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リモートでのアイデア出しにはブレーンライティングが効く

はじめに

この記事は緊急事態宣言アドベントカレンダー34日目の記事です。

もうみんなリモートには慣れてきた。けれど…

最後に電車に乗ったのはいつだろう。
終電を気にしながら飲んだのは。
映画館なんてのもずいぶんご無沙汰だ。

その一方で、リモートワークというものにはずいぶん馴染んだ気がする。
起床し、朝食を摂り、コーヒーを淹れ、仕事部屋に入る。
googleカレンダーでその日の予定を確認し、slackやjiraを眺め、チームメンバーとネット越しに朝会を行う。
「思ったより、リモートでも普通に働けるな。」
そういう感触を持っている人は多いだろう。

しかし、「新しいことに取り組む」、とりわけ「取り組むべきものを決める」、つまりアイディエーションについてはリモートでどう向き合うべきか悩ましいものだ。
なぜか?それは多くの場合、アイディエーションは「同期性」を軸にしているからだ。
付箋を貼りながら、ワイワイ話し、そこから新たなアイデアを紡いでいく。
それがオンラインだと、なかなか難しいのだ。

Jamboard, miro, Mural... オンラインホワイトボードはいろいろある。
それぞれ使い勝手もよい。それなりに信頼関係が気づけている間柄なら、これらのツールの力を借りてアイディエーションに取り組むことは有効だ。自分も何度かやったが、オンラインであることの不利をあまり感じなかった。

しかしどうだろう、信頼関係が構築されるまえの人たちとアイディエーションする場となったら。

価値観の転換が迫られている現状に立ち向かうためには、積極的にフォーメーションを変え戦い方を変えることが筋がよい場面もある。
そういった場面では、「はじめまして」レベルの関係でアイディエーションに取り組むこともあるだろう。

そうしたときに、いまいち表情が読み取りにくいビデオ越しだったり、わずかながらもタイムラグがある音声だったり、というのは相乗効果の発生を大きく妨げてしまう。音声かぶりを避けるための遠慮で発言量が減ってしまったり。

では、どうするか?

アイディエーションを非同期で行う手法を選択するのだ。

ブレーンライティング/ノートブック・ブレーンストーミング

アイデア・バイブルという書籍はご存知だろうか。
いわゆる「鈍器」な厚さの、ひたすらアイディア出しの手法について書かれた本だ。

その中に「ブレーンストーミングバリエーション」として紹介されているのが「ブレーンライティング」、そして「ノートブック・ブレーンストーミング」だ。

シートにアイデアを書き、隣の人にシートを渡し、その人は前の人が書いたアイデアを発展させたり独自アイデアを書いたり…といったことを繰り返す手法。

この手法のポイントは「自分以外のアイデア」を源泉とし新たなアイデアを創出するところ。そして、そのアイデア出しは一人で行うため、極端な話、非同期で行ってもよいのだ。(そうすると、ノートブック・ブレーンストーミングとなる)

地理的な分散を前提におく

ブレーンライティング、そしてノートブック・ブレーンストーミングといった手法は、対話の中から生み出される相乗効果というのは薄い。アイデアと対峙するときはあくまで一人だからだ。しかし、その疎結合な在り方が、いまのリモートを余儀なくされた状況とマッチしている。

限りなくオフラインの環境に近づけるアプローチも悪くない。信頼関係が築かれているのであれば、なおさらそうだ。
しかし、オンラインという制約条件を考えると、必ずしもオフラインに近づけることが正解ではないわけだ。

こちらのnoteにあるように、今は「分散」がスタンダードとなっている。であればその分散に軸を置き、行動していくのがよいだろう。

正直、最近までこのブレーンライティングという手法のことは忘れていた。以前は、その「脳を絞って無理にアイデアを出す」感覚が好きでよく利用していたのだが、対話の相乗効果が生まれないという点からいつしか遠ざかっていたのだ。
それがこの状況下で思い起こされたのは、とりもなおさず今の状況にマッチした手法だからなのだろう。

ブレーンライティング、ぜひとも試してみてほしい。


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