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マコネルを読む

はじめに

これはDevLOVE Advent Calendar 2020 24日目の記事だ。

この記事ではスティーブ・マコネルによる「CODE COMPLETE」、そして最新の著作である「More Effective Agile」について触れる。

そういえば、ちゃんとCODE COMPLETEを読んでいなかった

「CODE COMPLETEを書いたスティーブ・マコネルが久しぶりに本を出すらしい」「アジャイルに関する本らしい」そんな噂を聞いて、また読まなければいけない本が一冊積み上げられたな…などと考えていた。

だが、ちょっと待ってほしい。CODE COMPLETE、ちゃんと読んだっけ?

会社に置いてある鈍器のような上下巻は流し見した。その後、Kindleのセールで安くなっているときに購入した。しかし、ちゃんと読んではいない。そんな状態で、新しい本を読んでもよいのか?

結論からいうと、別にCODE  COMPLETEを読んでいなくてもMore  Effective  Agileを読んでいいわけだが、このときは謎の使命感に駆られていた。

そして数年越しで、私はCODE COMPLETEと対峙することになった。

分厚い

読み始めてまず感じたのは、「分厚い」ということだ。Kindleで読んでいるから厚みなどないはずなのに、それでも部厚さを感じる。遅々として進まないパーセンテージ、「読み終わるまで10時間」の表示…心が折れそうな舞台装置は整っている。

古いところもある

15年以上前の本だ、当然現在の環境とは合致しない部分もある。たとえば、VBがしょっちゅうでてきたりする。

2020年現在でも通用する

下巻で言及されるテストやコラボレーティブな開発(ペアプログラミング)にコードチューニング、リファクタリングは2020年においても有効だ。いや、ご長寿ソフトウェアがそこかしこに存在しているいまだからこそ、これらの重要性は増している。

また、よりよいコメントの書き方、Lint使用の推奨など現代のプログラミングの礎となっている。

読み始めたときはいつ終わるともしれない進捗にクラクラしていた。しかし、ソフトウェア開発において重要なことが、網羅的にこの上下巻に凝縮されているため、あれこれつまみ食いするよりも効率よくソフトウェア開発の要点を掴める名著だと感じた。

なので、その重厚な佇まいから手に取ることを躊躇っている方がいるなら、ぜひ勇気をもって手にとってほしい。

More  Effective Agileは本当にEffectiveだ

個人的課題図書を読了し、いよいよMore Effective Agileにとりかかった。

結論からいうと、これはアジャイルというものがわかってきて、「もっと効果的にやりたい。大きく組織を成長させたい。」そんなタイミングで読むべき名著だ。

More  Effective と冠されているだけあって非常に実践的。優先度の付け方やDoD、DoRにどのような項目を設定したらよいかなどアジャイルを実践していく上で悩む部分に対し、かなり詳細な方法論が提示されている。

「それをやったらアジャイルじゃない」に対する「だからどうしたというのだ」という姿勢には、手段を目的化せずビジネス価値を生み出すという本質を忘れるなというメッセージを感じる。

もっとマコネルを読みたい

CODE  COMPLETE、More  Effective  Agile、どちらも実践的で地に足のついたものであり、読み進めながら付箋だらけになってしまうタイプの本だ。

コードコンストラクション、開発プロセス、どちらでも名著を仕上げることのできるマコネルというのは恐ろしい人だ。未読の方は、ご一読されることを勧める。

そして、私自身は未読のマコネル著作を読んでみなければ、という新しい使命感に包まれている。

それではこのへんで。

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