椎名林檎の歌詞に出てくる地名の数をカウントしてみた
こんにちは。わからん都と申します。
椎名林檎、良いですよね。彼女独特の新しくもありどこか懐かしくもある不思議な世界観に惹かれるのは僕だけではないでしょう。
そんな彼女のあるあるにこんなものがあります。
めっちゃ地名が出てくる!特に東京の!!!
これで「そうだね」とならなかった方のために具体例を挙げるとするならば、代表曲である「丸の内サディスティック」が最も良い例でしょう。
この短い歌詞の中に、東京関連の地名が2つも出てきます。多っ。
こんなふうに、椎名林檎は歌詞に地名を入れがちです。それなら、、
という疑問が湧きますよね。ますよね?
ということで、調べていきます。
〈調査対象〉
・椎名林檎の曲と、椎名林檎が作詞した東京事変の曲
〈ルール〉 ←細かいので飛ばしても良いよ!
・地名以外にも、具体的な場所名も調べる
・解釈が複数できる地名はカウントしない(例:四丁目、海浜公園など)
・歌詞が明示されていない曲、アレンジされた曲はカウントしない
・具体的な場所でないもの(例:涅槃、世界など)やどちらかというと土地と捉えられないもの(例:朝日や陽、月の灯など)もカウントしない
・1曲で同じ地名が複数回出てくる場合、1回とカウントする
・言語は違うが同じものを指している場合、同一のものとしてカウントする(例:earthと地球)
・太陽は厳密にいうと土地ではないが、まあ許してください……
・宇宙も土地ということにさせてください……お願い……
調査開始!!!
まずは歌詞を調べ、
こんなふうに曲名と出てきた地名をアルバムごとにエクセルにまとめます。
それだけです。これを繰り返します。
〜4時間後〜
やっと終わりました。つかれた……
この4時間で能動的三分間(ぴったり3分で終わる東京事変の曲)が80回聴けたと思うともったいない時間の使い方をしたと思ってしまいますが、考えないことにします。何事も、考えないことが最大の自衛なので。
結果発表
集計が終わったので結果を発表します。
まずは地名の歌われてきた回数を発表します。
地名の歌われてきた回数は……
75回!!!!かなり多いですね。
アルバムごとの内訳はこうなっています。
こうして見ると、どの時期でも登場する地名の数はそんなに変わっていないですね。最近のアルバムでは地名は少なくなったように見えますが、「ニュートンの林檎」「総合」では新曲は1,2曲しか収録されなかったことを考慮するとそんなに大きな変化ではないように思われます。
また、冒頭で述べていた東京の地名についてはこんなふうになりました。
登場回数は29回、それは全体の約38%。東京の地名が全体の約38%なのはかなり納得の値なのではないでしょうか。
東京の地名の内訳は、
東京が7回、銀座と新宿がそれぞれ3回ずつで、あとはすべて1回ずつ歌われました。もっとほかの地名が複数回出てきそうだなと思っていましたが、銀座と新宿だけという結果に。個人的には今回の調査のなかでここに一番驚きました。新橋とか4回くらい歌われていてもおかしくない気はしますよね。
そして、最も多く東京の地名が歌われた曲は「丸の内サディスティック」と「東京の女」。どちらも5回で、同率1位です。まあ、タイトルから「だろうな」とはなる。
歌われた東京の地名に色を付けるとこんなふうになります。
すごい偏ってるな。めちゃくちゃ右翼の日本国旗みたい。
そして、その他の歌ってきた地名について。一回だけ歌われた地名を列挙していくとかなり長くなるので、複数回歌われた地名だけを発表します。
複数回歌われた地名は……
の合計8つ。これらについて詳しく見ていきましょう。
まず、これらの地名が歌われた回数をグラフにしました。
なんと、「太陽」が最も登場回数の多い結果になりました。てっきり「東京」が1位になると思い込んでいましたが、スケールはそれよりも遥かにでかかった。そして3位が「宇宙」になりました。
ここで、「太陽」が歌われた曲を見てみると、
名曲しかない。
椎名林檎の代表曲である「本能」や、東京事変のファン投票で一位に輝いた「落日」、マボロシとの共作である「流行」などのめちゃくちゃ強いラインナップが揃っています。椎名林檎が太陽という歌詞をつけた曲、名曲説を推したい。
意外と「宇宙」「太陽」「地球」「月」というスケールがとても大きな地名(地名って表現で合ってるの?)が出てきたので、アルバムごとにそれらの数をまとめてみました。それがこちらです。
日出処が圧倒的ですね。アルバムという基準なので最近のシングル曲である「いとをかし」はこのグラフには入っていませんが、その歌詞にも「月」がありました。傾向として、新しい曲やアルバムになるにつれてスケールがでかい地名が出がちになるようです。
ここからは一度しか登場しなかった地名を見ていきましょう。
一度しか登場しなかった地名は、合計で33個。多いような少ないような……。これは全体の44%にあたります。そのなかで気になったものをピックアップしていきましょう。
まずは、「正しい街」より、
百道浜と室見川。これらはどちらも福岡の地名です。驚くべきことに、これ以降の曲の歌詞に福岡の地名が出てくることはありません。この曲が椎名林檎のファーストアルバムの一曲目であることや、彼女は福岡生まれであることを考慮すると、彼女にとってかなり重要な一曲であることは間違いないでしょう。
次に、「密偵物語」より、
多い。多すぎるし海外の地名しかない。
なんと一曲のうちに11個もの地名が出てきます。これは椎名林檎の曲の中でも最も多いです。さらに、海外の地名が出てくるのはこの曲だけであり、その意味でもかなり特異な曲といえるでしょう。
また、この曲は「三文ゴシップ」に収録されているのですが、
ほかの地名を歌っている曲が「流行」しかないためえげつないことになっています。
歌詞に出てくる国を色で塗るとこうなります。
最後は、「浴室」と「一服」。この二曲の地名には共通点があります。それは何かは見たらすぐにわかるので早速発表しましょう!!
細けぇ~~!!!!
そう、めちゃくちゃ細かいんです!!なんで「茶店」もしくは「新宿の茶店」でいいのに「新宿のカメラ屋さんの階段を降りた茶店」にするの!!!!
おそらくこんなに細かい地名である理由は、生々しさや現実感を演出したかったからなのでしょう。
確かに「新宿のカメラ屋さんの階段を降りた茶店」だとカメラ屋や茶店の外見に加え、店に続く道や付近の明るさまで詳細に想像できる気がします。「階段を降りた」という表現から、昔ながらのどこか寂れた雰囲気までも感じることができます。そう考えると、かなり秀逸な歌詞に感じてきました。椎名林檎、すごい。
ということで、椎名林檎の歌詞に出てくる地名をカウントしました。最初はどうせ東京の地名ばかりになるんだろうなと思っていましたが、宇宙レベルの地名がたくさん出てくるなど新たな発見もたくさんありました。半日を費やしましたが、やってよかったなと思っています。
ちなみに、一度も地名が歌われなかったアルバム、EPは
・加爾基 精液 栗ノ花
・平成風俗
・スポーツ
・color bers
の4つでした。
すべての椎名林檎の歌詞の地名をまとめたエクセルを貼っておいたので、ご自由にお使いください。
そういえば、「東京都渋谷区南平台の角の整形地二百坪」っていくらくらいなんだろう。
調べてみよう。カタカタ……
あっ
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
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