Dr.コトー診療所2003第3話感想

◇診療所大繁盛!

「それじゃあ山下さ~ん」
「「「「はーい」」」」
複数の山下さんにビックリして後退りするコトー先生の小動物感。かわいい。
フルネームで呼ばれたあきおじ。
「じゃ、おさきに」
ご機嫌♪

「悪いところどこもない!」
「どこも……」
「健康そのもの! それがわしの自慢じゃ!」
あきおじの勢いに先生ポカン。
「さて、ことのついでだから血圧でも測ってもらおうかの」
「……コトノツイデ……」
「……」
彩佳さん顔が引きつってます!(爆笑)
「そうですね! ことのついでに血圧測りましょ」
コトー先生はとっても嬉しそう!
そして遂に手作り採血台が登場!!(感涙)
賭けてもいいけど使う日は来ないなんて言ってた彩佳さんが、嬉しそうに持ってきちゃうのなんか凄く良いよね!

内さんは診療所を脱走して妊婦のゆかりさんの元へ。
「内さん、僕が診察してもいいですか」
「医者がなに言っとるか!」
「でもほら、お産に関しては内さんの方がベテランだから」
「口がうまいからなあ~。あたしゃそんな手にゃ落ちんよ~だ」
ここの先生と内さんのやり取り好き!
内さんがすっかり先生のことを医者として信頼してるってわかるんだよね。
通りかかったシゲさんは、島民と仲良くなってきたコトー先生を偵察(?)中。
まあ、あんだけ敵視してたからね。これからこれから。

◇コトー先生と原親子

夕焼けの海岸。
石段でシュバイツァー博士の本を見ながら語り合うコトー先生と剛洋くん。
剛洋くんの無垢な声が本当に素敵で、シュバイツァー博士の言葉が胸にきます。
「先生、僕ね……」
「?……なに?」
「やっぱいいや、また今度」
「なんだよぉ」
「また今度」
ここのやり取りがスーパー可愛くてにやけまくってるのは賭けてもいいけどわたし1人じゃないはずです。
この剛洋くんに対してラフな感じの口調になるコトー先生がめちゃくちゃ好きだし、心に秘めたほのかな夢を話したいけどまだ口にできないでいる剛洋くんが愛しさしかない……。
このシーンのコトー先生、すっごく優しい顔してんだよなあ。
と、ここで原さん登場。
慌てて帰る剛洋くんと背を向ける原さん。
に対して、コトー先生はいつも通り。
「どうもお父さん」
「原さん、おかげさまで内さんだいぶ良くなりましたよ」
「原さんがみんなに声をかけてくれたおかげで」
振り返らない父の代わりか、手を振る剛洋くんが健気。
この後の空を背負ったコトー先生の絵は、なんとなく(ま、気長にやってくしかないかあ)みたいな顔しててマイペースな感じが伝わってきます。

◇ゆかりさん、異変

身重のゆかりさんは、風邪で寝込んでいた義母のもとへ。
優しいお嫁さんだあ……。(涙)
ご飯を作ってあげています。
「なんだかゆかりさんの顔見たら急に元気になっちゃって」
義理のお母さんにそんなふうに言ってもらえる嫁姑関係最高すぎる。
ここらへんのやり取りで、(ああ、良い家族だなあ)って凄く思いました。
「俺の顔見て、具合悪い具合悪いって散々言ってたくせに」
お義父さんのセリフも可愛い。

診療所。
努(つとむ)さんの背中をマッサージしたコトー先生の指、すんごい曲がってる!!
え、これ凄いな、あんな曲がる?
吉岡さんの特技なの??

痙攣を起こして倒れてしまったゆかりさん。
「こりゃあ……」
「子癇発作と、考えていいですか」
「母体がもたないかもなあ……」
診断を仰ぐコトー先生。
経験豊富な内さんを本当に信頼しています。
そしてその内さんから出た言葉に一気に走る緊張感。
見てて嫌な汗が出そうなくらい。

大学病院。
産婦人科で回診中の原沢先生は「志木那島診療所の五島先生」という名前に足を止めます。
コトー先生は専門の分野の先生に意見を聞きたくて原沢先生に電話をかけていました。
「こういう場合、どうしたらいいんだろう」
「オペね。カイザーでベビーを取り出した方がいいわ」
「帝王切開……」
ここの原沢先生の台詞。
あえてかはわからないけど専門用語を使っていて、わかりやすい言葉で島民に接してきたコトー先生と都会の大学病院で働く原沢先生の対比がなんとなく感じられるなあ。
「ベビーは諦めることね」
サラッと言う原沢先生。
冷静。でも母体を救うためには必要な決断……。
だけど、原沢先生と違って、今のコトー先生の後ろには島民がいるんだよね。
「突然こんな電話ですまない。それじゃ……」
「……」
電話を終えて、椅子に腰かけたまま立ち上がらない原沢先生。
周りの忙しくしている看護師さんたちの中で、一瞬時が止まっているようにも見える……。

◇手術する? しない?

診療所に戻った先生は諦めきれず、ゆかりさんたちを受け入れてくれる病院を探してあちこちへ電話を。
船で運ぶとなると何時間もかかり、島にヘリコプターはいないうえ手続きも煩雑……。
受け入れ先も見つからないまま。
離島医療の現実、その厳しさをまたしても思い知らされてつらい。

坂野さん一家へ、現状を告げる先生。
赤ちゃんを諦めたくないお義父さん。
戸惑い、うまく言葉にできずに出ていってしまう坂野さん。
そして、お義母さんは胸の内を先生に。
「子供は、いつかまた授かることがあるかもしれません」
「だけど、お嫁さんはひとりしかいないんです」
「ゆかりさんは大事なわたしらの嫁です」
「先生お願い! ゆかりさんを、ゆかりさんだけでも助けてやって。すぐにでも手術をしてやって! お願いします!」
このシーン、どうしても涙が出る。
お義母さんの苦渋の決断。みんなが2人とも助けたいと願って身動きができなくなるなか、断腸の思いでこれを言うお義母さん。
ゆかりさんへの愛情が本当に凄い……。

居酒屋まりにて。
茉莉子さん、自衛隊にもモテモテ!
優しくて綺麗で、ご飯が美味しんだもんね。そりゃみんなお店に行きたくなるわ~。
そんな憩いの場で漁師たちがゆかりさんの手術の話を……。
コトー先生が手術したいだけだなんて悪意丸出しのことをイキイキと喋るシゲさん!
まったくもう! このオヤジは! と思っていたら茉莉子さんの喝!
ふにゃふにゃになるシゲさん。
見てる自衛隊にやつ当たりするシゲさん。
ホントしょーがないオヤジだなあ。(笑)
原さんは何か思うところありそうな表情……。

診療所の外では悲しみにくれる坂野さんと、寄り添う内さん。
それを離れたところから見守るコトー先生。
60年産婆さんをやってきた内さん。
「悲しいことがたくさんあったよ」
「思い出すとな、涙が出るようなこともなあ、いっぱいあった」
「人にはなあ、天から与えられた寿命がある」
「この歳してまあだ生きてるばばあもいればよ、産まれる前に命を消す子もいる」
「運命には逆らえん……悲しいよ」
「赤ん坊は、諦めろ……なあ孝、なあ」
内さんの言葉が重い……。60年の経験とその重みが伝わってくる語りだ。
だからこそ無事に生まれた命は大切で、本当に奇跡みたいな存在なんだなあ。
内さんにとっては、坂野さんも子供みたいなものなのかも。
孝ってかける声が、背中を撫でる手が、優しくてお母さんみたいだった。
そして、坂野さんもついに決断を……。

手術前。念入りに手を洗うコトー先生。
そこへ原親子が。
「あんた、こないだ俺に言ったよな。目の前で消えかけている命を黙って見過ごすわけにはいかない。そんなことをするぐらいなら医者をやめるって……」
「あれは口からでまかせか?」
キツい一言。コトー先生にはあまりにもキツい。
「僕だって、僕だって救けられるものなら救けたい!」
「なんで救けない? 救けようとしない!?」
コトー先生の本音。
救けたいに決まってるよなあ。
痛いところをつく原さん。
コトー先生の顔にも悔しさが滲み出てる。
「お父さんやめてよ! 先生はきっと救けてくれるよ! 赤ちゃんもゆかり姉さんも」
この言葉に、コトー先生は目を逸らしてしまうんですよね。
何よりも痛いのは、剛洋くんの言葉だった。
「ねえコトー先生」
顔を上げられない……。真っ直ぐな信頼が痛いよ。
コトー先生の気持ちになると、もう見てて苦しくなるシーンです。

手術開始……。
先生の脳裏にはたくさんの人の思いや言葉が蘇って、麻酔を打つ手が動かない。
そんなとき、ゆかりさんの声が。
「殺さ、ないで」
「赤ちゃん、殺さないで」
「この子は二度と生まれてこない……」
「殺さないで、島の赤ちゃん……」
ゆかりさんの必死の思い。
そしてコトー先生は、諦めずに命を救うための決断を下します。
ここで劇伴の「Stage」がかかるの、本当に最高だと思う。
いつも命を救う場面で流れてきた曲だから、今回は手術開始じゃなくて手術を中止した場面で流れるんだ。
迷いに揺れていたコトー先生の瞳が定まって、言葉に力がこもっているのがわかります。
和田さんの応答もひと言なんだけど熱い。

◇母子ともに救うために

役場では星野さんがヘリの要請のために、診療所ではコトー先生や和田さんが受け入れ先を探すために……そして、彩佳さんはそばについてゆかりさんを励ます……それぞれが命を救うというひとつの目的のために懸命に動く姿に胸を打たれます。
そして、遂に受け入れ可能な病院が見つかって一歩前進! かと思いきやヘリが……。

「肝心なときにおらんじゃないか村長が!」
星野課長。村長に激怒。
立場とかもう関係ないくらい星野さんも必死です。
茉莉子さんも真っ赤な車で役場に到着。(かっこいいな……)
本土の天気が悪くてヘリが飛ばないことを聞いて表情を曇らせ……。

診療所ではせっかく病院が見つかったのに何もできないでいる無力感に、コトー先生が悔しさを噛み締めます。
「和田さん! どうしてヘリが飛ばないんです!」
掴みかかる勢いのコトー先生。
和田さんも言葉が出ずに……つらいよ……。
彩佳さんもその場にいられず、逃げるように受付へ。
でも期待してるような島民たちの視線がつらい……。
背中を向けて俯いてしまったところへやってきたのは茉莉子さん!
「自衛隊のヘリがすぐに来るから公民館の裏で待機して」
自衛隊!? 伏線回収だーーー!!
「隊長に直訴したの。自衛隊のヘリ出せって」
つよい。
「ちょっと脅してやった。救けてくれなかったら二度とうちの店で飲ませないぞって。男として認めないって言って!」
かっこいいーーー!! 一生ついて行きます!! アネゴォ!!

公民館裏。
自衛隊のヘリが現れ、劇伴「銀の龍の背に乗って」のイントロがかかるの神でしかない。
子供たちの声もあいまって涙が……。
ヘリコプターを背景に自衛隊病院の先生とコトー先生が対面し、カルテを渡して、敬礼、固い握手を交わすこのシーン。最高に熱い。
命を救おうと必死に足掻く医者のバトンが渡される感じに心が震えます。
白衣をはためかせながら手を振って見送る先生。
応援しながら手を振る子供たち。
お義父さん、お義母さん、島のみんな。
漁協では、シゲさん始め漁師たち……そして原さんは見送って背を向ける……。

◇2つの電話

診療所の静かな夜。
コトー先生がひとり片付け。
彩佳さんは眠りつつ内さんの腰を擦ってあげてる。
「あーや……あや……もういいよ、あーや」
内さんにとっては彩佳さんも子供みたいな感じなのかな。
彩佳さんは眠っていても看護師さんなんだね……。尊敬。
椅子で横になって眠る和田さんは電話を抱えてる。(笑)
安らかな寝顔。
待合室は昼の喧騒の跡を残したままで、コトー先生が散らかったスリッパを片付けようとした途端、電話が!!
慌てて受話器のもとへ飛びついたけど、電話の相手は心配してかけてくれた原沢先生。
「け、今朝ありがとう」
なんとなく聞いてはいけないような雰囲気を感じたのか、目を覚ました彩佳さんはそっと隠れてしまいました。
状況を説明した後は、互いの近況報告へ……。
原沢先生の声も、コトー先生の声も優しい。
「ねえ、いつ戻ってくるの」
おお……戻ってくることは確信してるような言い方。
「そんなところにいても今の医療から遅れていくばかりよ」
「なんのために、そんな場所にいるの」
この言葉から原沢先生のスタンスが見えてきそうな感じですよね。
そしてきっと、多くの医師のスタンスは原沢先生と同じ……。
「少しだけなにかがわかりかけてるような気もしてる」
「なにか?」(尋ねる原沢先生の声が優しい)
「たとえば……たとえば僕は……今まで、どれだけ患者さんと向き合って治療してきたのか」
「どれだけ……人として向き合って……」
俯くコトー先生。
コトー先生はずっとこの島で考え続けてるんだなあ。
あれからずっと……。
原沢先生とのやり取りや1話での先生の一瞬の回想から、ここまでの3話でも相当先生のパーソナルな部分が見えてきてる感じがある。
「今朝、真っ先に電話くれたこと、嬉しかった」
「…………」
「……じゃあ」
「……うん」
ああああ…………原沢先生……。
このへん唸っちゃう。切ないというかもどかしいというか。
2人は大人だなあ……。
ずっとスリッパ握りながら電話してたコトー先生おもしろかわいい。

少しぼんやりしたあと、立ち上がった先生、背後にいた彩佳さんにちょっとびっくり。
気まずそうな彩佳さん可愛いな。
見てはいけないもの、聞いてはいけないものを聞いてしまったような顔。
電話してたときのコトー先生はいつもとちょっと違った様子で、でも自分の前ではいつもの笑顔で……。
スリッパの片付けに戻る先生に、ずっと聞きたかったことを尋ねる彩佳さん。
どうしてこの島へ来たのか……。
「なんだか……先生の腕がもったいないような気がして」
「ありがとう彩佳さん」
「でも、それは逆だよ」
「え?」
「僕は、この島が僕にはもったいない気がしてるんだ」
先生……………。
無理、このへんは言葉にならない。
コトー先生は正直な人だな……。
この場面の先生の気持ちを思うと……やっぱなんも言えないよ……。
沈黙を割いたのはまたも電話の音!
やっと来た待ち続けてきた吉報に、コトー先生、彩佳さん、慌てて起きてきた和田さんも一気に笑顔に!!
うわずりまくるコトー先生の声が嬉しさ滲みまくってて最高!
「俺は今までお医者さんてもんは、よかぶってる人ばっかりかと思ってました」
「世の中にはこういうお医者さんもいるんだなってことに、そのことに……」
「ほんとにありがとうございました……ありがとうございました!」
「坂野さん、僕の方こそありがとうございました……おめでとうございます!」
コトー先生たちの必死になって命を救おうとする姿勢が、坂野さんの信頼になった。
そしてコトー先生は、目の前の命を救うために最後まで懸命になることの大事さ、諦めないことの重要性を思い出させてもらった。
だからきっと先生もお礼を言ったんだろうなあ。
「「「やったあーー!!!」」」
ハイここ!!
3人で喜んでジャンプする診療所トリオ!!! 尊い!!! 最高に可愛くない??? 可愛い!!! 愛しさ爆発するわ!!

◇千の喜びのなかで

「千賀っちゅうんは、千の喜びという意味です」
良い名前すぎる!! ここお義父さんの嬉しさとか興奮が声に出てて良かったなあ~って気持ちになる。
待望の孫に会えたんだもんね……。
千賀ちゃんかわい~~~!!
コトー先生メロメロ!!

「死んでもいいって思ったなあ……わたしも」
茉莉子さんの衝撃のつぶやき。
離れて暮らす剛洋くんと同じ歳の息子が、生まれたときの話。
みんなに祝福されるゆかりさんが少し羨ましいと言う茉莉子さん。
でも、ゆかりさんの気持ちがわかったからこそ、きっと赤ちゃんを救けるために一生懸命になってくれたんだよね。
赤ちゃんのためなら死んでもいいって思ったゆかりさんのこと、茉莉子さんは放っておけないから……。

千賀ちゃんお披露目会はまだまだ続いていて大騒ぎ。
星野さんのひと言が、和田さんから娘の彩佳さんへの問題発言に繋がってるのひどいな!(笑)
内さんは酔っ払って和田さんに絡み、先生に絡み、最終的に村長に絡みに行ってる!(爆笑)
そんななか、喧騒からそっと離れて見守るコトー先生。
幸せなひとコマのなかで、それでも先生の後ろ姿はどこか寂しいんだよなあ……。

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