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名馬紹介 ベガ

【名馬紹介 ベガ】
1.2頭の一等星
おりひめ星としても有名なこと座の一等星「ベガ」の名を冠した馬が、1990年生まれには2頭いました。この2頭の一生は対照的です。

西の一等星と呼ばれたベガ(1990年生 牝)が現役生活で輝きを見せたのは一時期だけでしたが、その輝きは今も語り継がれるほど強烈なものです。

2.競走馬時代
彼女は生まれつき前脚が曲がっており、デビュー前の評価は高くありませんでした。しかし、3歳1月のデビュー戦こそ2着でしたが、未勝利戦とチューリップ賞を連勝し、桜花賞では一番人気に推されました。桜花賞は好位から抜け出して勝利、続くオークスでも2着を引き離してゴールし、二冠を達成しました。「西の一等星は東の空にも輝いた」という名セリフが、ゴール直後に生まれました。

しかし、夏場に蹄を痛めてしまい三冠目のエリ女(当時は秋華賞ではなく、エリ女が三冠目でした)には直行し、東の一等星ホクトベガに敗れ3着に終わりました。一度狂った歯車は戻り切らず、その後の3レースはいずれも大敗し、そのまま4歳の夏に引退しました。

彼女が眩い光を放ったのは3歳時の3〜5月の僅か3ヶ月弱だけです。6歳以降にダート路線で本格化し、8歳まで現役だったホクトベガとは対照的です。

3.母になってから
ベガは引退し、母親になってからも輝き続けました。彼女は受胎率が低く、子どもは5頭しかいません。しかし、その中からアドマイヤベガが彼女と同じく武豊騎手を背にダービー馬になりました。また、アドマイヤドンは芝G1・1勝、ダートG1•6勝と大活躍。残り2頭の息子たちも重賞勝ち等、デビューした息子たちは全馬大活躍です。

唯一の娘のヒストリックスターは目立った戦績はありませんが、桜花賞馬ハープスターの母として有名です。母親になれなかったホクトベガと、ここも対照的だと感じます。

4.最も思い出深いレース
個人的には、道中4〜5番手から抜け出し、2着に2馬身弱をつけて快勝したオークスが、彼女のベストレースだと思っています。オークス前には体調を崩したとの報道があって心配するも、レースでは不安を微塵も感じさせない強さでした。
好位からキッチリ抜け出す安定したレース運びは、暫く無双すると思わせたものです。

お時間が許せば、もう一つの一等星、ホクトベガの投稿もお楽しみ下さい。
名馬紹介 ホクトベガ|dorayaki (note.com)

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