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◆全国郷土ずし紹介 5月 岡山県瀬戸内市福岡の「どどめせ」

「どどめせ」というのは変わった名前です。その謎解きは後ですることにしましょう。 - 岡山県瀬戸内市長船町の福岡というところの郷土料理です。 - 福岡といえば、鎌倉時代、「福岡の市」が立ったところで、行き交う人々で賑わっていました。そこの渡し場での話です。 - いつものように、飯屋は大繁盛。たくさんの人が美味しそうに、名物の炊き込みご飯を食べています。そこを通りかかった酔っ払いの武士が、みんなの幸せそうな顔が気に入らなかったのか、やっかみ半分で、古くなった酒を炊き込みご飯の釜の中にぶち空けてしまいます。 - 昼時になって、何も知らない船頭たちがご飯を食べにやって来て、炊き込みご飯をひと口食べました。 - 当然、いつもの味とは違いましたが、これが「うめぇ、うめぇ」と大絶賛を浴びます。 - 以後、飯屋の方も、炊き込みご飯に古酒をかけて出すようになりました。まぁ、「お話」として聞いておきましょうね。 - 当時、酒は蒸留酒ではなく、白い「おり」が混ざっている「どぶろく」でした。 - ですから人は、この炊き込みご飯を「どぶろく飯」と呼びました。それがなまって「どどめせ」という名前がつきました。 - 今はご飯を炊いて、具も炊いて、酢と一緒に混ぜ込みます。 - 福岡では、5月の春祭りのほか、秋まつりや人寄せの時など、季節を問わずに作られます。ふつうの寿司とは違い、「どどめせ」は暖かい方が好き、という方もおられますよ。

sushi
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