が空を…

泥辺五郎
3週間前
23

「声がら」#シロクマ文芸部

 金魚鉢に残された金魚の抜け殻を見つけ、夏が近いことに気がついた。確か去年もそうだった。…

泥辺五郎
4週間前
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「靴になった骨」#シロクマ文芸部

 白い靴のような骨が残った。祖父は日々歩き続けているうちに足が靴のようになった人だった。…

泥辺五郎
1か月前
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「言葉の日常」#シロクマ文芸部

 子どもの日常を記しながら、自分は子どもの頃どんなことを考えていたのかを思い出す。 「今自分が考えているように、他の人たちも様々なことを考えながら生きている」ということを想像してしまうと、正気ではいられなくなっていた気がする。誰もが頭の中で、人には届けられないような想いや言葉を充満させて吐き出せずにいる。狂ってしまわぬように、文章にしたり、絵に描いたり、歌にしたりする。そういうものだと思っていた。  日々を抜き出して書く「耳鳴り潰し」という文章を毎日書くようになってから20

「桜の花びらを呑み込む蛇の話」#シロクマ文芸部

 春の夢、と名前をつけられた蛇がいる。桜の花びらを主食としているから肌が桜色に染まったせ…

泥辺五郎
1か月前
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「言葉を散らして掃き寄せる」#シロクマ文芸部

「花吹雪」と題した文章を、こんな風に締めた。  そんなことを書いてから約一か月半が過ぎた…

泥辺五郎
2か月前
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「風待ちロマン」#シロクマ文芸部

 風車が止まったので鍋で煮込んでいたシチューが冷えてしまったの、と妻が言った。この町の動…

泥辺五郎
2か月前
24

「入学魔法」#新生活20字小説

黄色の学帽が園児を小学生に変えてしまう。 シロクマ文芸部の企画「新生活20字小説」に参加し…

泥辺五郎
2か月前
25

「あの頃に戻ることはできないけれど再現動画は撮れる話」#シロクマ文芸部

 変わる時は突然訪れるわけではなく、日々少しずつ変化している。息子の小学校用体操服などを…

泥辺五郎
2か月前
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「執筆怪談」#シロクマ文芸部

 始まりはバイトをさぼる口実だった。当時入院中だった父方の祖母の見舞いに行くから、と。あ…

泥辺五郎
2か月前
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「マイクラ・小学校ごっこ・小学生恋愛事情」#シロクマ文芸部

「桜色の花びら」はマインクラフトのバージョン1.20大幅アップデート時に追加されたアイテムである。木の種類に「桜」が追加された。桜ばかりが咲き乱れる地形「桜バイオーム」の地面に「桜の花びら」が落ちている。採取すると染料などに使用できる。  息子とマインクラフトで遊んでいた。 「苗木を4つ固めて置き、そこに骨粉をかけると、幹の太い木に育つ」ということを知った息子は、骨粉をかけまくり、雲まで届くような大樹を作っていた。時折桜を足したりもしていた。私は息子のリクエストがあったので