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🟦JSR、1兆円買収で上場廃止へ

半導体材料業界の再編加速

https://www.j-ic.co.jp/jp/news/.assets/20240417_JIC_JICC_PressRelease.pdf

🟦JSR、1兆円買収で上場廃止へ

 半導体材料大手JSRは、官民ファンドである産業革新投資機構(JIC)によるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、上場廃止を目指すことを発表しました。このTOBの目的は、半導体材料業界の再編を主導し、国際競争力を強化することです。

 JSRは、半導体製造に不可欠な材料であるフォトレジストにおいて世界シェア首位を誇り、高い技術力と競争力を有しています。一方、フォトレジスト市場規模は3000億円を超え、JSR、信越化学など5社が市場全体の9割を占める寡占状態にあります。JSRは、今回のTOBを受け入れることで、事業規模の拡大と経営基盤の強化を実現し、半導体材料業界における国際競争力をさらに高めていくことを目指しています。

JSRの歴史

  • 1957年:国策会社として「日本合成ゴム株式会社」設立

  • 1970年代:民間企業化、半導体フォトレジスト事業化成功

  • 1997年:現社名「JSR株式会社」に変更

  • 2021年:EUVフォトレジスト事業を手掛ける米インプリア買収

  • 2023年:合成ゴム事業をENEOSに売却、半導体・医療領域へ経営資源集中

🟦研究開発投資や設備投資へ事業規模の拡大

 背景には、半導体メーカーの技術開発競争激化と、それに伴う事業規模拡大の必要性があります。半導体メーカーは、微細化技術の進展に伴い、より高度な材料開発を求めています。JSRのような半導体素材メーカーが研究開発投資や設備投資の増加に対応するためには、事業規模の拡大が不可欠です。そのような状況を踏まえ、日本の産業競争力強化という国家戦略に基づき、官民ファンドJICが支援に乗り出すこととなりました。

🟦まとめ

 半導体材料大手JSRが、官民ファンドJICによるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、上場廃止を目指す。半導体材料業界の再編に向けた第一歩と位置付けられ、日本の産業競争力強化に大きな影響を与えるものと期待されます。

 元々国策会社として設立されたJSRにとって、官民ファンドによる投資を受け入れることは、自然な流れと言えるかもしれません。

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