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仮面

ある人がnoteを書いていて私も興味を持ったので書いてみようと思う。


今回は少し私のことについて話をしよう、私は昔から人の様子を伺って、その人に合わせた自分を作り出し接してしまう癖があった。そう、日常に置いて「仮面」を被って過ごしていたのだ。

私は体が生まれた頃から弱く、私を産んだ人達は離婚、私を引き取った母も夜居ないことが多かった。そんな私をおばあちゃん(曾祖母)がよく面倒を見てくれていた。
おばあちゃんは私にご飯やお菓子をよく作ってくれたり、治療費もよく出してくれていた。
そんなおばあちゃんだがよく口ずさんで


「私のせいでお母さん達は別れたんだ、あんたがこうなってしまったのも私のせいなんだ、ごめんよ、、ごめんよ」


と言っていたのだが、その事を私は今でも強く覚えている。
当時の私は「そんなことはない、今の暮らしでもおばあちゃんのおかげで十分幸せだ」と思っていたのだが、何故か強く声に出して言えなかったのだ。こんな環境で生まれた事を悔やんでいたのか、はたまた幸せとは心の奥底では思えていなかったのか、理由は今でも分からない。

それと同時にあの時この言葉をおばあちゃんに面と向かって直接言わなかった事を、とても後悔している。

なにより、優しかったおばあちゃんをこんな思いにさせ苦しめ、本人達(産んだ人達)はのうのうと生きていることが許せず、一種の殺意まで湧いていた。
自殺しようかとも考えていたのだが、当時の私にはそんな行動力も勇気もなかった。それに台に立つ度におばあちゃんの顔が頭によぎり、最後には「おばあちゃんが生きている間はせめて生きよう」そう思っていた。

それと同時に、絶対におばあちゃんの前では元気な孫としていようと決意した。

"ここが私の初めて「仮面」を被った日のことである。"

それからは学校でもどんな事を言われようが我慢、怪我をしても耐えた。そして、家に入る前には笑顔をつくり元気よく「ただいま!」と玄関をあける習慣を送っていた。

そんなある日私の前に1人の男の子が現れたのだ。
その彼と話したきっかけは学期のはじめであった授業での班活動のことだ、初めて同じクラスになった彼は「えっ、まって君って家近かったの!?早く言えよ〜!」と意気揚々に話しかけてくれた。そんな彼は私にはとても眩しく輝いても見えた。
そして、時間が経つと共に初めは彼から話かけてくれていたのだが、私からも話かけるようになっていた。そう私に「友達」という物が初めて出来たのだ。

今まで人と話すことが無かったという訳では無いが、決め事など以外ではあまり人と話すことのなかった私には、その日からの生活が今までとは違うものに見えた。学校も行くのが楽しくなった、休日には彼と遊ぶこともあった、彼の友達と仲良くなることも出来た。
だが、私は出来た人間では無いのだ、、。

ある日おばあちゃんが私の事を違う名前で呼び始めた。
そう認知症になってしまったのだ、そしておばあちゃんは私の事を完全に忘れてしまった。

私は気が狂うかのように泣き、なぜ私の周りではこういう事が起きてしまうのか、周りの人間は賑やかに生活しているのに、なぜ私だけなのか、なぜ、なぜ、なぜ?

そう自問するしかなかった。

そこから私に残ったのは"友達"
これだけだった。

そしてこう思い始めてしまう。

「この日常を壊してはいけない、彼だけは私から離れて欲しくない」

私は"友達"という存在の良さに気付いてしまい、一瞬の中毒状態になっていたのだ。

そのことに気づいてからは自分の意思とどれだけ違っても、相手に全て合わせ、良く言うと"優しい人"悪く言うと"都合のいい人"に成り下がっていた。

"これが2回目の「仮面」を被った瞬間であった。"

それは友達なのか?対等な関係こそではないのか?

皆さんはそう思ってしまうかもしれない。だが、私にとってはそんな事はどうでも良かったのだ。
友達という存在がいる日々が、楽しく、幸せを感じていられる瞬間だったのだ。

それからというものは友達を作っても全て相手に合わせ、人によって「仮面」を変えて接する人間になっていった。

全ては「私から人が離れて欲しくない、私を嫌わないでほしい、捨てないで欲しい。」

こういった欲望からだったのだろう。

そしてこれは今でもそうなのかもしれない、私は臆病なのだ。
だがさらにタチが悪いのは、私は臆病だが強がりなのだ。

人が悩んでいる時はさぞ「私は出来ている」と言うように「素出せる相手は必要だよ!」「そんな事はない、誰かは○○を必要としてる!」と自分は信じきれていないのに、人にそう投げかけるのだ。
そして感謝の言葉を言ってくれる度に心が痛み思ってしまう

"私も本当はそちら側だというのに"

今回の私の話はここまで。
最後まで読んでくれた方はありがとう。

いつか、私も全てをさらけだし素を出せる存在と出会えることを願っている。

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