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Celebration Gridは楽しいから流行らせたいぞ

はじめに

これはふりかえりAdvent Calendar 2021 2日目の記事だ。

この記事ではCelebration Gridという手法の魅力について語りたい。なぜそう思ったかというと、以下の理由からだ。

・自分たちの現場では、要所要所でCelebration Gridが活用されている
・しかしどうやらCelebration Gridを使っている現場は多くないらしい

さあ、Celebration Gridについて語らせてもらおう。

Celebration Gridって何?

この手法の出自は「マネジメント3.0」。名前に「Celebration」とあることからもわかるように、「祝う」ことを主眼においた手法だ。成功したかどうかにかかわらず実験の成果を視覚化するこの方法は、失敗からも学べる、ということを体感できる。

なお、日本語の解説記事もある。我らがvivaさんによる記事だ。

実際にやるとどんな感じ?

前述したように、私のチームではたびたび本手法が用いられる。どのように行っているのか、Miroのスクショを交え紹介したい。

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社内で開発している具体的なモジュール名などが記載されているため、詳細はぼかした状態での共有となる。

ざっくり見ていただくと、このふりかえりを行った対象期間では実験が多かったこと、失敗もあるがそれ以上に成功が多かったことがわかる。

少し、具体的な例も紹介しておく。

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水曜〜火曜の一週間スプリントでスクラムを組んでいる我々のチームでは、ここ最近火曜日は朝会をスキップしていた。それは朝会からスプリントレビューまでの時間が短く、その時点で朝会を行う意義が薄い、といつかのふりかえりで判断がなされたからだ。
それが、このスプリントでは「月曜は夕会を実施して状況を確認。この時点で不確実性が残っていたら、火曜に朝会をやると判断しよう」という実験をしていた。それがうまくハマったので、Celebration Grid上では「実験-成功」としてプロットされた。

逆に、失敗として記載されたものもある。

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「一人でやりきる力をつけたいので、一人でプロトタイピングしたい」というあるメンバーの宣言を受け、チームはそれを受け入れた。そして実際そのように動いたメンバーからは、「一人でプロトタイピングしたがうまく行かなかった」という学びが共有された。

このようにして、Celebration Gridを使うと実験によって得られた学びが可視化される。それが成功していても、失敗していてもだ。

深堀りとアイデア出しは別途時間を取る

こうして学びが可視化されたら、次は深堀りとアイデア出しだ。私たちが愛用しているのはLean Coffee。ふりかえり手法ではないのだが、チームの興味関心にあわせて有機的に議論が構成されていく点が気に入っていてかなり頻繁に使っている。

さきほど共有した例だと、下記のような掘り下げが行われた。

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「一人でやってうまくいかなかった」という学びから、「じゃあどうしたらよいだろう?」という問いのもと、チームで活発に議論がかわされる。今回の主題はあくまでCelebration Gridなので詳細は省くが、Celebration Grid単体では深堀りやアクション出しにつなげづらいため、こういった方法とあわせ技で実施するのがよいだろう。

いつ使うといいの?

「実験から学ぼう」というのがこの手法のキモである。なので、「いつもより実験したな」という感覚があるときはこの手法を使ってみることをおすすめする。(そして、そのようにルールづけしておくと、Celebration Gridの開催頻度がチームが実験できていることのバロメーターにもなる)

流行ってほしい

というわけで、駆け足ではあるがCelebration Gridという手法について、そしてその手法を実際に使った事例について紹介してきた。
実験をたくさんするチームにとっては、失敗も糧に変えることのできるこの手法は強力な助っ人になってくれるはずだ。この手法をどんどん使いたくなるくらい実験する組織が増えてきたら、きっとふりかえり界隈もずっともっといきいきするだろう。なので、流行ってくれるといいなぁと思っている。

このnoteを読んでくれた方には、ぜひ試してもらいたい。そして、実際どうだったかを発信してくれると、さらにうれしい。

では今日はこのへんで。

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