Dr.コトー診療所2003第1話感想

◇五島健助、島へ来る

青い海がめっっっっちゃ綺麗!!
圧倒的な映像美もこの作品の見どころのひとつだなあとつくづく思います。
その美しい海に向かって初っ端からゲロゲロ吐き散らしてるのが主人公の五島健助先生……。
「島にはあとどれくらいで……」
「あと4時間もあれば(ニコニコ)」
「よじかんっっ……(絶望)」
絶句してるのかわいそすぎてもう笑ってしまう。

「酔わないおまじない」
剛洋くんがスーパー可愛いなあ!
初対面の人にも上手にお話できるの偉いねえ……。
「ごとーけんすけ……」
「コトー?」
「ごと……ウ"エ"エ"エ"エ"エ"」
先生は酔いまくりで上手に名前が言えない……。かわいそう……。
深刻な顔で背中さすってあげる剛洋くん優しい~。

◇島到着後の初仕事は……

亡くなったお爺さん(やすおじ)のお家で看護師の彩佳さんと対面。
ペコリとお辞儀する先生に対して、泣き腫らした目をしつつ諦めたようななんの期待もしてないような、視線をふっと外す表情が凄く印象に残ります。

内さんに手荒い言葉を投げられ戸惑っているところに、現れた村長から手渡される死亡診断書……。
表情は見えませんが少しショックなような先生の横顔。

車の中では、彩佳さんが「ガッカリしました?」とか「逃げ出さないように父が監視してますから」とか原さんに負けないくらいのギスギスモード。
星野さんの娘さんという事実に、弱ったなあみたいな先生の顔。
早くも押され気味でちょっとおかしい。先生最初からだいぶ表情豊かですよね。

◇志木那島診療所にて

ヤギのよしえ&和田さん登場。
唐突なヤギに完全に腰が引けてる先生。
「では、さっそく📸」
和田さんの眩しすぎる笑顔と謎の撮影に先生はかなり引き気味。(笑)

砂埃舞う古びた診療所を見上げる先生のバックショット。流れる音楽とともにこの作品を象徴するワンシーンからOPを迎えます。
自転車をこぐ先生の姿がなんだかそういうオモチャみたいで可愛くて好きなんだよなあ。

事務長室で自己紹介をする和田さん。
医療のことはさっぱりと言って趣味のカメラでまたパシャリ。
「ライカのスリーエーってご存知ですか?」
「イイエ」
「……ですよねえ」
このシーンすんごいシュールで最高。

この設備では応急手当に毛が生えたことくらいしか出来ないと言う先生に対して、取り付く島なく答える彩佳さんに、よくわかりますと言いつつも「病気や怪我は待ってくれませんから」と返す先生。
初見時、ここで「おっ」となったのを覚えています。気が弱そうで頼りない雰囲気だけど、それだけじゃないんだって。
でもそんな先生に諦めるしかない、ここはそういう島なんです、と告げるのが看護師ではない和田さんなのが、これが本当に島にとって当たり前のことになってしまっているんだという現実を思い知らされる感じでつらい……。

◇漁協では「免許がない」で大騒ぎ

声のでかいシゲさんが興奮しながら捲し立ててるけど、星野さんの登場で一気に静かになるの力関係がわかりやすくて笑う。
「実のところ(免許)ないらしい……」で深刻な雰囲気にさせといて「車の免許はなあ~」っていうのイジワルでいいね!
シゲさん「島の移動どうするんじゃ!」
A「自転車です」

◇剛洋くんと彩佳さんの憂鬱

お母さんのお墓に手を合わせる原親子。
息子に厳しいこと言いつつも頭を撫でる手は優しいんですよね原さん。
剛洋くん、お腹が痛いことを言い出せないまま歩いていると、クニちゃんたちから光る石の計画を話されてさらに憂鬱に。

彩佳さんの自宅ではお母さんの昌代さんが新しく来た先生のためにお弁当作り!優しい~~。
「優秀な医者が好き好んでこの島に来ると思う?」
この言葉にこれまでの彩佳さんの悔しさが込められて……。ずーっと彩佳さんは期待して裏切られてを繰り返してきたんだろうなあ。

亡くなったやすおじの家のみつえさんから貰った黒糖飴を夕焼けの海辺で食べる彩佳さん。(映像が本当に美しい)
「ごめんね、何も出来なくて」
看護師ひとりで弱っていく患者さんを看ているのはつらかっただろうなあ。

◇島に来て初めての夜

玄関の電気も自分でつける先生。本当に長い間、お医者さんがいなかったんだなあ……。
海を見ながらガラケーを取り出す先生。今思うと貴重なシーン。
島は圏外。東京の病院でのことを思い出すシーンからは物語が始まってから初めて、先生のパーソナルな部分……過去をほんの少しだけ見ることができました。

海岸に打ち上げられた廃船と人影が気になって近寄ると水着を脱いだ茉莉子さんと鉢合わせ!
「ゴメンナサイ!!スイマセンッッ」
「イヤ、ミテマセン」(蚊の鳴くような声)
「ちょっとその星を……キレイダナ……」
先生の挙動不審っぷりがおかしい!(爆笑)
茉莉子さんが全然動揺してないから余計に笑えちゃうんだよね。
「ぼく五島けんす」
「船で酔ってゲロゲロ吐いたんだって!ハハハハハハハハ!!」(バシン!)
先生またしても自己紹介失敗……。
茉莉子さんは1杯ご馳走するとお店に誘ってくれたけど、先生は警戒心MAX!
お店のこと知らないから取って喰われると思ったのかも……。乙女のような拒絶っぷり。
怪しい光を見つけて「なんですか(迫真)」のあと、ひとりシレッと帰ろうとするの面白すぎるんだよなあ。
怪しい光の正体はクニちゃんたち3人組。
「ゲッ茉莉子だあ!」
呼び捨て笑うわ!
「逃げろ~」って走ってく子供たちにぶつからないように細くなる先生のフクロウ感。
「絶対触んなよ~」
「ハイ」
「ハイって……(呆)」
うーん先生よわよわですね。上下関係が、茉莉子さん>クニちゃんたち>先生ってなってる~。
クニちゃんたちもそれを悟ったのか猛口撃!
「情けな~い医者だって~」
「ゲロ吐いたんだって~」
「ゲロゲロ先生バイバ~イ」
清々しいほどの舐められっぷり!
笑いながら手を振って滑って転んで茉莉子さんに助けられる先生……。茉莉子さんから出会って速攻「ぼーっとしてるんだから」と言われてしまうの最高に情けなくて好き。

◇剛洋くんと彩佳さんの憂鬱2

お腹が痛いのに休ませてくれないスパルタ教育の原さん。休ませてあげてよ~ってなるんですが、剛洋くんが食卓についたら、塩辛?の蓋を開けてあげたり、先に醤油をかけてあげたり、そういう優しさが見えるのが良いなと思います。

バイクで出勤の彩佳さん。ワイルドで好き。
和田さんが直しているのは倉庫にあった古い自転車。この先、長い間先生の相棒となる足ですね。(じーん)
先生は採血台を手作り!意外と器用って思ったけどよく考えたらお医者さんなので器用なのは当然!
「それが役に立つ日は賭けてもいいけど絶対に来ないと思いますけど」
うーん彩佳さん超クール。
「賭けてもいいけど絶対なんて……まさかそんな」
ウッソだーって感じの先生。まだ余裕です。

10時半になっても患者さんが来ない……。先生ついにエア診察を開始。(涙)
そおっと待合室を覗くけど誰もいない……。丸めた背中が寂しい。
「そっかあ!まだみんなぼくがここに来たこと知らないんだ、だから」とポジティブに言ってみたけどまた彩佳さんに食い気味で「知ってますよ村中全員」って言われたの悲しい……。
でも「先生が船酔いしたことも」でちょっと表情が引きつるの面白いのでダメです。
「誰もこんなとこで診てもらいたくないですから」
これが島の現実だとハッキリ告げる彩佳さん。
「星野さんはそのことをどう思ってるんですか?」(初期の貴重な星野さん呼び)
「今のままでいいと思ってる?」
「看護師としてこの島にいて、それでいいと……」
先生は穏やかな口調だし責めるような言い方ではないんだけれど、この場面からは芯の強さを感じました。
先生の真っ直ぐさと彩佳さんの悔しさを感じて、少し緊張感が生まれる……。
ここから吐露される彩佳さんの本音、激情に島の医療の厳しさが込められてて、悲しくてつらいけれどこのシーン、凄く好きなんですよね。
「どうしてですか先生!日本中に溢れるほどお医者さんはいるのに、どうしてここには誰も来てくれないの!?」
涙目で訴える彩佳さんの言葉。離島医療の現実。同じことを思っている島の人はたくさんいるんだろうなあと考えさせられます。
「どうせ先生だってすぐいなくなっちゃうんでしょ」
「だったらそんな……」
彩佳さんがずっと諦めた顔をしていた理由がわかるんですよねここで。
来たばかりの先生に対しては八つ当たりのようなものだけど、彩佳さんの気持ちになると責められないよなあ。

鶏小屋でお腹の痛みを我慢しながら寂しく餌をやる剛洋くん。かわいそう……。
クニちゃん延期してあげてよーと思うけど、子どもの純粋さは残酷です。
「ほんとにお父さんの息子なのかよ」
それは言ったらダメー!禁句!島の噂怖いよ……。
「絶対だからな!」
鶏小屋叩いちゃダメーーー!!
鶏びっくりしてんじゃん!!もう!!

◇初日患者ゼロ

「先生ー!」
海岸でぼんやり海を見つめる先生に星野さんが呼びかけるシーン。好きだなあ。
「役場で20年医師を探す仕事をしてきました」
ひと言で言うけれど、これは物凄いこと。
星野さんの苦労。使命感。本当に大変な仕事で頭が下がります。
「みんなが安心して健康で暮らせるためにも、救える命を諦めたりしないためにも」
星野さんは医者じゃないけど、この仕事が島民を救うことにつながってるんだよね。
「今日、和田さんがね、古い自転車乗れるようにしてくれたんです」
「嬉しかったです」
「僕には帰る場所はないんですよ」
「こう見えてもぼく、けっこう張り切ってるんですよ」
先生の小さな出来事を噛み締めるように喜ぶ慎ましさ、帰る場所はないという気になる言葉、ぼんやりして見える(自覚済み)けどやる気に満ちてるという笑顔。
先生の人柄が少しずつ見えてきて好きな場面。
ほっとした星野さんと笑い合うのが素敵。本当に良いシーンです。

◇剛洋くん緊急事態

なんだかんだ言いつつ剛洋くんを気にしていたクニちゃん。自分も怖いだろうに約束の洞窟へやって来てくれます。根はとっても友だち思いなんだよね。
倒れた剛洋くんを発見してくれてよかった!

先生は自室で採血台を完成させていました!
出来上がった採血台にご満悦で、ナデナデ&頬ずりする先生。超嬉しそう。良かったね~。
完成品を運んでるところでクニちゃんが超ノック。
「なんで鍵なんか閉めてんだよお!!!」
「スイマセン……」
うーん、よわよわ!

先生の診断は腹膜炎を併発した急性虫垂炎。
診療所で手術するという先生に怒りを露わにする原さん。これまでの「島の現実」を考えると、先生の言葉が非現実的なものに思えるのも仕方ないですね……。
でも原さんの場合はそれだけじゃなくて、
「島の医者に、こいつの母親は殺されたんだ」
ショッキングな事実が明らかに。
原さんの拒絶の理由を知って一瞬凍る先生。
それでもすぐさま医者として自らのすべきことに向き合います。
「何か書くものを!」
覚悟を決めペンを走らせる姿は、序盤の情けなさとは打って変わって真剣そのもの。
何度見ても物凄いギャップだなあと思います。一気に心をつかまれる。
「頼んだよ」
クニちゃんの頭を撫でる先生優しい。
真剣さの中でも失われない穏やかさや優しさが好きです。
「お願い、絶対に剛洋を助けて!約束して!」
涙声で縋るクニちゃんに笑顔で
「わかった、絶対助ける」
と応える先生の頼もしさ!
「約束する、ほら」
泣いているクニちゃんに小指を出して指切りげんまん。
ここで先生を好きにならない人いないでしょ!もう!大好き!

まだ事態を知らない彩佳さんは貰った黒糖飴を自室で大事そうに一粒ずつ食べていました。
何もできなかったと言った自分に、そんなことないと言ってくれたみつえさん。黒糖飴を食べさせてやれと言っていたやすおじ。
そんな大事な患者さんを思いながら食べていたんだろうなと考えると、彩佳さんだって優しい人なんだと分かります。

◇原親子と診療所トリオ、夜の海へ

船に乗ろうと剛洋くんを運ぶ原さん。
「お父さんはぼくのこと弱虫だと思ってる?」
「お父さんはぼくのこと、嫌い?」
剛洋くんが苦しみながら絞り出す言葉がつらい。弱虫なんかじゃないよ……。
先生が必死で原さんへの説得を試みるも、頑なに拒絶されてしまうところへ茉莉子さんの車で彩佳さん到着!
大荷物を持って「いいから乗っちゃって」と船に飛び乗る先生。患者さんのこととなると大胆!
「おーい待ってくれーー」
和田さんも到着!めっちゃ寝間着姿。(笑)
和田さんも飛び乗り、遂に診療所トリオ乗船!
原さんに睨まれた、何も状況がわかってなさそうな和田さんに、不安そうな彩佳さん、そして覚悟を決めている先生。
このスリーショットが、一話で一番好きというか、なぜだか印象に残りまくっています。

動き出した船の中、苦しむ剛洋くんに向き合う先生たち。和田さんは当然素人なのでバイタルがなんのことやらでてんやわんや。彩佳さんも必死です。
揺れる船での点滴に戸惑い、うまく針が挿せない彩佳さん。
「貸して」と言ってスっと針を挿入する先生。
このやり取りと彩佳さんの表情で先生の技術の高さを見せる構成が上手いなあと思います。

点滴もだいぶ減って、血圧が下がる中あと本土までは4時間。
命のタイムリミットが迫る中、一瞬覚悟した表情を見せ、微笑みながら剛洋くんに話しかける先生。
「クニちゃんと約束したんだ、きみを助けるって」
暖かい声と優しい手。どんな状況でも患者さんを安心させる……そんなお医者さんなんだと伝わってきます。
そして、ついに先生は決めた「覚悟」を実行に移します。
こんなときだけど……和田さんへの耳打ちは先生の表情が髪に隠れて見えなくて、動く唇がなんだか色っぽくてドキドキ……。
(どうにかして原さんの船を止めてください)って言ったのかな。
勘づいた彩佳さんは驚愕。
「そんな、リスクが大きすぎます」と反対する彩佳さんに先生が言った言葉。
「ぼくは死亡診断書を書くためにこの島に来たわけじゃありません」
穏やかで、笑顔だけれど、医師としての確かなプライドのようなものが見えて、果たすべき自分の役目を告げる先生がすごくかっこよくてこのシーンも大好き。

「剛利さんよお……アンタやっぱり……こ、このわからず屋!!」
ヘタクソか!!(爆笑)
和田さんが思いのほか力技というか全然気を反らせてなくて、真剣なところ悪いけどつい笑っちゃう。
でも奇跡的に鍵を取れたからファインプレーだよね。
からの先生の遠投。鍵は海へポチャン……。
当然原さんの怒りは爆発。
怒りと言うよりも、もはや激情……島の医者への憎しみ。
「心臓病をただの風邪だと言い続けた!!」
「島の医者の言うことを信じて!!」
原さんの味わった悔しさや絶望は、どれだけ時間が経って晴れるものではなくて……。
大切な人を失った苦しみがありありと伝わってきてこちらまで胸が痛みます。
涙に咽ぶ原さんに、
「お父さん」
と呟く剛洋くん。(ここの剛洋くんのソプラノボイスがめちゃくちゃ儚いというか、胸をギュッとさせる声なんだよね)
原さんに残されたたった一人の大切な息子。
血を吐くような叫びに似た声で「剛洋!」と呼びかける姿。原さんがどれだけ息子を愛しているかがわかります。
そんな原さんに、剛洋くんを必ず助けると告げる先生。
「手術を始めます。……いいですね」
激情をぶつけられてもなお、揺るがない先生の信念。
医者として、人を助けることにとことん頑固で真っ直ぐな姿勢を貫く。そこはどうあっても譲れないんだろうなあ。

◇船上手術

「よろしくお願いします」
「こちらこそ……」(オペ開始にしては斬新な返答)
和田さんの緊張が伝わってくるよ~。
案の定メスを入れた瞬間にふらっとしてしまった和田さん。
しゃーないよ……そりゃ怖いもん、わかるよ……。そんな和田さんの懐中電灯を手に取ったのが原さん。
このシーン涙が出そうになるんですよ。
息子の手術。目の前で見て平常心でなんかいられるはずはなくて……信用できない島の医者に託すしかない状況で、悔しくて納得は全然できてなくて……それでも息子が助かるならと一縷の望みのもと、手術が上手くいくために手を貸す。
原さんの心を思うと、本当に凄いなあと、なんて凄い父親なんだろうって思うんですよね。

茉莉子さんの幼なじみだった原さんの奥さん。
ずーっと一緒で、本土の高校も一緒で、でも彼女は島に帰って原さんと結婚した。
「なのに死んじゃった」
茉莉子さんの喪失感。寂しそうな呟きが切ない。
「本土に住んでれば助かったかもしれない病気で」
島にちゃんとしたお医者さんがいてくれれば……こんなにつらくて悔しいことはないよなあ。
助かったかもしれない命が、失われてしまったんだから。
「(ほんとの親子じゃないなんて)もう二度とそんなこと言っちゃダメ。わかった?」
しっかり諭して、優しく肩を抱いてくれる茉莉子さん。
こういう人がいてくれるのって幸せなことだよクニちゃん。茉莉子さんも素敵な人だよね。

呼吸が乱れ、血圧の下がってきた剛洋くんに、先生は洞窟で石を拾ってきた勇気だめしの話をします。
「すっごいなあ。ぼくには絶対無理だよ」
みんなに弱虫だと思われたくなくて、一生懸命だった剛洋くん。先生の言葉が嬉しかったんでしょうね。
痛みの中でもうっすら微笑む息子の姿に、原さんは驚いた表情。一瞬先生を見つめていました。
原さんの心の中で、もしかしたら何かがほん少しだけ動かされたような……そんな瞬間だったのかも。

痛みに呻く剛洋くん。みんなが頑張れと声かけるのがいい。がんばれ剛洋くん。こちらも手に汗握ります。
「よし取れた!」
「気絶するような痛みだったろうに、剛洋くんはよく我慢しました」
凄いよ剛洋くん!
和田さんなんかビビりまくりだよ……。いやアレはビビるよね。

「あ、夜が明けて来ちゃったあ」
「ほんとだあ……」
真っ暗な夜の海で盲腸の手術。信じられないようなことをしたんだとつくづくびっくり。
和田さんと彩佳さんの気の抜けたような声で、ようやくこちらもひと息つけた感じ。
先生はなんだかひとりで気まずそうな様子。
「原さん……お返ししておきます」
取り出したのは船の鍵!
「投げたのは診療所の鍵です」
(えっ)って感じの彩佳さんと和田さん。このことは2人も知らなかったのね。
「そうでもしないと手術できなかったので……すいません」
ヤダ!先生意外としたたか!好き!
と思ったらいきなりの嘔吐!
船酔い……手術のときはバフでもかかってたのか大丈夫だったみたいだけど、終わったら急にゲロゲロきちゃったね。
かわいそう……でも終わったあとで良かったよ。
おまじないをやって見せてくれる剛洋くんウルトラキュート。
「だいじょぶだいじょぶ」
なにも大丈夫じゃない先生……クロスしてた指もなんか間違ってたみたい。(笑)
それでもこの船でこのとき見た朝焼けは、きっと先生にとって忘れられないものになったはず。

◇手術を終えて……

救急車に乗る原親子。
真摯に頭を下げる先生の姿は、原さんの目にどう映ったのでしょう。
救急車を見送る診療所トリオ。グッと拳を握る和田さんがなんかツボです。
寝る前って感じの彩佳さんと和田さんと、白衣を着ていないシャツ姿の先生。
シュールな雰囲気の凸凹トリオに見えるけど……一人の患者さんを力を合わせて救いました。
「私、先生は医師として正しかったと思います」
「ありがとうございます剛洋を助けてくれて」
「でももう二度とこんな無茶ヤですけど」
ヤッター彩佳さんが心を開いてくれたよ!!
笑うとめちゃくちゃ可愛い彩佳さんの笑顔につられてニコニコしちゃう~。
和田さんもニッコリで、先生に頼れる仲間ができた瞬間でした。良かったね、先生。
「帰りましょっか」
「はあ~また6時間かあ……」
憂鬱そうな先生に、和田さんから【悲報】。
「こっからだと8時間になります」
先生堪らず思い出しゲロ!かわいそう……。
「魚がいっぱい集まってきちゃった」
うーん和田さん、いらない情報だなそれ!

◇エピローグ

すっかり元気になった剛洋くん。クニちゃんのところへ走ってくる姿にほっとしました。
「お前全然泣かなかったんだってな」
「みんな褒めてたぞ、お前のことすげえって」
「ごめん卑怯者なんて言って」
偉いぞクニちゃん!ちゃんと謝れたね!!
「これ、お前に返す」
そう言ってポッケから出したのは光る石。
「勇気のしるし」
海岸で手渡されるふたりの友情の証。
少年たちの満面の笑みが眩しくて、幸せな気持ちになりますね。
良いシーンだよなあ。

診療所では今後必要になる設備などをリストにまとめて星野課長へ依頼中。
しれっと海を眺める先生がおかしい。
課長を気遣ってあえて数字を出さない和田さん正解!
「ここが腕の見せどころなんじゃないですか?」
「東京の大学病院から外科医連れてきちゃったのは課長なんですから」
彩佳さんの援護射撃が嬉しい! なんとも頼もしい味方ができて、先生ほんとに良かったねー!
顔を見合わせて笑うふたりにホッコリ。 
そこにクニちゃんと剛洋くんがやってきて退院報告&診療所へプレゼント!
得意気なふたりのうしろで「コトーじゃなくて五島なんだけどな」とボソボソ言う先生がおかしくて!
「どう?コトー先生」
「うん、いいなあ!ダケドアノコトージャナクテゴト……」
最初に上手に自己紹介できなかったので、これはもうしょーがないってやつですね。
晴れて五島健助先生は、コトー先生となったのでした!おめでとう!

さあ、写真写真ってとこで内さん来ちゃった!
「魚と同じように人の腹をおろすってよ~」
とんでもない話になっちゃってますね……。島の噂はやっぱり怖い……。船の上でみんな頑張ったのになー。(涙)
ところでどうしてくれんですかね内さん、みんなのこの空気……。
と思ったらムードメーカー和田さんが「ま、いっか!」のゴリ押し!
いいか~ほんとか~?と思いつつとりあえずパシャリ!
そして、剛洋くんとクニちゃんのプレゼント……「ドクターコトー診療所」の旗を振り返り見つめる先生の表情は、眩しそうで、少しくすぐったそうで……。

◇銀の龍の背に乗って

この作品を象徴する名曲。Dr.コトーといえば、って感じで一緒に語られることも多いですよね。
歌詞と映像美が見事すぎます。
荒廃した診療所がコトー先生がやってきたことで生まれ変わってるのが感動的。
和田さんが劇中で撮っている写真が、エンディングでこういう使われ方するの最高ですよね。
壮大なスケールの曲と圧倒的な自然の調和が凄い。
崖から海を眺める先生の後ろ姿にグッときます。

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

22,281件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?