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世界2位のメモリー半導体メーカーのファンドリー戦略とは

世界2位のメモリー半導体 韓国のSKハイニックスがファンドリービジネスの取り組みを拡大する

🟩SKハイニックスのファンドリー事業

 SKハイニックスのファンドリ事業は、受託生産子会社「SKハイニックスシステムIC」で行われている。サムスンに次ぐメモリー世界2位のSKハイニックスでは、ファンドリー事業は収益の2%程度となっている。  

SKハイニックスの副会長は「ファウンドリー(受託生産)の生産能力を2倍に拡大する」と語っている。半導体不足の長期化でファンドリー事業に商機があると見込んでいるよ。

🟩半導体不足の原因

世界的な半導体不足により、ファンドリー需要増に対して供給が追い付いていない。これは2020年末に半導体不足となった自動車業界が生産回復を見越して、発注量を増やしたため一気に在庫が尽きたことから始まった。

SKハイニクスは旧世代の半導体メモリー製造装置を活用し、ディスプレー駆動用や電源管理用といったニッチ半導体のファンドリー需要を取り込むことを目論んでいる。

🟩旧プロセスの半導体も供給不足

米インテルや台湾TSMCが手掛ける、5~10nmの最先端プロセスの半導体需要は伸び続けている。その一方で40nm〜90nmといったプロセス、10年以上前の技術で作られた半導体需要も伸び続けている。

多くの半導体装置メーカーは先端プロセスで用いる12インチ用の装置発注への対応に追われている。そのため旧世代の8インチの装置の再生産まで手が回らないのが現状だからだ。実際に中古装置市場でも8インチの装置は手に入らない状況が数年前から続いている。

SKハイニクスが狙う旧世代の半導体ファンドリー事業は、市場として供給が追いついていない。

🟩旧プロセス&多品種対応で高い収益性を狙う

SKハイニックスのファンドリーの製造装置の多くは過去に半導体メモリーを量産していた8インチの旧型装置ものだ。現在主流の12インチと比べてチップ生産量は少ないものの、多品種生産に適した利点がある。また設備は既に減価償却が終わっているため、収益性が高いことも事業強化の背景にある。

🟩さらにM&Aで収益伸ばす

SKハイニックスは生産能力を高めるためのM&Aも進める。マグナチップからスピンオフされた同じ韓国のファウンドリであるキーファウンドリーを買収する意向だ。キーファウンドリーも主に8インチウェーハの、古い製造プロセスでチップを製造している。

🟩まとめ

SKハイニクスはファンドリー事業を倍増させる。旧世代のプロセスを用いて収益化を狙う。

日本には旧世代の8インチの工場がたくさんあるので、SKハイニクスのように戦略的に活用できたらよいな。


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