Dr.コトー診療所特別編の感想

◇三上先生からの手紙

北の国からみたいな映像から始まる三上先生編。
島民から「とっちゃん坊や」って言われてる!(笑)
「あの顔見てたら余計具合い悪くなる」ってひどいなあもう。
でも確かに暗い表情の三上先生。
患者さんの顔もあまり見ず、カルテに向かう診療。
ため息も重い。
「先生、疲れが溜まってんでないのお。顔色悪いよお!」
「お医者さんに言うセリフじゃなかったね」
看護師のやすよさんはなんだか明るくて親しみやすい人。
「この島の人口って何人でしたっけ」
「さあー、1000人くらいのもんでない?」
あらためて自分の背負う命の数を、三上先生は重荷に感じている様子。
そりゃあそうだよね。
もう、何日も眠れずにいるのかな。

南の島のコトー先生は往診中。
先生をご飯に誘う電話まで診療所にかかってくるのか! のんきだな~。
コトー先生は子供たちと診療所へ。
「彩佳姉ちゃんいつ帰ってくんの?」
「んー? 一週間くらいしたらかな」
「寂しくねーのかあ、先生」
「別に寂しくないよお、忙しいけど」
「ホント?」
「うん。彩佳さんの勉強のためだからね」
「あ、そうかあ」
剛洋くん素直!
「ほんとかなあ」
「怪し~い」
「怪し~い!」
「ほんとだよお、何言ってんだよ~」
「「ヒューヒュー」」
「ラブラブ~」
んんん可愛い!!
子供たちの中ではもう彩佳さんとコトー先生はセットなのかな。
一緒にいないと違和感ある感じ?
勉強のためだって言われてすぐ納得してくれる剛洋くん可愛いね。
でもクニちゃんとしんちゃんは囃し立ててくるの、初期のゲロゲロ先生~ってからかわれてたときから変わんなくて好き。
診療所に戻って、先生の足元を見るクニちゃん。
あきおじの作った藁草履を見て感慨深そうな表情をするのが良いなあ。

診療が終わって、和田さんはなんだか最近の患者さんの多さに思うところがあるみたい。
「コトー先生の顔をちょっと見にくるだけとか、血圧を測りに来るだけとか、終いにゃ延々本土の孫の自慢話じゃ先生も参ってしまうでしょー」
「ふふふ」
「結局我々、暮れも正月もなかったですし」
「まあ、そうですね」
コトー先生は、嬉しいんだろうなあ。
自分の居場所が見つかって、みんなに必要としてもらえてる。
この状況を苦に思わずにやっていけるのは、その嬉しさと、島の人が好きだからなのかな。
「しかし今年の正月は酷かったですねー。漁協の新年会じゃ、シゲさん酔っ払って海に落っこちて怪我するわ、ワタルさんは急性アル中になりかけるわ、村長なんか餅喉に詰まらせて、村長がそんなことでいなくなったら大変ですよ!」
ひっどいな!
村長モチダメ絶対!
「忙しかったねえ~ほんとに」
「呑気なこと言ってる場合じゃないですよ」
「そんなに休みたかったの、和田さんは」
普通正月は休みたいと思うよ、先生。
コトー先生、さてはワーカーホリックだな?(今更すぎ)
「そんなことは、これっぽっちも思っとらんですけど! みんなたるんどると言いたいんです。コトー先生がいると思って」
それはそうかも。
「考えすぎですよお。そりゃ病気が多くなるのは困るけど、でも、島の人たちと話をするのはとても楽しいし、それに普段からみんなの顔を見てるのはとても良いことなんですよ」
「は?」
「顔色だけで病気がわかることもありますからね」
サラッと言うけどすごいことだよなあ、それ。
しかも2話の時点で確かに内さんの顔みて黄色腫に気づいてるから説得力あるんだよね。
「まったく先生も人が良いから……そのうち島中の人を健康診断して歩きそうですね」
全然冗談に聞こえないよ和田さん。
多分コトー先生普通にやると思う。
なんかそれ聞いて微笑んでるし。(笑)
ふと、先生宛に来てたという手紙を取り出した和田さん。
「残念ながら、咲さんからではないです」
コトー先生の顔!(笑)
ジトッて感じの目で「わかってます」って。
咲さんとは良いお別れができたから、からかわれるとムッとしちゃうのかな。
さて、差出人は三上先生。
『大学病院ではない場所でも医師として学ぶことはたくさんある』
「その言葉の意味が知りたくて、僕はこの島にたったひとりの医師として赴任してきました」
「この島の人口は1000人。その全ての人の命が、僕にかかっています」
「それは想像以上の重圧でした」
「どんな些細なミスも許されない。そう思うと夜も眠れず、日々医師としての自信を失ってゆくばかりです」
つらいなあ。聞いてるだけで重いものを飲み込んだような気持ちになる。
僕にできるのか、無理なんじゃないか、このままここにいていいのか……そんなふうに自問自答し続けてるんだろうなあ。
きっと、逃げ出したくなるようなプレッシャー。
でも、想像以上の重圧だったとしても、その場に行くことを自分自身で決めた三上先生はすごいです。
コトー先生からもらった言葉を自分なりに考え、大学病院からたった一人でこの島にやって来たんだから。
「先生は志木那島で働き始めた頃、どんな気持ちで毎日を過ごしていたのでしょう」
「重圧に押し潰されそうになったことはなかったのでしょうか」
その言葉に、志木那島に来てからの時間を思い出すコトー先生。
あきおじの藁草履を受け取ったところまで回想したあと、手紙の返事を書こうとして、クニちゃんの声に気づきます。
「母ちゃんがご飯できたから後で来てって」
ああ、冒頭の電話ね。一夫さん(クニちゃんのお父さん)に誘われてるって話だったもんね。
クニちゃん、コトー先生の履いてる藁草履を見て笑顔。
「ほんとだね。あきおじの言った通りに、夏涼しくて冬温かい」
「大事にしなくっちゃ」
「うん」
ああああ。めっちゃいい。
コトー先生は20年後も、この藁草履を履き続けるんだもんね。
きっとあきおじがそばで見守ってくれてるような気持ちで、日々の診療を続けていくんだろうなあ。

一方、三上先生は冷たい風吹きすさぶ北海道の離島。
腰が痛いと言っていた荻野さんの元へ行くものの、声をかけた途端家の中に逃げられてしまいます。
これは辛い……。
コトー先生も確かに最初はだるまさんがころんだ状態だったけど、先生自身がなんか明るくてポジティブだったから、そんなに悲壮感はなかったんだよね。
三上先生はどんどん落ち込んでしまってる……。
そんな三上先生に、コトー先生が手紙を書き始めたところで前編のエンディング。

◇コトー先生の返事

随分増えたカルテに嬉しそうな和田さんとコトー先生。
そんな診療所へ、一本の電話が​────。

三上先生のところはマイナス10度!!!
無理!!!! 無理です!!!!
死ぬほど寒がりなので無理!
偉いよ三上先生……。
「あの、荻野さんて今日も来ないんですかね」
「こんな日は誰も外に出ないよ先生~」
あ、地元民もそうなんだ。
「ご家族の方に話して、連れて来てもらうとかって」
「つねさんね、一人暮らしなんですよ。7年前に旦那さん亡くされて。先生と同じ歳くらいの息子さんがいたんだけれど、高校卒業して、東京に出てって、決まってお正月には帰ってきてたんだけど、ここ3年くらいはさっぱり」
荻野さんを気にかける三上先生。
荻野さんは穴の空いた半纏を見て、息子と撮った写真に目をやります。
寂しいよなあ。たったひとり……。
「先生だって帰られなかったでしょ~」
「ええ」
なかなかね、大きくなると故郷に帰ることも少なくなるよね。
近いならともかく、それだけ距離が遠くなるとなあ。
「郵便渡すの忘れとった」
やすよさんが取り出して、三上先生のデスクに置いたのは、コトー先生からの手紙でした。

コトー先生は自転車の後ろに剛洋くんを乗せて、桃子ちゃんの往診。
「それじゃ桃子ちゃん、お口開けて、大きくあーんして?」
先生のあーんとともに、覗き込みながら口開けてる剛洋くんとしんちゃんが可愛い。(笑)
つられちゃったの微笑ましすぎる。
心配する春江さんに優しく扁桃腺炎だと説明するコトー先生。
ああ、本当にコトー先生みたいなお医者さんが近くにいてくれたら最高だろうなあ。
心から安心できるよ。
「先生」
「ん?」
「ミーちゃんは? 扁桃腺、移ってない?」
「どれどれ~」
聴診器を取り出して、ぬいぐるみのミーちゃんの胸に当て診察する先生。
心配そうに見守る桃子ちゃん。
「うん。大丈夫。元気だよ」
布団に戻してあげるコトー先生に桃子ちゃんひと安心。嬉しそう!
はーーーコトー先生のこういうところ!! 𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬______。

コトー先生からの手紙を受け取った三上先生。
雪の舞う中、荻野さんのところへ出かけます。
「離島医療に携わって重圧を感じたことはないか……」
「重圧は、今も感じています」
「むしろ島に来た当初より、今の方が強くなっているかもしれません」
崖に座り込み、海を眺めるコトー先生。
この、重圧は今も感じていますってコトー先生の言葉が、なぜだかめちゃくちゃ好きなんですよね。
弱音とは違うかもしれないけれど、島民には決して言うことのできないコトー先生の本音。
同じ境遇の三上先生へしか漏らすことの出来ない言葉……。
「荻野さん! 荻野さん、いらっしゃいませんか!? 診療所の三上です!」
荻野さんのお家を訪ね、ノックをする三上先生。
拒絶に近い態度をとられても、勇気を出してやって来た先生は凄い。
「島にいる医師は自分ひとり。それがどんなに厳しいことか……。」
「それは実際にその立場におかれた者にしかわからないかもしれないないね」
「だけど、僕らにできることは目の前の患者さんと向き合って全力で治療すること。ただそれだけなのです」
この言葉に背中を押されて、三上先生は荻野さんのところまでもう一度やってきたんだろうなあ。
向き合うために。
「東京の大学病院であろうと、離島の診療所であろうと、それは同じなのではないでしょうか」
コトー先生からもらった言葉を胸に、荻野さんの家の扉を開いた三上先生は、そこで倒れ呻き声をあげる荻野さんを発見。
「胆嚢炎を起こしているかもしれません」
三上先生の診断に、寝転びながらも背を向けてしまう荻野さん。
「どうして、こんなになるまで我慢してたんですか?」
「やっぱり、僕が頼りないから診せられなかったんですか?」
ますます自信を失いそうな三上先生。
「そうでないんだ、先生。違うんだ……」
「その……治療代が……一人暮らしなもんで」
笑いながら言うけど、それがいっそう切ないよ荻野さん……。
三上先生、やるせないような、悔しそうな表情。
というか息子さあ! 忙しいのはわかるけど母ちゃんに仕送りくらいしてやれよ……。
「そんなことより治療が先決です!」
「診療所で詳しく検査しましょう」
自分のコートを荻野さんに着せて、しゃがみこむ三上先生。
「僕が診療所まで。さあ!」
戸惑いながらも申し訳なさそうにおぶさる荻野さん。
このシーン、本当に泣く。
荻野さんを背負いながら、三上先生は雪の中を歩いていきます。
「すみませんでした。この間の診察で僕が気づいていれば……」
三上先生の背中で泣いてしまう荻野さん。
「昔、足くじいたときにね、息子がわたしをおんぶして、診療所まで連れてってくれたんですよ」
「『おふくろ、しっかりつかまってろよ』って、診療所までの間ずーっとわたしをおんぶしてくれて……」
「わたしのことなんか忘れてしまったんでしょうかね」
荻野さんの切ないつぶやき。
自分は子供の幼い頃を覚えているからこそ、忘れられたようで寂しいんだろうなあ。
「そんなこと、ないですよ」
「僕も今年は家に帰れませんでした。この前も母親が怒って電話してきて……」
「でも、親を忘れたなんてこと一度もないですよ」
息子さんと同じ歳くらいの三上先生の言葉は、きっと荻野さんにとって救いになる。
三上先生、優しいお医者さんになったなあ。

「離島には医療に携わる僕たち医師に必要なもの、全てがあります」
「僕はこの島に来て、何人かの人の命の手救けをしたかもしれません。でも、それ以上に僕自身が救われ、教えられてきたのです」
「喜びも悲しみも、怒りも涙も笑顔もすべて受け止めて、島の人たちと向き合ってみてください」
「僕も彼らに救われて、今またこの島にいるのです。たぶんこれから先も」
人を救って、人に救われて……。
コトー先生はそれを感じながらずっと島で生きていく。
それを知っているからこそ、この手紙がよけい心にグッときます。
離島には医師に必要なもの全てがあると言い切るコトー先生。
それだけ、ここで得たものが多かったんだろうなあ。
日々、重くなっていく重圧を受けてなお、これから先も島にいたいと思えるほどに。

和田さんに地図を作ってもらっていた先生。
案の定、島中往診するつもりでした!
あの笑顔は(地図作ってもらおう♪)ってことだったのか!(笑)
さっそく往診に出かける先生に、和田さんも笑顔。
なんだかんだ言って、そういうところが先生の良いとこだよなあって思ってるんだろうな。
和田さん、先生の一生懸命なとこが放っておけないって言ってたから。

礼別島診療所では、すっかり良くなった荻野さんが嬉しそうに三上先生へご報告。
「先生のおかげです」
そう頭を下げる荻野さんに、喜びを噛み締めるような三上先生。
「それで、これ。治療代のかわりと言ったらなんだけど」
「ふふふ……息子のお古で申し訳ないんだけど、家で寝巻きの代わりにでもしてください」
「はあ……」
「羽織れば案外暖かいんだよ」
戸惑う三上先生。すっかり荻野さんに押されてる。(笑)
「はい……それは、どうも……」
半纏を着た三上先生に、そりゃあもう嬉しそうな荻野さん。目がキラキラしてる!
やすよさんも似合いっぷりにびっくり。
うん、なんか浪人生っぽいけどめっちゃ合ってるよ!(笑)
「あら、意外に似合うわ先生! 良いんでないかい?」
「そ、そうですかあ!」
お、三上先生もちょっと嬉しそう! かわいい。
「あら~! ほんとの親子みたいだわあ!」
やすよさんの言葉に、照れくさそうな感じで、恥ずかしそうにはにかむ三上先生。
良かったねえ。(ほろり)

コトー先生が往診から戻ると、彩佳さんが帰ってきてコトー先生にお土産を置いてってくれたそうで……。
「家に帰って、また来るって」
「へえ」
「髪なんか切って綺麗になっちゃって。リカちゃんの美容室に行ったんだと」
「へえ」
「お土産ってなんだろうね」
「さあ、そんなこと言われても……ね」
「うん」
彩佳さんのお土産が気になって足早な先生を阻むように話しかけてくる和田さん!(笑)
先生のうわの空の返事がまた面白い。
最後は走って診察室に駆け込むの笑っちゃう。
そんなに気になるか!
デスクに置いてあったのは「ただいま帰りました」ってメモと、付箋のついた雑誌『週刊アクセス』。
彩佳さんのメモ見て微笑んでる!
先生嬉しいんだ! やだ〜ニヤニヤしちゃう!
付箋のページを開き、しばし食い入るように見つめるコトー先生。
和田さんから声をかけられ、熱を出したしんちゃんの元へまた往診へ。
診察室のコトー先生のデスクに、開かれたままの雑誌のページ。
見出しは、
『離れ島にただ一人の医師 島民の命を背負う』​───。
小見出しには離島医療の現在という言葉も。
掲載されているのは、島民に真摯に向き合うコトー先生の写真。
記事を書いたのは巽さんでした。
彼が見た、この島でのコトー先生の紛れもない真実。
コトー先生にとっては、きっとこれ以上ないほどのお土産。
巽さんがこの記事を書いてくれたこと、コトー先生はどれほど嬉しかっただろう。
そして、巽さんが憎しみから解放され、真実を書く記者として生きていくことを決めたこと、本当に嬉しく思いました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?