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北川フラムさんの声を聞いた

2024年1月14日(日曜日)

岡山大学で「人づくり、地域づくりの原点回帰」というフォーラムがあった。主催は福武教育文化振興財団。基調講演は北川フラムさん。地域型芸術祭の目指すところについて話すという。

1月3日の日記でも書いた通り、シネコハースは瀬戸芸の公募に応募している。僕はフラムさんの声を直接聞いたことがない。今であれば、他人事でなく彼の声を聞けると思い、向かった。

話は昨年末に終わったばかりの奥能登芸術祭から始まった。芸術祭で関わった方々からの震災の知らせに大変心を痛めていらした。

日本型芸術祭は世界に例がなく、場所と身体性からもたらされるリアリティがその根幹だという。情報ではなく、肉体の原理。芸術祭に行った人々が歩いて、話して、そこで得るリアリティ。鶴見俊輔が言う、知ってる人と戦争したくないだろう、という感覚。

だからもう、美術は表現の自由とかではないだろう。人々が住み、移動する自由。友達をどう作るか。働き方をどう選ぶか。美術が間に立ってこういうことを表す。美術の基本中の基本は今この地上に生きている80億通りの人生の全てが同じではなく、でも同時に生きている。これだとフラムさんは言っていた。

奥能登からの知らせだけではなく、東北の震災でもアーティストたちが復興現場で良い仕事をしたという。手先が器用で、人の話が聞ける。場所の意味を汲み取り、モノの扱いに長けている。大切なものの価値がわかる。僕はアーティストをそのように捉えたことはなかったけれど、そうであったらいいなと思うし、自分にもそのような資質があることを願う。

フォーラムはハースを一緒に作っているO君、Hさんと聞いた。終わってから離れていてできなかった忘年会と新年会を同時に行い、これからのことを話した。そして、フラムさんが話していたことと自分たちが大事にしようとしていることがかなり似ていることを確認し合えた。瀬戸芸はトリエンナーレ。お祭りの100日は、日常の1000日次第。

ではまた明日。


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