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しなやかマインドセットの館


しなやかマインドセット

今回のnoteは「しなやかマインドセット」の作り方について扱います。ご存知の方も多いかと思いますが、この記事ではじめて「しなやかマインドセット」という言葉と出会った方のために簡単に解説します。

しなやかマインドセットとは、成長するために好ましいマインドセットとしてキャロル・S・ドゥエックが著作 ”マインドセット「やればできる!」の研究”で提唱している概念です。

マイクロソフトCEOのサティア・ナデラが自伝「Hit Refresh」で紹介するなど、ビジネスシーンの第一線で活躍される方々も大切にしている考え方です。

しなやかマインドセットは、「自分の能力はどんどん伸ばしていける」と信じている、文字通りしなやかなマインドセットです。対照的に「自分の能力は固定的で変わらないものだ」と信じているマインドセットを「硬直マインドセット」といいます。

硬直マインドセットとしなやかマインドセット

しなやかマインドセットを持つ人は、人間は成長していけるものだと信じています。何か失敗があってもそれは無能を示す烙印ではなく、成長するための尊い経験としてまなざすことができます。

不確実性と踊る

世界規模での疫病の流行。戦争の勃発。Twitterのイーロン・マスクによる買収とXへの改名。予想だにしない事態が日々私達に降り注ぎ、その度に私達は変化を迫られます。

どうしよう・・・リモートワークなんかやったことない・・・うまくできるかな。
目を覆いたくなるような国際情勢の中で、自分に何ができるのかな・・・

リスクをとって変化に身を投じるか、嵐が過ぎ去るのを待ってその場にとどまり続けるか。そんなとき、「しなやかマインドセット」を持ち合わせていれば、僕たちは熊とワルツを踊ることさえできます。(本当にやらないでください。大変危険なので。)

人は誰しも「しなやかマインドセット」をもっている

はじめて自転車を乗りこなした日のことを覚えていますか?
漕げるようになるまでの日々のことは?
一発で自転車に乗れるようになった、という人はそう多くないでしょう。
転びながら、失敗しながらも挑戦し続け、乗れるようになったはずです。

はじめてスーパーマリオブラザーズをクリアしたのはいつのことでしょう。
1-1のクリボーに衝突し、ハンマーブロスに戦慄し、それでもクッパを打倒したあの日のこと。

子供の頃にまで想いを巡らせると、そこにはしなやかマインドセットを持った自分がいたのではないでしょうか。

硬直マインドセットへのみち

生まれたときはしなやかマインドセットを持ち合わせていた私達。さて、大人になった今現在、どうでしょうか。

失敗することに対して怖さがありますか?
努力には限界があり、才能という超えられない壁があると思いますか?

これらの問いに対してYESの回答なら、硬直マインドセットになっている可能性が高いでしょう。

では、もともとしなやかだったものが、なぜ硬直していくのでしょうか。

100点満点を頂点とし、間違いがあると減点されるテスト。
「頭がいい」「頭が悪い」「才能がある」「センスがない」など能力そのものを評価するようなラベリング。
失敗経験による認知不協和を乗り越えるための「自分には向いていない」という落とし込み。

長年の教育課程が、日々の暮らしが、知らず知らずのうちにマインドをカチカチにしていくのです。

マインドをふやかす

じゃあ、一度硬直マインドセットになってしまったら、もうしなやかさはとりもどせないのか?そんなことありません。そう、そもそもしなやかマインドセットの信奉者である私は、なんだって変えていける、と考えるのです。

では、どうやってマインドをふやかしていくか。

小さい成功体験を得る

仕事でもプライベートでもなんでも、新しいことをやってみます。失敗してもいいや、と思えるようなことをやります。

じゃあ、自分が「失敗してもいいな」と思えるもので「チャレンジした上での失敗」を経験していくとよい。

たとえば私の場合はギター。ボーカル。ガンプラ作り。新しい奏法や音域にチャレンジしたり、これまでやったことない塗装を試してみたり。こういった自分に閉じたチャレンジを繰り返していると、いくら失敗しても「誰かに評価を下されるのではないか」という心配とは無縁だ。そしてこういった経験を重ねていると、失敗の積み重ねで探索空間が狭まり正解に近づいていくという感覚が、頭ではなく心で理解できる。

note 「どんどん失敗しろ」は詭弁じゃなく本当に必要なこと より

セルフ・リフレーミングする

小さいこと、新しいことといっても、硬直マインドセットだと「失敗」という経験はまあまあ心にダメージを与えます。自分に刻み込まれた能力が不足している、ということの証明に感じられるからです。

そんなときは自分自身でリフレーミングすることを試みてください。

  • ガンプラの塗装に失敗してしまった→湿気が多いときに塗装すると失敗しやすいことを学んだ

  • リリース直前にバグが見つかった→このバグをやっつければリリースできる!

  • こんな高い目標、達成できるわけがない→あの目標に到達するためには、まず何ができるだろう?

ネガティブな言葉が自分の中に現れた瞬間に捕まえて、そこに包含される肯定的意図を探索し、肯定的表現で置き直すのです。

小さく成功する、失敗したらリフレーミングする。この2つを繰り返していけば、徐々にマインドはふやけていきます。そしてもうひとつ有効な方法があります。

しなやかマインドセットのストーリーにふれる

実際にしなやかマインドセットで成長していった人の物語にふれることで、自分がしなやかマインドセットを獲得するとどうなるのかイメージしやすくなります。
周囲の人物でもいいですし、著名人の物語、はたまたマンガの登場人物でもよいでしょう。

私いちおしの「しなやかマインドセット」パーソンは、スラムダンクの「メガネ君」こと木暮さんです。

世界最高齢プログラマーの若宮さんも、まさにしなやかマインドセットそのもの、という感じがします。

しなやかさを保つ

さて、無事にしなやかマインドセットを獲得しました。めでたしめでたし。でも、思い出してください。私達は生まれながらにしなやかマインドセットを持ち合わせていました。それがいつしか硬直マインドセットになっていたわけです。そこからまたしなやかマインドセットに戻ったとして、放っておくとまたマインドセットは硬直してしまいます。

安定した環境に身を置く。失敗することがなくなっていく。
キャリアを重ねる中でフィードバックを受ける機会が減っていく。
そうすると失敗や転倒が怖くなり、徐々にマインドは硬直化していきます。

一番の下手くそになる環境に身を置く

チャド・ファウラーは「My Job Went To India」の中で「一番の下手くそでいよう」と呼びかけています。

それじゃあ、バンドで常に一番下手な存在でいる、その理由はなんだろう。「自信なくさない?」と訊かれたら、そのとおりだと答えるしかない。確かに最初は自信を喪失する。駆け出しのミュージシャンだった僕は、自分に不釣り合いなバンドにいて、明らかに自分の演奏が一番下手だとしょっちゅう感じてた。
〜中略〜
どういうわけか自分自身が賢くなるんだ。話し方や書き方さえ以前より知的になる。

My Job Went To India 一番の下手くそでいよう より

意図的に「自分が一番下手くそ」の場に身を置くことで、「伸びしろしかないぜ」という状況を作り出すのです。周囲に自分よりうまい人しかいないってことは、学び放題なわけです。

私自身も最近、まさにそういう体験をしました。友人から誘ってもらい「斧投げ」にいってきたのですが、これがまあうまくいかない。

5000兆円欲しい

試行錯誤しながら何度も投げるのだけれど、全然的に当たらない。
見かねた「5000兆円欲しい」の人がフォームを見てくれて、「肘が開いてます」とアドバイスしてくれました。それで肘を閉じると・・・なんと、斧がまっすぐ飛んでいく!

  • 一番下手くそな環境に身をおいた

  • 自分一人で試行錯誤してもうまくいかない、という辛い体験をした

  • 適切なコーチングにより急激に上達する、という成功体験をした

そう、まさにしなやかマインドセットを地で行く成功体験を得たわけです。すこしマインドがカチカチになってきたな・・・と思ったら、思い切って未知の分野にチャレンジしてみてください。

ちなみにMy Job…は「情熱プログラマー」としてアップデートされており、こちらのほうが手に入りやすいと思います。

おまえもしなやかマインドセットにしてやろうか

しなやかマインドセットとは何か。なぜ、そうあると嬉しいのか。
人はなぜ硬直マインドセットになってしまうのか。
どうやってマインドセットをしなやかに戻すのか、そしてしなやかさを保つのか。
私の経験をもとにしたしなやかマインドセットへのジャーニーが、あなたのマインドをふやかす一助になるようであれば幸いです。
今回は個人にフォーカスしていましたが、そのうちどこかで「チームにしなやかマインドセットを宿す」という観点の記事も書きたいと思います。

それでは最後にご唱和ください。

おまえもしなやかマインドセットにしてやろうか・・・
おまえもしなやかマインドセットにしてやろうか・・・

おまえもしなやかマインドセットにしてやろうか!!!!


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