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【小説】雪よりコーヒー

「続いてのニュースです。明日以降、今シーズン最強寒波が日本列島に襲来」
 俺は、昼のニュースを見ている。
 どうやら、最強寒波が来るみたいだ。
 今は1月、特に驚きはしない。
「そして、この寒波の影響で、名古屋や大阪でも、積雪の恐れがあります」
 おいおい(笑)マジか。
 あんまり、雪が降らない地域で、積雪かよ。
 そう思い、ぼーっとそのニュースを見ている。
「ブーっ!」
 スマホに通知が来た。
「今から、みんなでカラオケ行くんだけど、来る?」
 あいつからだ。暇だし、行くか。
 俺は行くと返信をして、行く準備をし始めた。

 午後3時、カラオケ屋に着いた。
 4時間歌いっぱなしで、ちょっと疲れたな。
 夜7時、もう外は暗くなってるだろう。
「ねぇ、雪降ってるよ!」
「マジ!?」
 友達が行ったのを耳にして、外を見る。
 すると、雪が舞っていた。
「ヤバっ、めちゃくちゃキレイじゃん!」
 みんな興奮する。
 そりゃ、ここは雪が年に1回降るか降らないかの場所だからね。
 そのまま、歩いてコンビニに行き、みんなでホットコーヒーを買い、外の公園で飲んでいた。
「まさか、今日降るとはね。予報では明日って言ってたのに」
「そうだな」
「コーヒー美味い(笑)」
「俺、雪よりコーヒーだわ(笑)」
「花より団子みたいに言うな(笑)」
 そんな感じで、みんなで盛り上がっていた。

 しかし、次の日は思ったより、雪は降らなかった。
 ……やっぱり、天気って変わるんだな。

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