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名馬紹介 ホクトベガ

【名馬紹介 ホクトベガ】
3月末にドバイミーティングが行われます。今年も来週末に盛大に開催されます。そして、毎年この時期になると、「砂の女王」と呼ばれたホクトベガ(1990年生 牝馬)のことを思い出します。今日は彼女のことを紹介します。

1.3歳三冠レース
彼女は3歳1月にダートでのデビュー戦を大差で圧勝、その後4戦目に芝のフラワーCに勝利したことで芝に転向し、「東の一等星」と呼ばれる有力馬の一頭としてクラシックに挑みます。しかし、桜花賞とオークスでは「西の一等星」と呼ばれたベガの後塵を拝しました。
しかし、最後の一冠エリザベス女王杯(当時は3歳三冠レースの一つでした)では直線で内ラチ沿いに進路をとると突き抜け、見事に優勝し、G1馬となりました。
その時のゴール直後のテレビ中継で「ベガはベガでもホクトベガ」の名コメントが生まれました。

2.エンプレス杯の衝撃
その後5歳までは芝を主戦場としています。その間に重賞勝ちこそあるものの、ずば抜けた戦績を残せませんでした。
そんな中、5歳の初夏にダート交流重賞エンプレス杯に出走、馬なりのままで2着に3.6秒差を付けた衝撃的な勝利を収めています。
このレースの映像を見直すと、あまりにも後続と離れてしまったので、ゴールが近づくにつれてカメラがドンドンと引いていきます。それでも最後はホクトベガしか映せない状況になっています。
結局芝での戦績は25戦4勝、エリ女以外では札幌記念(G3)の勝利が有ります。

3.ダート本格転向
6歳になりダートへ本格転向すると素質が開花、出走した全てのダート重賞に勝利、6歳以降のダートだけだと9戦9勝です。
その間に走った競馬場は7つ、良馬場も不良馬場も気にせず、距離も1500mから2400mまでと不問、とんな展開でも4コーナーをトップでまわり、直線で後続を突き放します。競馬場、砂質、天候、距離、展開を選ばない、まさに「砂の女王」です。
彼女は約500kgの大型馬で、ゆったりとしたフォームのため、力一杯に走っているように見えないのも魅力でした。

4.ラストラン
ラストランの地として選んだのがドバイでした。しかし、4コーナー手前で転倒し、脚を複雑骨折したことが原因で、牧場に戻ることなく、ドバイで天に召されました。
転倒の原因は、前を走る馬が急失速したためと言われています。私は怖くて一度も同レースのビデオを見られていないので、伝聞調となりますこと、ご容赦下さい。

5.ドバイの空で今も輝く一等星
彼女の遺体は検疫の関係から日本に帰国できていません。彼女は今もドバイの空で輝き続け、日本馬を応援し、怪我しないように見守っています。
今年も多数の日本馬がドバイに向かいますが、彼女が温かく出迎えています。


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