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「ママがいい!」と泣かれても泣かないで。

はじめに

我が家の構成は、妻に子供が3人。
先日、長女がインフルエンザに罹患した。
他の2人に伝染らないよう、今日は妻が長女を看病し、私が他の2人を連れて出かけた。(家族の中でわたしだけがまだ予防接種を受けていないため、リスク回避のため私が外出組になった)

2人を遊ばせていると、妻から連絡がきた。
「関節が痛い。熱がある。」

オーマイ…

もう手遅れかもしれないが、これ以上家庭内パンデミックを広げないために今夜は妻と長女は別の部屋で寝てもらうことにした。
つまり男子部隊は私が寝かしつけをする。

幸い、今日はたっぷり遊んだので機嫌がよい。長男も「今日はパパと寝るー!」と言っている。
しかし私はわかっている。このあと、いざ寝かしつけ始める段になると長男はこういうだろう。

ママがいい」と。

ママ~、ウーウウウー

おそらく、小さいお子さんがいらっしゃる男性はこの「ママがいい」問題にぶちあたったことがあるのではないか。

前置きが長くなったが、今日の記事はこの「ママがいい問題」とどう向き合うかについて論じる。

なぜ「ママがいい」のか

乳児の場合はわかる。父から乳はでないため、必然的にママの存在が必要になる。(うちの子たちは代々、ミルクを受け付けなかった。母乳で育て続けた妻には感謝である)

では、その時期を抜けてなお、なぜ「ママがいい」が発生するのか。
私はこれまでいくつかの原因を仮定し、それぞれ対策を試みてきた。あなたのご家庭に役立つかは不明だが、紹介させてもらおう。

仮定:普段はママと寝ているのでママがいないと不安

私の場合、子どもたちは20時には床に就いている。私が帰宅するのは21時くらいになる場合が多い。普段就寝するときにはいない父親しかいないので不安になるというのは、致し方ない面もあるだろう。

対策1:不安になる前に眠気を喚起する

昼間のうちに目一杯遊んでおいて、布団に入ったらバタンキューを狙う作戦だ。
子供が一人のときはかなり通用した。二人のときもそこそこ。だが三人は無理だ。それぞれの体力が違い、バタンキュータイミングも異なる。
先に上の子供たちが寝ても末子が泣き叫び、結果全員起床だ。おはようございます。
そして遊ばせすぎて移動中に寝てしまい、夜寝れなくなるというリスクも少なくない。最近はこの作戦はとっていない。

対策2: 「寝なさい」といい続ける

これは愚策だ。しかし、寝かしつけなければ…という極限状態にいると「話せばわかってくれるのでは」と、「ママがいい」というリクエストに対して「早く寝なさい」という検討違いのレスポンスを返すことになる。
イライラしてしまうし、オススメしない。

対策3: 自分がママだと言い聞かせる

いまのところ比較的効果的なのはこれだ。「ママがいい!」と言われたときにすかさず「あら、あたしママよ。失礼しちゃうわ。」と返すのだ。(まだ会話できない時期の子供には効果がない、というか不安感を与えるので逆効果)

そうすると子供たちは、キャッキャいいながら「えぇ〜、ママじゃなくてパパでしょ〜」と言い出す。
我が家ではこう返している。「あら、あたしはヒゲが生えてるママ、ヒゲママよ。」

…文章に起こしていて、自分でもどうかしているのではという気がする。しかしこれが効果的なのだ。

これはヒゲママの存在が不安を溶かしているのではない。
なんとかして不安を払拭しようという努力が子供に伝わるからなのでは、と私は思っている。

「ヒゲママのお話して〜」なんていう会話をしながら、子供たちは眠りについてくれる。

我が家の場合はヒゲママだったが、それぞれのご家庭で「僕は君の不安な気持ちもわかるし、安心させてあげたいんだよ」ということが伝わる施策がなにかあるはずだ。

「ママがいい」と言われると心が折れそうになる。おまえ昼間は抱っこひもの中で寝てたやーん、とかバスで眠っとったやーん、という気持ちにもなる。
でもこれは、普段一緒にいる時間がとれていない自分が招いた事態でもある。ここで諦めずに寝かしつけに成功すれば自分の自信にもつながるし、子供だって「パパだけでも安心して寝れるな」という気持ちになってくれるのだ。

余談:ヒゲママの副作用

そんなこんなで、ママ不在のときにはヒゲママというペルソナに活躍してもらうことになった。
かれこれ3-4年はヒゲママの世話になっている。
来年小学校へ入る長女に至っては「ねぇ、今日はヒゲママが生まれた日の話をして」などエクストリームなおねだりをしてくるようになった。

そしてこのヒゲママ、副作用があった。
子供たちが外で「ねぇパパ〜、ヒゲママして〜」というのだ。
子供らよ!それは無理な相談だ!

「ママがいい」と泣かれても泣かないで

長女が6歳、長男が4歳。ママがいない夜はちょっと泣いたりすることもあるけれど、ちゃんと寝てくれるようになった。
最近ではヒゲママにご登場いただかなくても寝てくれるときもある。

次男は1歳、まだ授乳をしている。ほぼ卒乳間近なのでうまく寝てくれるときもあるが、寝てくれないときもある。ちなみに今日はダメだった。

しかし、次男を寝かしつけているときにそれは起こった。
暗闇の中、長男が起き上がった気配がした。
「もう寝ないと」そう言おうとしたときに、彼はこういった。

○○ちゃん、大丈夫だよ。

そういって次男の背中をさすってくれた。
それで泣き止んだわけではないし、そのあと長男もすすり泣きながら眠りについたことを私は知っている。
しかし、私の胸は感激でいっぱいだった。
「ママがいい」と泣きじゃくるばかりだった長男が、自分も寂しいのに次男を思いやって行動する。 
そういえば長男を初めてママレスで寝かしつけたときは、長女が長男に「大丈夫だよ」と声をかけていた。

寝かしつけながら泣きじゃくられるのは辛い。
1時間も2時間も抱きかかえたまま、それでも寝てくれないときは本当に辛い。

しかし、根気よく対峙するのだ。いつか道はひらける。
あなたにとってのヒゲママが見つかることを願う。

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