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8.無理矢理お見合い


ワタシの大学時代は授業は月曜から土曜までぎっしり詰まっていて
課題をこなすのに必死
長期休みにはアルバイトをして過ごし
ほぼ家にいることはなくなってものすごく楽でした
大学3年だったか4年だったか、、、
記憶が定かではないのですがある日母に話があると呼ばれました

お見合いをするから〇月〇日空けておいてください

は?お見合いって誰の?

誰ってアンタに決まってるでしょうが


もう言葉が見つかりませんでした

戦国時代からやってきた頭カチカチ妖怪センゴク
やってくれました
学校卒業したらお見合いしてすぐ結婚してすぐ家も継いで
農家もやれと

平成の世に
娘の意思の確認もなく
勝手にお見合いを設定してくるとは


母に泣いて言った
どうしても嫌だ
絶対嫌!なんでお見合いなんてしなけりゃならんの
聞いてないし!
横暴だ!助けて!

母はいつものようににへら
と笑うだけだった
お父さんが決めたことだから言うとおりにして

この時ワタシは母のことを【妖怪ニヘラ】と命名した


わかってはいた
小さいころから
妖怪ニヘラは助けてはくれない
自分が妖怪センゴクに怒られないよう
ただ従って自分の身を守ることだけに専念する化け物
書いているだけで思い出すだけで気分が悪くなる

ああこれが親なのか
親って何なんだろう?
親はいつも暖かく見守ってくれるもの
灯台のあかりのように暗闇で照らしてくれるもの
そういうのはワタシの単なる思い込みだったようだ

妖怪ニヘラはワタシに怒られるより
妖怪センゴクに怒られるほうが怖い
天秤にかけワタシの言うことを無視することにしたらしい


誰も助けてくれないんだな
ワタシの人生ってなんなんだろう
センゴクのいうとおりに動くロボットなんだ
なんで?なんで?


結局妖怪ニヘラに逆に泣きつかれ
もう頼んじゃったから今更断れないと

いやもう知らんし!ほんと勝手な言いぐさで
ショックだった


当日は仲介してくださったという方のお宅にお邪魔し
あとは若いお二人で話してくださいよと
そんな感じでお茶とお菓子が出された

お相手の人は何歳だったかな?よく覚えていない
2,3歳くらい上だったかなぁ
ワタシがまだ20か21くらいだったから

細くてギター部に入っていたという
ちょっとなよっとした感じの人だった
その人になんの罪もないのだけど
話はたいしてはずまず
ドライブでもしましょうかと誘われたけど断った
早く帰りたくて仕方なかった


その仲介してくださった方のおうちは今でも時々通りがかることがあるのだけど
通るたびに気分が悪くなる^^;


後日
正式にお付き合いをしたいという申し出があったようだけど
かんべんしてくれと断った


誰も助けてくれない愚痴を
ありとあらゆる友達に言って泣いた
親に裏切られた気持ちと
ロボット扱いがとうとう決定的というその事実に
悲しくて仕方なかった


ワタシの人生は
センゴクのためにあるのだろうか?
当時は誰も違うよって言ってくれなかった

あれから30年経って今
やっと自分で自分に言える

ワタシの人生はワタシのもの
ワタシが考えて歩いて行っていいんだ




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