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9月入学に反対提言 日本教育学会「効果期待できず」


【日本教育学会の考え】
・9月入学にしても、学習の遅れを取り戻し、学力格差を縮小する効果は期待できない
・初等中等教育段階で直接メリットのある児童生徒は極めて限られる
・ オンライン学習環境の整備や複数担任制の導入などが、9月入学以外で学力を落とさない方法ではないか
・入試については、試験問題の範囲を学習進度の遅い学校に合わせるのはどうか


【国際化が進むと・・】
9月入学賛成派の意見として挙げられるのが「国際化が進む」ということ。
猪口邦子氏(元少子化相)、河村建夫氏(元文科省)の考えをもとに、国際化が進むことのメリット・注意すべき点をまとめておく。

(日本経済新聞 2020.5.24より)

河村氏
「欧米や中国など世界の多くの国は秋入学。日本も9月に切り替えれば、学生や研究者の交流が増え、企業の外国人採用など人材の国際化が進む。」
  ↓
ただ....
「真の国際化を目指すなら別の案がいい。」
今の小学1年生は、6歳から7歳になる子どもだが、9月入学にした上で、義務教育への移行を5歳からにすると、国際標準でも早い。世界の学力比較で優位になる。
猪口氏
「もともと日本は義務教育の始まりが遅く、入学時期を前倒しで9月にする案は検討に値する。」「9月入学なら、欧米に留学しやすくなる。」
  ↓
ただ....
・個別の事情で留学時期が9月とは限らない
・留学によって在学期間の延長などで不便が生じないように進学や卒業の時期を柔軟にする制度をつくればいい
・夏は密閉空間での学習や仕事に適さない。5月に学期を終え、6〜8月の3カ月は、自由に才能を伸ばせるような制度も必要。長い夏休みに、自分で決めたことに挑戦するのは意味のあること

【最後に】
9月入学についての議論は単純に9月入学が留学にとってどうかという話だけでなく、現在の受験生、入学生にとってどのように関わってくるのか、またそのための準備を行うための教員数が十分足りているのか、さらには就職含め企業との関係など様々な問題と絡み合っています。
今回の件だけでなく今までに何度も出て来た話なので簡単に決まるような事ではなないことは確かですが、だからこそ誰かの「大きな決断」によってある日急に決まってしまう可能性も否定できません。
もし万が一変更があった場合は大きな転換期にもなります。
「そんなことになるなんて知らなかった・・・」とならないためにも今何について議論しているのかという情報だけは入れるようにしておきましょう。

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