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野生のスクラムチームとスクラムチーム用セルフチェックリスト


はじめに

これはシン・アジャイル Advent Calendar 2023 6日目の記事です。

今年転職して、創業期から開発スタイルの中心にアジャイルを据えた企業に転職したので「組織を芯からアジャイルにする」という文脈で書けることはあるだろうか・・・と悩んでいました。が、芯からアジャイルな組織で起きていること、というのもトピックとしては面白いかもということで筆をとることにしました。

チームの自己認識としては「ちゃんとはスクラムをやっていない」

10月からジョインしたチームは、自己認識としては「あまりちゃんとスクラムに取り組んでいない」と考えているようでした。確かにWIPに積まれているタスクが多いなど気になるポイントはいくつかあったのですが、じゃあスクラムから大きく逸脱していたりゾンビスクラムになっているかというと、そうでもないよなぁと感じました。
スプリントレビューにはステークホルダーが招聘され、レトロスペクティブはポジティブな空気ながら課題の深掘りがされている。デイリースタンダップでは気になることが共有されつつ、深掘りはそのあと別途時間をとってやっている。

じゃあ、実際のところスクラムチームとしての自分たちの状態はどうなんだろう?これを見える化してみることにしました。

スクラムチーム用セルフチェックリスト

光の寿司おじさん(寿司は自分の金で食べるし、なんならスポンサーとして勉強会に寿司をふるまうタイプの寿司おじさん)こと @ryuzee さんが「スクラムチーム用セルフチェックリスト」というものを公開しています。チーム全員で集まって、このチェックリストを埋めてみました。

やってみたところ、私たちのチームは84点でした。あれ?結構高い!
チェックがつかなかったのはベロシティ計測やキャパシティ考慮、完成の定義あたり。完成の定義はあってもいいかなーと思いつつ、ベロシティ計測とかはむしろあえてやっていない節があるので、これでいいかなという感触を得ました。

野生のスクラムチーム

様々な現場で活躍してきたシニアエンジニアが集まるこのチームでは、「スクラムやってやろうぜ!」という気負いはありません。けれどもよいプロダクトを作りたいという気持ち、プロダクト開発に不確実性はつきものだという理解があります。そういったチームが結果的にスクラム度の高い開発をやっているのはとても興味深い事象です。

今回、スクラムチーム用セルフチェックリストをやってみてよかったなと感じる点を列挙します。

  • 客観的に自分たちの状態を把握できた

  • 自分たちのチームで取り組んだほうがよさそうなことに対して示唆を得た

  • あえてセオリーから外れている点について自覚的になることができた

前述のように「ちゃんとスクラムやれていない」という自己認識だったので、チェックリスト作成前にはもっとベロシティ計測とかしたほうがいいんじゃないか、などセオリーを取り入れていこうという意見も出ていました。ですが、チェックリスト作成を経て自分たちの立ち位置が明らかになり、ただセオリーを取り入れるのではなく自分たちが前進するために必要なカイゼンは何か、という観点でスクラムと向き合うことができました。 @ryuzeeさんには感謝です。

自分の姿を直視しろ

あなたのチームが野生のスクラムチームであるにせよそうでないにせよ、セルフチェックリストで客観視することには大きなメリットがあります。メンバーで集まってワイワイしながら作成すれば30分ほどで完了するくらいのボリューム感なので、ぜひ試してみてください。


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