ただ守りたい… 125話
特別教室校舎屋上
「ああああ!!!!!!!」
○○の右手にあった赤い宝石が空を飛び、屋上から落ちて行った。
日奈子: エヘヘ、みんな、ごめん。
飛鳥: …
美月: …
○○: みんな、怪我はない…ね。日奈子、危ないから、今さっきのはダメだよ。
日奈子: ごめんなさい…
理々杏: 僕もごめん。
紗耶: あ、あの、紗耶もすみませんでした。
珠美: ごめんなさい!
○○: 笑、良いよ。
飛鳥: ごめん…
美月: 私も、ごめん。夢中になり過ぎてた。
○○: うん。よし、気を取り直して、行こう。
日奈子: ん?どこに?
○○: そりゃ、さっき落ちて行った赤い宝石を取りにだよ。僕の手から離れたとはいえ、まだあと4分ぐらいはあるんだから…
飛鳥: またね!!
美月: ○○とのデートは私のものだ!!
理々杏: 渡さない!!
紗耶: 失礼します!!!
珠美: 珠美が取る!!!
ガチャン!!!!
○○: はっや笑
日奈子: 行っちゃったね〜
○○: あれ、日奈子は行かなくていいの?
日奈子: うん!もう十分楽しかったし!
○○: 笑、そっか。なら、歩いてみんなに追いつこう。
日奈子: はーい!
3分後…
美月: ない…ない…なぁぁああい!!!!!
紗耶: マジでどこにも見当たらないです!!
珠美: 珠美の宝石どこ行ったの?!
飛鳥: 確実に、この辺に落ちたと思うんだけど…
理々杏: 赤い宝石…
特別教室校舎から大急ぎで出てきた5人は、赤い宝石が落ちたと思われる地点を、探し回っていた。
理々杏: 人手を増やすか…
飛鳥: いや、ここまで探して見つからないとなると、誰かが持ち去ったと考えるべきじゃない?
美月: 誰かが持ち去ったって、私達が上から降りてくるまでに、1分もかかってないはずだよ!
飛鳥: それでも、通りすがりで赤い宝石が地面に落ちてるのを見て、拾っちゃったとか、考えられない?それが、赤い宝石を探していた人なら尚更。
理々杏: うん、ありえるね…
美月: ってことは…私達の赤い宝石は……奪われた…
紗耶: ガーン
珠美: い、いや、珠美はまだ探します!!
○○: あれ、まだ見つかってないの?
ここで、○○と日奈子が外に出てくる。
美月: ○○…
飛鳥: どうやら、誰かが持って行ったみたいなの。
日奈子: え?!赤い宝石を!
飛鳥: うん。
理々杏: いくら探しても、全然見つからないんだ。
○○: そっか…それは残念というか…
美月: ね、ねぇ○○…
○○: ん?どうした。
美月: 赤い宝石の景品とか関係なしに、2人で遊園地に…
飛鳥: あ、ズルいぞ!!
紗耶: それなら、紗耶だってお願いしたいです!!
珠美: 珠美も!!
理々杏: 僕だって!!
○○: じゃ、じゃあ、みんなで行こう。
美月: みんなじゃダメ!2人で行きたいの!
飛鳥: (こ、コイツ、そんな直接的に…)
○○: そ、そうなんだ…でも、みんなとそれぞれ2人で行くとなると…
ブーーーーーー
「宝探しゲーム終了です!!!!」
○○: あ、終わった。
日奈子: これさ!誰が宝石をゲットしたとか、発表するのかな?!
○○: どうだろ?
理々杏: 生徒だったらまだしも、一般の人ならさすがに発表しないでしょ。
美月: なら、赤い宝石を拾ったのが、生徒だった場合は、ソイツが誰なのか分かるってことね笑
紗耶: み、美月先輩、笑顔が怖いです。
珠美: でも、珠美も誰が持って行ったのかは気になります!
○○: いや、みんなは赤い宝石を誰かが持って行ったところを、見たわけじゃないんでしょ?だったら、まだ赤い宝石を持って行った人がいるとは限らないんじゃ…
「それでは、名前を出す許可をもらった人に限り、宝石をゲットし、景品を獲得した人を発表します!」
美月: さぁ誰だ!!
「青の宝石は、数多の挑戦者から宝石を守り切った、ありとあらゆる知識が眠る地の番人…乃木高3年、図書委員長の鈴木絢音!!」
飛鳥: 委員長が…って、もし○○が赤の宝石を持ったままだったら、○○が景品を貰えてたってこと?
○○: うん。そう桜井さんに聞いてたよ。
飛鳥: へぇ…(なら、赤い宝石を○○が持ってたら、誰を誘うか…誰のことをそういう感じで捉えているかが、分かったかもしれない…)
「続いて、赤の宝石は…」
美月: 誰?!
日奈子: うぉぉおお!!
およそ、5分前…
??: 何かやるんなら、人が一気に動き始めるこのタイミングやと思ってたけど…う〜ん、変な奴はおらんかったと思う……たまたま見てないだけか?
関西弁を話す女子生徒が、周りをそれとなく確認しながら、特別教室校舎の近くを歩いていた。
??: でも、今日までなんもないとなると、仕掛けてくるのは明日…いや、まだ仕掛けてくると決まったわけじゃないし……ん?これは…
地面で赤く煌めいている物を発見する。
??: なんでこんなとこに…
ガヤガヤ
??: あ、上か……笑、楽しそうやな。ってかどうしよう。これを拾うか…一応、この企画の運営には参加してないし、○○が持ってるってことは、公表された後だし……問題ないか笑
そう言って、西野七瀬は、赤い宝石を手に取る。
七瀬: じゃ、時間もないことやし、早く玲香のとこに持ってこ。
「偶然落ちてたのを拾ったという、運に恵まれた我が校の副会長、西野七瀬!!」
○○: え、なぁちゃん?!!
日奈子: 七瀬先輩!!!ラッキー!!!
理々杏: (なぁちゃん?)
飛鳥: 七瀬先輩が?!!
紗耶: 意外と身近な人…
珠美: しかも先輩…
美月: これじゃあ、どうしようもない…ガクッ…
「これは、決して八百長ではありません!副会長は、今回の生徒会企画には携わっていませんし、赤い宝石は地面に落ちてたのを拾ったと言ってますから。これでも何か意見がある人は、ぜひ副会長と赤い宝石を持って逃げていた深川○○に聞いてください!」
○○: うん、絶対に誰も意見なんか言わないよ。
理々杏: だね笑
飛鳥: 嘘でしょ…あのタイミングで、たまたまここを通って、赤の宝石を拾ったのが、七瀬先輩……そんなの、偶然とかじゃなくて、誰かの作為があったとしか…
○○: 誰かの作為って笑…屋上にいた僕の手から宝石が飛んで行って、この辺に落ちてくるなんて、誰も予想できないよ。
飛鳥: だよね……
日奈子: だったら、神様のいたずらでしょ!!
飛鳥: 神様のいたずら?
理々杏: 笑、面白いこと言うじゃん、日奈子。
飛鳥: そんな言葉、どこで覚えたの?
日奈子: えーっと、美咲ちゃんが前に言ってた!
飛鳥: なるほど笑…にしても、神様のいたずらか…
理々杏: 今、何を思ってるの?笑
飛鳥: いや…こういう流れも、神様のいたずらなのかなって思ってさ。
理々杏: 随分とポエムチックじゃん笑
飛鳥: うわ、恥ず笑
美月: ガーン
紗耶: ま、まぁ、しょうがないですって。
珠美: そうですよ!次です!次!!ってことで、○○先輩!!後夜祭、一緒に回りましょう!
紗耶: この流れで、そんなこと言うの?!
○○: え?後夜祭?
美月: …そうだね…いつまでも落ち込んでたって、しょうがないよね…
飛鳥: …あれ?珠美の後夜祭一緒に回ろう発言に、対抗しないの?笑
美月: え?
飛鳥: …笑、そっか、美月と理々杏は知らないのか。やんちゃんと珠美は、誰かから聞いたのか、知ってるみたいだけど。
紗耶: はい!美咲先輩に聞きました!ってことで、紗耶も一緒に後夜祭回りたいです!○○先輩!!
珠美: 珠美は、奈々未先輩に!
○○: またこの展開…
美月: なに?なんの話?!
理々杏: 私も教えて欲しいな〜
飛鳥: 笑、自分で調べな。ま、○○!私も一緒に後夜祭に。
美月: ちょっ!なんか、よく分かんないけど、みんながそんな感じで行くんなら、私だって!
理々杏: 私も負けてられないからね。どっちにしろ、○○との時間はたくさんある方が良いし。
○○: はい、一旦、落ち着こう。ずっとこんな感じの流れだからさ。
日奈子: そうだよ!!みんな、テンション上がり過ぎ!!!ビックリマークが多過ぎるよ!!
飛鳥: いや、言葉のほとんどについてる、日奈子に言われたくないわ。
日奈子: え?!!!
○○: まぁ良いから、みんな落ち着こう、ね。
紗耶: ふぅ…はい。
珠美: 分かりました!
美月: うん!
理々杏: そうだね。
飛鳥: はぁ…まさか、日奈子に言われるとは。
日奈子: なんだと?!!
○○: よし、これでいつもの感じだ。
飛鳥: うん、で、後夜祭は誰と回るの?
全員がキラキラ…いや、ギラギラとして目で、○○を見る。
○○: えーっと…後夜祭でも、余った食材を使い尽くすために、料理を出さないとじゃん。執事とメイドはしなくても良いけど。
美月: 別にしても良いんだよ笑
○○: いや、やらない。それで、まだ後夜祭の料理と提供を誰がやるのかは決まってないから、みんなも僕自身も、後夜祭を回れるかは分からないでしょ?
珠美: そういえばそうだった…
紗耶: さ、紗耶は演劇なので、問題ないです!
○○: それでも、片付けとか色々とあるだろうし…ってことで、その誰と一緒に回るとかは、ちゃんと後夜祭を楽しめるようになってから話し合わない?
飛鳥: (やっぱり、自然に話し合うってことになるか…)
理々杏: (○○の方から、選んでくれることはないんだ。)
日奈子: うん!!それが良いね!
美月: 日奈子も○○と一緒に回りたいの?
日奈子: え、だって、みんなそういう話をしてるし!
美月: (なんだ、そういうこと…)
紗耶: 分かりました!じゃあ、片付けが終わったら、○○先輩のとこに行きます!
珠美: 珠美もそうします!
○○: うん笑。そうして。あとの3人は…一緒のとこだし、問題ないか笑
飛鳥: …分かった。
理々杏: OK。
美月: しょうがない。(美波に後夜祭のことを聞いとこ。)
○○: 笑、じゃあ、残りの時間は、どっかの模擬店を回ろう。みんなで!
日奈子: よっしゃ!レッツゴー!!
飛鳥: はぁ…全く笑
理々杏: まだまだ時間がかかりそうだね笑
紗耶: あ、紗耶、良いとこ知ってますよ!
○○: ほんと?なら、案内よろしく。
紗耶: はい!
珠美: なんのお店?
紗耶: かき氷!
珠美: かき氷?
○○: 秋にかき氷の模擬店は、中々攻めてるね笑。でも、紗耶ちゃんのおすすめなら楽しみ。
紗耶: 任せてください!
美月: それなら、私だって良いとこ知ってる!
○○: はいはい笑。そのかき氷に行った後にね。
日奈子: かっきごおり!かっきごおり!
と、○○達が特別教室校舎の前から、移動しようとしたところで…
梅澤: おい、美月!
美月: あ、美波じゃん。どうしたの?
梅澤: どうしたのじゃねぇよ。私達、見回りの途中だぞ。
美月: っ!!
○○: そういえばそうじゃん。
飛鳥: 残念笑。美月は見回りに行かないと。
理々杏: そうだね。
美月: い、嫌だ!私、見回り行かない!○○とかき氷に行く!
梅澤: そんな子供みたいな駄々をこねるなよ。仕事だぞ。
美月: それでも行かないの!
梅澤: …そんな情けない姿、後輩に見せてても良いのか?
美月: え?
紗耶: …
珠美: …
美月: ……い、いや、こんなことで挫けない!私は見回りに行かない!
梅澤: はぁ……
ため息をつきながら、○○の方を見る梅澤。
○○: 美月。見回りには行かないと。それが、風紀委員としての仕事なんだから。
美月: ○○…でも私、○○と…
○○: 明日の午後も、一緒の休みじゃん。その時に行こう。
美月: 2人だけで?
○○: えっと…
美月: キラキラ
○○: みんな仕事だし、さくらの劇も見に行かないとだし、そうなるね。
美月: やった!!
○○: だから、見回りに行っておいで。
美月: うん!行ってきます!ほら、美波行くよ!
梅澤: おう。ありがとな、○○。
○○: いってらっしゃい笑
飛鳥: クッ、あいつ、2人での行動を約束付けさせやがった。
理々杏: やられたな〜
紗耶: 紗耶も美化委員の方の、お手伝いを頼まれてる…
珠美: 珠美もシフトが入ってます…
日奈子: え?みんな、かき氷行かないの?!テンション上げて行こう!!!
○○: 分かったから笑
「はぁ…」
こうして、○○達は紗耶おすすめのかき氷を食べた後、色々な模擬店を回って、文化祭2日目が終了した。
その日の夜
とある建物の地下
黒峰: 全員揃ったか?
数十人の男達を前に、1人、椅子に座っている黒峰が、問いかける。
上位1: はい。今作戦に参加する、上位2人、中位12人、下位43人、全員揃いました。
黒峰: よし。早速、明日の作戦についてのことを話すんだが、その前に。
少し前かがみになり、男達…特に後方にいる下位構成員達を見る。
黒峰: 本来なら、お前達と俺は顔を合わせることすらないんだが、今回は、俺自ら直接指揮を取るってことで、特別だ。ただ、俺自身のことについては何も話す気がないし、詮索もするな。
…
上位1: 返事は?!
「は、はい!!」
黒峰: w、じゃあまずは、今日の偵察の報告から。
上位1: はい。前に出てこい。
中位1: うっす。
中位2: お願いします。
上位1: 乃木坂高校のマップと、目的物の位置、入口からそこまでの経路、囮に使えそうな場所の候補、その他、今日得られた情報を報告しろ。
中位1: はい。まず、こちらが乃木坂高校のマップで…
そうして、中位構成員の2人が、偵察の報告をし始めた。
10分後…
中位1: 以上です。
黒峰: あぁ。報告どうも。にしても、模擬店が30店舗以上で、その他の展示とか含めて、50個以上とか、多過ぎだろw
上位1: ですねw…それで、囮となる場所は、この候補全部で行きますか?
黒峰: う〜ん、そうだな……もうちょい増やそう。今回の作戦は基本ペアかトリオでやってもらうから…あ、今、分かれて。
上位1: さっさと分かれろ!
「はい!」
ガヤガヤ
黒峰: だいたい25組ぐらいは、できるだろうから…こことここも…それと、ここも人気だったんだろ?
中位1: は、はい!
黒峰: なら、ここも入れて、合計25箇所。情報によれば、風紀委員の数は40人ぐらいらしいから、まぁ、イけるだろ。
上位1: はい。おい、まだか!
数秒後、構成員達が分かれ終わり、部屋が静まる。
上位1: …ちょうど25組です。
黒峰: 場所の振り分けは、後からやっとけ。あとお前は俺が帰ってくるまで、車で待機。待機中は、コイツらの相談にでも乗ってやれ。
上位1: 待機が終わり次第、作戦終了、各自撤退という感じですか?
黒峰: あぁ。お前ら、逃げれるんなら、全力で逃げろよ。
下位1: それって、殴っても良いんすか?w
中位3: バカっ!すみません!!
上位1: …
黒峰: 謝るんじゃねぇよ。質問は大歓迎なんだからw
下位1: うっすw
黒峰: ただ、この質問の答えは聞かなくて良いぞ、お前。
下位1: え?w
黒峰: やれ。
上位1: はい。
ドフンッ!!
下位1: カハッ……
ドサ
ガヤガヤ
黒峰: 黙れ……さっきも言ったように質問は大歓迎だし、質問をしてくれる奴は、ありがてぇ。だがな、ちゃんと順序を踏め。駒はいくらでも取り寄せれるんだ。俺が生意気だと思った奴は、すぐに処分していくから、覚えとけ。
「はい!!」
黒峰: ってことで、後からコイツの処分をよろしく。
上位2: 私に任せてください。
黒峰: おう。で、途中になったが、お前は適当に暴れてろ。
上位2: 分かりました。
黒峰: それと、さっきの質問の答えだが、できるだけ暴力は控えろ。イチャモンをつけて大騒ぎする程度で良い。ただ…できそうなヤツや撤退を邪魔してきたヤツは、遠慮なくやれ。
上位2: もちろん、殺すのはNGですよね。
黒峰: あぁ。さすがに学び舎で殺しはいけねぇよw
上位1: ここで、まとめて質問を聞いてもよろしいでしょうか?
黒峰: そうだな。質問あるやつ、手挙げろ。
その後、いくつか質問が出て、それに答え終わったところで…
黒峰: じゃ、説明終了。明日、よろしくな。
そう言って、黒峰は席を立った。
白谷直也の家
直也: …
白谷父: …すまない。
直也: …俺、学校行けなくなるかな。
白谷父: いや、 おそらく大丈夫だ。アイツが捕まらない限りは、お前がやったって事は、バレないはずだ。
直也: そっか…
白谷父: できるか?
直也: 笑、できるできないじゃないんだろ?…やるしかないんだ。
白谷父: クソッ…本当に、情けない父で……すまん…
直也: そんな顔するなって…父さん。なんとか乗り切って、母さんを助けよう。
白谷父: あぁ…
直也: …(大我、冬馬……みんな……ごめん。)
手の中にあるUSBメモリを、机の上で握り締めながら、直也は窓の外の夜空を眺めた。
鳥取県
とあるマンションの一室
ジョキジョキ
??: ま、こんなもんか…
ピンポーン
??: ったく、誰だよ……あぁ、赤池か。入って良いよ。
ガチャ
赤池: 失礼します。松本さん。
??: だから、松本はやめろっつってんだろ。
赤池: すいません…炎司さん。
炎司: ん。で、どったの?
赤池: いえ…次はどこ狙うのかな…と……
炎司: なんだ?俺の顔見て。なんかついてんのか?
赤池: い、いえ…髪切ったんすね。お似合いです。
炎司: あぁ、伸びてきて邪魔だったからな。
赤池: 確かに、結構伸びてましたもんね。
炎司: それで、次か…今んとこ、どこ取ったんだっけ?
赤池: 四国と、岡山、島根、鳥取です。残りは、広島と山口の2つだけです。
炎司: ふ〜ん。結構進んだんじゃん。
赤池: はい。ボスの命令を達成するまで、あと少しです。
炎司: だね…けど、やっぱりちょっと飽きたな。
赤池: 先日の作戦の時も言ってましたね。でも、あと少しなんですから。ボスのためにも。
炎司: でもな〜気分が乗らないんだよ。
赤池: …では、気分転換をしますか?
炎司: 例えば?
赤池: そりゃ、喧嘩とか女遊びとか…
炎司: 女はどうでもいいが…喧嘩ね〜この辺に、強い奴いないじゃん。
赤池: さすがに、炎司さんが強いって感じる人なんて、ボス以外にいませんよ。
炎司: つまんな…
赤池: …
炎司: ……よし、ちょっと出かけるわ。
赤池: え?
炎司: ってことで、少しの間、強い奴探してくるから、次の侵略任せた。
赤池: は?え、いや…
炎司: じゃあね。
ガチャ
赤池: …強い奴探すって…また携帯も財布も持ってないし……はぁ……竹川さんに連絡しとくか。
to be continued