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2022年3月の記事一覧

伊東潤「武田家滅亡」

 先日読んだ「天地雷動」の続編にあたる。  長篠の合戦で宿老の大半を失った武田家のその後…

泥辺五郎
2年前
3

大江健三郎「私という小説家の作り方」(再読本)

 一見「小説家のなり方」系の本と見間違いかねないが、あくまで「大江健三郎という小説家がど…

泥辺五郎
2年前
9

長嶋有「今も未来も変わらない」

 連載中の作品のラストがコロナによって決定した、というのが中村文則「カード師」だった。作…

泥辺五郎
2年前
4

色川武大「百」(再読本)

 マガジン「再読本」に入れたラインナップを眺めてみる。  ブコウスキー、日野啓三、大江健…

泥辺五郎
2年前
6

伊東潤「天地雷動」

 武田信玄の死去から長篠合戦までを、武田勝頼、羽柴秀吉、徳川家康、及び実戦を代表して、武…

泥辺五郎
2年前
4

舞城王太郎「淵の王」

 各章の主人公を見守る影のような存在が語り手。主人公周辺の人間関係、事件、そしてその最期…

泥辺五郎
2年前
7

天野純希「もろびとの空」(そして回復についての長い自分話)

 羽柴秀吉による三木城攻めを題材にした時代小説。  三木合戦は約二年に渡る。兵糧攻めを受けた別所氏は、城内に七千名以上の領民を受け入れたこともあり、飢餓地獄が城内を満たすことになる。最終的には亡くなった人までを食らわなければ生き残れない、城の攻め手に抵抗することも出来ないほどになっていく。  私にとって非常に重要な一冊となった。  天野純希氏の小説は、たまたま目についた「有楽斎の戦」に惚れ、「桃山ビート・トライブ」に熱狂し、戦国大名の父親達を書いた「燕雀の夢」で震えてきた