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ただ守りたい… 118話

大盛況の執事&メイド喫茶は、その勢いのまま正午を過ぎ、初日午後前半のシフトへと代わる。

料理女子1: ○○君、おつかれ!

○○: うん。注文続いてるから、すぐに入って。

料理女子1: OK!

料理男子1: やっぱ、シフト交代の時間は、人の動きを見とかないと。

○○: 受付の方が、大変そうだよ。今、誰が抜けて、誰が入ったのかを見て、お客さんを入れたり、タブレットの表示を変えたりしないとだから。

料理男子1: 見た感じ、伊藤さんのお客さんが出て行ったら、午前のシフトのヤツらは、全員交代することになるかな。

○○: 午後前半のシフトの人は、みんな来てる?

料理男子1: おう。宣伝に行ってた3人も戻ってきてるぞ。

○○: 良かった。飛鳥と美月はともかく、祐希がちゃんと来るか心配だったんだよ笑

料理男子1: そっか笑。にしても、さっきの時間は暇だったから、それぞれの受付どんな感じだろうって思って、見てきたんだけど、凄かったぞ、あの3人。

○○: 上手くやってた?

料理男子1: あぁ。握手とか写真要求されてたもん笑

○○: それは…大変そうだ笑

料理男子1: 笑、ちゃんとそこは、齋藤さんが断らせてたけどな。ただ、お店でなら大丈夫とか言ってたから、これからは更にお客さんが来そうだぞ。

○○: う〜ん、良い事なのか、悪い事なのか…

料理女子1: 笑、お客さんが増えたら嬉しいけど、私達は忙しくなもんね。

○○: そうなんだよ。って、同じことを前にも考えたな笑

料理男子1: ま、頑張ろうぜ笑

○○: うん。はい、1番さんのできた…っと、早速お客さんが笑

ニャンニャン

美月: はーい!

○○: 美月、よろしく。頑張って。

美月: うん!美月ちゃん、頑張る!♡

キッチンに入ってきた美月は、○○に向かって可愛くそう言いながら、すぐさまトレンチを持って出ていく。

美月: お待たせしました、ナポリタンです!♡

女性1: ありがとうございます!あの、握手お願いしても良いですか?

美月: 笑、もちろん、OKです。でも、ちょっとだけですよ♡

女性1: はい!

ギュッ

美月: 来てくれて、ありがとうございます♡

女性1: い、いえ(可愛過ぎる!)

美月: お嬢様は、パスタお好きなんですか?

女性1: え、ま、まぁ。お腹も空いてたし、パフェとかじゃなくて、しっかり食べれるものを頼もうって思って。

美月: そうなんですね。私もパスタ大好きなんです!♡

女性1: へ、へぇ〜

美月: 一緒ですね笑♡

ニッコリと笑顔で、一緒ということを強調する美月。

女性1: ///は、はい!(い、一緒…)

美月: では、さらにこのナポリタンが美味しくなるように、魔法の言葉をかけさせていただきます!♡

そう言いつつ、手を離す。

女性1: お、お願いします。

美月: 美味しくな〜れ!萌え萌え…キュン!♡

女性1: ///ありがとうございます!

美月: それでは、ごゆっくりどうぞ♡

お辞儀をし、顔を上げたあと、しっかりと目を見て笑顔を作り、その場から離れる。

ガチ恋勢(女性1): ま、マジで可愛い…ボソッ

ニャンニャン

美月: ん。

呼ばれた美月は、キッチンの方へ。

そんな一連の流れを、仕事の合間に見ていた飛鳥は…

飛鳥: (いや、一体どこで、そんなテクニックを身につけたんだよ。)

と、お客さんに料理を出しながら、考えていた。

男性1: あ、あの、魔法の言葉をお願いしても…

飛鳥: あ?そんなんなくても美味しいよ。

男性1: で、でも…

飛鳥: はぁ…美味しくなーれ、萌え萌えキュン。これでどう?

男性1: ありがとうございます!!

飛鳥: 全く…ごゆっくりどうぞ…このクソご主人様。

そう言って、すぐに後ろを向き、待機場所へ歩いて行く。

ドM変態(男性1): は、はぁぁああ!ありがとうございます!!!

飛鳥: (ほ、ほんとにこれで良いのかな?)

ピヨピヨ

飛鳥: (…キッチン…ってことは、C席のヤツか…)

料理を持った美月と入れ替わりで、飛鳥もキッチンへ。

美月: お待たせしました、ご主人様方♡

男性2: ありがとうございます!

男性3: 僕も握手お願いしていいっすか?

美月: はーい♡

ギュッ

男性3: っ!!(近っ…目大きい…可愛い…)

美月: ご主人様方は、大学生さんですか?♡

男性3: は、はい。乃木大です。

美月: おぉ〜ってことは、ここのOBだったりします?♡

男性3: じ、実はそうなんです!

美月: じゃあ、ご主人様方だけ特別に、先輩、って呼んでも良いですか?♡

男性3: も、もちろんです!

美月: 笑、ありがとうございます、せ〜んぱい!♡

ガチ恋勢(男性3): ///おっふ…

男性2: そ、そろそろ僕とも…

美月: 笑、かしこまりました!♡

ギュッ

男性2: はっ!!(良い香り…)

美月: 先輩は、何歳なんですか?♡

男性2: えっと、今年20の代です。

美月: そうですか…

明らかに落ち込んだ表情を見せる。

男性2: ど、どうしたの?

美月: あと一年早く産まれてたら、先輩達と学校で一緒に過ごせたな〜って思って、悲しくなったんです…

男性2: あ、その…

美月: でも、今こうやって、会えてるんですから、運命ですね!♡

悲しい表情から、とびきりの笑顔への急速な変化と、運命というキラーワードにより、男性達の心を仕留める。

ガチ恋勢(男性2): ///おっふ…

美月: じゃあ、魔法の言葉をかけさせていただきます!美味しくな〜れ、萌え萌え、キュ〜ン!♡

テーブルに並べられた料理に、しっかりとハートを送った後、男性2人にもハートを送り…

美月: それでは、ごゆっくりどうぞ♡

お辞儀をして、目を見て笑顔を作った後、待機場所に向かった。

ガチ恋勢(男性2): やっば…

ガチ恋勢(男性3): このままここにいようかな…

ガチ恋勢(男性2): あぁ。午後からの講義とか、どうでもいいや。

ガチ恋勢(男性3): 明日以降もな。

こうして、美月はガチ恋勢を増やして行った。

その一方で…

飛鳥: ほとんど待ってないだろうけど、はい、オムライスとサンドイッチとパンケーキです。

男性4: あ、ありがとうございます。

男性5: どうも。(態度悪ぃな…)

男性6: あの、ケチャップは…

飛鳥: 自分でかければ良いだろうに…まぁ、仕事だから…リクエストしてもらった文字を、書かせていただきます。

男性6: あ、じゃあ…英語でLOVEでお願いします。

飛鳥: フッ笑

完全に鼻で笑った飛鳥。

男性6: え…

男性5: (これだったら、あの美月って子にしとけば良かった。)

男性4: おぉ…

飛鳥: では、書かせていただきます……LOVE……///…こ、これで良いだろ!

男性6: は、はい!(耳赤くなってる…)

男性5: (あんな感じでも、照れはするんだな…)

男性4: ほ、ほぉ…

飛鳥: パッパと、魔法の言葉もやります。美味しくなーれ、萌え萌えキュン。はい、終わり、満足したか?ご主人様ども。

男性4: は、はぁぁ…

男性5: (あれ、なんか…)

男性6: (あ、飛鳥ちゃん…)

飛鳥: じゃ、さっさと食って、さっさと帰れよ、バカご主人様達!

ドM変態(男性4): はい!!ありがとうございます!!

ドM変態(男性5): …ありがとうございます!!(自然と口から…)

ドM変態(男性6): 飛鳥ちゃん!ありがとう!!

飛鳥: (飛鳥ちゃん?…まぁいいや…次だ次。)

ドM変態(男性4): 俺の読みは正しかった…

ドM変態(男性5): やべ、変なのに目覚めたかも…

ドM変態(男性6): 可愛過ぎる、怖い飛鳥ちゃん!

他の女子生徒達の手助けもあって、ドSメイドキャラを90%身につけた飛鳥は、ドMな変態を増やして行くのだった。


およそ2時間後…

料理男子2: ○○、変わるぞ!

○○: 分かった。今、パスタ茹でてる途中だから、頼んだ。

料理男子2: 了解。執事、頑張れよ!笑

○○: うん笑

午後前半のシフトから、午後後半のシフトに交代し、○○はキッチンから出て、そのまま更衣室に向かう。

おぉ、変わらず人が多いな…

うちの教室の前もそうだけど、奥の4組の方も、結構人がいるみたいだ。

事前に堀から、連続でシフトが入っている人は、更衣室で15分間の休憩を取って良いと言われていたため、周りをキョロキョロ見ながら、更衣室までの道をゆっくり歩く。

○○: この感じが、三日目まで続くと良いけど…

そう呟いていると…

美月: あ、○○!

ちょうど、美月が前から歩いてきた。

○○: あれ、美月。もう着替えてきたの?

美月: うん。だって、これから美波と見回りだし。

○○: そうだったね。

美月: 笑、○○は結局、見回り免除でしょ?

○○: うん。先週の風紀委員会から、特に指示もなかったし。

美月: 若月先輩の言った通りじゃん。

○○: 確かに笑。でも、思ってたよりも仕事には埋もれて…ない…かな?笑

美月: なんの間?笑

○○: ま、とにかく、美波と文化祭の雰囲気を楽しみつつ、見回り頑張って。

美月: うん!○○も執事頑張ってね。様子を見に行くかもしれないから、その時にちょっとサボってたりとかしたら…ね。

○○: え、怖っ笑。ってか、見に来るの?

美月: もしかしたらだよ笑。じゃ、またね。

○○: うん。

梅澤と合流するために、特別教室校舎に向かう美月と別れ、○○は更衣室に入り、執事服を着て、髪の毛をセットし準備を整える。

ガラガラ

璃勇: お、○○。上出来じゃん笑

○○: これで大丈夫そ?

璃勇: バッチリ。

○○: よし笑。じゃあ、お先に行くね。

璃勇: うん、頑張ろう。

ガラガラ

○○: ふぅ…

息を整え、気持ちを入れ替えた○○は、自身が作り上げ、頭と体に叩き込んだ執事のイメージを身に纏う。

そして、教室に向かって歩き出す。

「え、あの人カッコよすぎじゃない?」

「また執事の深川君が見れた!」

「例の喫茶店の執事なの?」

「ついて行こうかな…」

堀: あ、来た。

○○: 入るね。

堀: うん。もうちょっと休まなくていい?

○○: 大丈夫。このぐらいなら、バイトで経験済み笑

堀: そう笑。じゃあ、うちの執事のエースに、もっと売上を伸ばしてもらおうかな。

○○: 笑、そんなプレッシャーかけないでよ。

堀: さ、早く行きな。そうじゃないと、私が刺されそうだし。

○○: え?

教室の前で○○と仲良さげに話していた堀は、○○の後ろに、それとなくついてきていた女性達と、近くにいた女性達から注目を浴びていた。

堀: 笑、任せたよ、従業員。(全く…そういう視線は、私じゃなくて、飛鳥や美月に向けろっての笑)

○○: あ、うん。プロデューサー笑

そう言って、○○は1組の教室に入り、受付にいる執事とアイコンタクトを取った後、待機場所につく。

日奈子: あ…ま…ブフッ

○○: シッ…

ピロロロ

○○: あ。

幼なじみを見つけた瞬間に叫ぼうとした日奈子の口を、瞬時に手で塞いだ○○は、すぐに呼ばれ、日奈子に静かにしろとジェスチャーをしつつ、入口に向かう。

するとそこには…

○○: ……え?

生田: やっほ〜

防衛団情報部特級団員の生田絵梨花がいた。

○○: は?いや、なんでここに…

あまりの衝撃的な出来事に、文化祭本番における執事としての初仕事なのにも関わらず、完全に素に戻ってしまう。

生田: そりゃもちろん、お客さんだから笑

○○: うん、そういうことじゃなくて…

執事(受付): ○○、一応さ…

○○: あ、ごめん……お帰りなさいませ、お嬢様。

受付の執事の声掛けで、どうにか執事を復活させる。

生田: わぁ!良いじゃん!カッコいいし!

○○: 笑、お荷物をお持ちいたします。

生田: どうも笑

執事(受付): 3番です。

○○: かしこまりました。では、こちらへ。

生田: はーい!

なんでこんなところに、生ちゃんが来てるのかは分からないけど、今はとにかく仕事に集中だ。

にしても…ウキウキした表情をしてるな笑

学校に来たことないみたいだったから、情報としてじゃなく、こうやって実際に学校に来て、文化祭の雰囲気を味わうことができてるのが、嬉しいんだろう。

○○: どうぞ。

生田: ありがとう。様になってるよ笑

○○: それは良かった笑。こちらがメニュー表となります。ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押してお呼びください。

生田: うん。

○○: では、失礼します。

食い入るようにメニュー表を見ている生田を、温かく見守りながら、○○は待機場所に立つ。

日奈子: ねぇ、あの女の子、知り合いなの?

さっきの○○の言葉を覚えていたのか、ものすごく小さな声で尋ねる日奈子。

○○: うん。友達。

日奈子: へぇ〜私の知らないとこでも、友達作れるようになったんだね、○○は!

○○: 笑、そうだよ。

日奈子: いや〜○○の成長が嬉しい!

○○: 僕の親かっての笑

ワン!!

○○: ほら、行っておいで。

日奈子: うん!

ピロロロ

○○: 生ちゃん…だな。

会話を中断して、日奈子は入口へ、○○は生田の元へ行く。

○○: ご注文がお決まりになりましたか?お嬢様。

生田: うん。この、パンケーキを全種類お願い。

○○: ……笑、かしこまりました。少々お時間いただくかもしれませんが、よろしいでしょうか?

生田: うん…いや、○○が話し相手になってくれるんなら良いよ!

○○: では、注文を通してきますので、少しお待ちください。

生田: はーい。

専用の紙に、自分の名前と、メニューに載っているパンケーキの名前を全部書き、キッチンの方に繋がる穴へ落とす。

そして、すぐに生田が待つテーブルへ。

○○: お待たせしました。お嬢様。

生田: ねぇ、それってさ、ずっと続けてないとダメなの?

○○: …いつもの感じに戻れってことでしょ?まぁ、ダメなことはないと思うけど…

生田: なら、よろしく。

○○: 分かった。で、なんで来たの?

生田: さっきも言ったじゃん笑。お客さんとして来たの。

○○: うん、それは分かってるんだけどさ…

生田: ○○が10月21日の14時から、乃木坂高校の2年1組教室で、執事になるって聞いたから見に来たんだ。ついでに食事もって思って。

○○: え、いや…これはさすがと言うべきか…

生田: 笑、私の腕を舐めないで。

○○: お見逸れしました笑

生田: にしても、似合ってるね。執事姿。

○○: そう?

生田: 3日ぐらい訓練したら、実際の現場に潜り込んでも、問題なさそう。

○○: 実際の現場ってどっち?

生田: どっち?執事がいる場所って言ったら、お偉いさんの側以外に無くない?

○○: あ、そっか。生ちゃんは知らないのか。

生田: え?私の知らないこと?

○○: 執事のコスプレをして、主に女性のお客さんをもてなす執事喫茶っていうのがあるんだ。

生田: へぇ〜興味がなかったから、知らなかったよ。

○○: 笑、生ちゃんなら、実際の現場にすぐ潜れるんでしょ?

生田: う〜ん、女性執事なら問題ないけど、男性執事としてだったら、ちょっと時間欲しいかな。

○○: あ、うん、そうなんだ…

なんか思ってた答えと違った。

いや、僕の質問の仕方が悪かったのか。

僕はメイドとして、ってことだったんだけど、まさか女性執事の方で答えるとは…

しかも、男性執事になるのも、ちょっと時間があればってどういうこと?

○○: やっぱ、すごいね。

生田: そんなことないよ〜笑

褒められて、満更でもない顔をする生田。

○○: 笑、ってか仕事は休み?

周りから違和感を覚えられないよう、笑顔を作りながら、生田の仕事の話に切り込む。

生田: う〜ん、どちらかって言うと、仕事の帰りかな。

○○: どういうこと?

生田: 上に頼まれて、この辺のアイツらの動きを探ってたの。あまりに大人しいからって。

○○: うん。

上はお義母さんで、アイツらはアンチのことだろうな。

生田: で、それの期限が今日の朝までだったから、向こうに帰る前に、ここに寄ってこうって感じ。

○○: すぐにあっちに帰っちゃうんだ。

生田: まだ仕事が残ってるからね〜

○○: …こっちでの仕事の結果は?

生田: 嵐の前の静けさ…って思った。

○○: 嵐…つまり…

生田: そういうこと。だから気をつけて。

○○: 分かった。

生田: ところで、パンケーキまだかな!

○○: 笑、もうちょっとだと思うよ。お腹空いてる?

生田: うん!

○○: ここ出たら、文化祭見て回るの?

生田: もちろん!だって、やっと学校に入れたんだもん。この機会を逃す手はない!

○○: 笑、楽しんで。

生田: じゃあさ、○○のおすすめのところとかある?

○○: おすすめか〜

と、○○と生田が楽しげに会話を続けている教室の外では…

堀: あの女の人と○○君。随分と仲良さげじゃん。春時はあの女の人が、誰なのか知ってるの?

春時: いや…見たことない。

堀: マジ?春時が知らないとなると、飛鳥とか美月も知らなさそうだね。

春時: もしかしたら、俺らと知り合う前の友達かも。祐希とか理々杏みたいな。

堀: …これは、新たな刺客の登場か…

春時: いや、そんなことは…

堀: でも見てみてよ。あの楽しそうな空間。あまりに邪魔しちゃいけないような空気が流れてるから、他のお客さんの○○君の指名が止まってるんだよ笑

春時: 笑、都合良すぎだろ。

堀: まぁ、仕方ないんじゃない?○○君なんだし。

春時: ほんと、美月が見回りで良かった。

堀: 理由は分かるけど、なんで美月だけ?

春時: だって、飛鳥と理々杏は2組で仕事してるし、紗耶も珠美もそれぞれ忙しいからさ。

堀: 後輩ちゃんはまだしも、飛鳥と理々杏はトイレ休憩とでも言えば、こっち来れるじゃん。

春時: それを未央奈が見逃すのか?笑

堀: う〜ん…場合による。

春時: どういうこと笑

2人が、○○と生田のことで、会話を弾ませていたのだった。

久保: ○○のことだから間違ってはないと思うんだけど、お一人様でパンケーキ10枚って、ほんと?

○○: あ、うん。大食いだそうで。

久保: そう。重たいけど、1人で持ってける?

○○: 笑、任せといて。

久保: お願い。

料理担当の面々に驚かれながらも、○○は生田が注文したパンケーキ全てを持って、キッチンを出て行く。

生田: あ〜良い匂い!

○○: お待たせいたしました。ご注文のパンケーキ全種類でございます。

生田: ありがとう!って元に戻っちゃったか笑

○○: 私は執事なので笑

生田: そう笑。それで、情報によると、お願いすれば一口食べさせてもらえるんだよね?

○○: はい、お嬢様がお望みなら。

生田: 笑、じゃ、よろしく。

○○: では、どのパンケーキがよろしいでしょうか。

生田: チョコレートパンケーキで。

○○: かしこまりました。失礼します。

生田: あ〜

○○: 笑、どうぞ。

ナイフで切り分けたパンケーキをフォークで、生田の口に運ぶ。

生田: あむ…モグモグ…美味しい!!

○○: それは良かった。それでは、ごゆっくりお楽しみください。

生田: え〜話そうよ。

○○: お嬢様、我儘はいけませんよ。私にも仕事が…

ピロロロ

○○: ほら笑

生田: チェッ

○○: ただ、お嬢様には、文化祭で使えるクーポン券をかけたゲームに挑戦することができますので、良きタイミングで、ボタンを押してください。

生田: じゃあ、半分ぐらい食べたら呼ぶね!

○○: かしこまりました笑。失礼します。

生田: うん!パクッ…モグモグ…

パンケーキを美味しそうに食べ始めた生田に、綺麗なお辞儀をして、○○は次のお客さんを迎えるために、入口へ向かうのだった。


to be continued


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