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続・NHKから国民を守る党をぶっ壊す!

 2019年7月の参議院議員選挙で躍進を遂げたNHKから国民を守る党(N国党)。彼らはその後も様々な話題を振りまいている。彼らの言動にはいろいろと賛否両論あるようだが、いったい彼らはどこへ向かおうとしているのだろうか。このレポートは以前書いた「NHKから国民を守る党をぶっ壊す!(前編)」「NHKから国民を守る党をぶっ壊す!(後編)」の続編である。主に参院選後のN国党の動きを追っている。タイトルに「ぶっ壊す!」とあるが、私自身はN国党のアンチではない。N国党をぶっ壊したいとはこれっぽっちも思っていない。出来るだけ中立な立場で事実のみを伝えたいと思っている。もっとも、N国党の話題があまりにも多岐に渡っているため、きちんと調べ切れなかった部分は多い。その辺りご了承頂きたい。また、誤り等あればご教示頂きたいと思う。

◼️マツコ・デラックスをぶっ壊す!

 2019年7月21日に投開票された第25回参議院議員選挙において、N国党は代表の立花孝志候補が比例代表区での当選を決めた。その直後の7月29日、TOKYO MXの番組「5時に夢中」においてタレントのマツコ・デラックスがN国党の印象について「ちょっと気持ち悪い」「宗教的な感じもある」と発言した。これに対し立花代表が激怒した。マツコ・デラックスの発言は有権者をバカにすることであり、TOKYO MXは放送法4条にある「政治的に公平であること」に違反しているのだと。


 立花代表はマツコ・デラックスの番組降板や謝罪を求めての出待ちや、「5時に夢中」のスポンサーである「崎陽軒」などの不買運動などの抗議活動を開始した。もっとも不買運動に関してはすぐに「僕の勇み足だった」として謝罪している。
 その後立花代表はTOKYO MXとマツコ・デラックスを相手取り、総額1億円の慰謝料を求める原告1万人の集団訴訟を起こす方針を示した。そして裁判のために「マツコ・デラックス被害者の会(株)」を設立。12月末までに謝罪がなかった場合、1月~3月にかけて集団訴訟の募集を始めるという。

◼️埼玉県知事選挙

 参院選後もN国党は積極的に各選挙に候補者を擁立し続けている。8月に行なわれた千葉県柏市議会議員選挙には、N国党のナンバーツー大橋昌信・前埼玉県朝霞市議が立候補し当選した。この柏市議選の最中、大橋候補は野次を飛ばした聴衆を「私人逮捕」と称して拘束。その様子をモザイクもかけずに動画配信した。


 9月の埼玉県知事選挙には浜田聡候補を擁立している。浜田候補は7月の参院選に比例区からN国党の候補者として立候補。落選したものの立花代表に次ぐ党内で2番目に多い得票を挙げていた。N国党が国政政党となってから初の国政選挙ということで注目を浴びたが、前参院議員の大野元裕候補と野球評論家の青島健太候補の激戦の中に埋没し惨敗に終わった。

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 参院選直後にN国党は、次期総選挙において289の小選挙区全てへの候補者擁立を公言していたが、浜田候補の惨敗によってそれをいったん白紙に戻すとした。

◼️N国党議員・当選無効

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 その一方で、N国党から当選した議員たちにも様々な問題が起きている。
 4月の統一地方選で当選した東京都新宿区の松田美樹区議に、区内での居住実績がないのではないかとの疑いが生じた。調査の結果、居住実態がないとされ、松田区議には当選無効の判決が出されてしまう。松田区議は夫が同じN国党の松田亘・練馬区議である。夫婦で違う住所というのも不自然なので、ひょっとしたらそちらの方が本拠地なのかもしれない。

 東京都立川市の久保田学(横山緑)市議の場合も、やはり居住実態の有無が問題となった。フリージャーナリストのちだい氏が久保田市議の居住実態の問題をネット記事で指摘したところ、久保田市議側から名誉毀損であると200万円を求めて訴えられたのである。それに対してちだい氏は、この訴えが嫌がらせを目的とした「スラップ裁判」であるとして、120万円の賠償を求めて反訴していた。
 立花代表自身がちだい氏への訴訟を「スラップ裁判である」と認める動画を配信していた(下記動画49:44~)こともあり、判決の結果は久保田市議の訴え自体が違法だとして久保田市議側に約78万円の賠償を命じるものとなった。


 N国党の候補者はそこが地盤であるかどうかではなく、当選の可能性の高い選挙区を狙って落下傘候補として出馬することが多い。こうした居住実態の問題は今後も出てきそうである。

◼️立花孝志代表・書類送検

 統一地方選から参院選にかけてN国党からは離党者が相次いだ。その中には二瓶文隆・江東区議と二瓶文徳中央区議の父子もいた。立花代表はこの父子とりわけ息子の文徳区議に対して強い批判を行なっている。動画の中で「徹底的に叩き続ける。」「徹底的にこいつの人生を僕は潰していく」「街中歩けないようにしてやる」などと発言し続けていた。


 この事に恐怖を感じた文徳区議は月島署に被害届けを提出した。動画の中で立花代表が「これは合法的な脅し」(下記動画)と語っていたこともあり、9月に脅迫容疑で立花代表が書類送検された。
 立花代表は当初有罪となれば議員辞職すると息巻いていたが、後に「実刑にならなければ辞めない」と発言を訂正している。結局立花代表はその後すぐに選挙出馬のために参院議員を辞職してしまっている。

◼️虐殺容認発言と株券発行詐欺疑惑

 立花孝志代表の問題行動はまだまだある。
 その1つが虐殺容認発言である。立花代表は自身のYouTubeチャンネル上で神谷宗幣・元大阪府吹田市議会議員と対談しているのだが、その際日本始め先進国の人口が減少傾向にあるのに対し、世界全体の人口は増えていることに触れ、「馬鹿な人ほど子供産む」と話した。そして、「人間の天敵はいないから、結局人間が人間を殺さざるを得ないのが戦争だ」「あほみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう」などと発言している(下記動画11:55~)。


 このことが共同通信に報じられ問題視されると、立花代表は「そんなつもりはさらさらない」と釈明した。
 この発言に関して、立憲民主党の小西博之参院議員はTwitter上で「憲法、国連憲章の全否定に等しい」「除名(議席はく奪)も可能」だと批判した。

 立花代表は小西議員へ対談を申し込むも断られため、議会内の小西議員の事務所をアポなしで訪問している。小西議員から千葉県の被災者対応で多忙であることを理由に対応を断られるも、立花代表は執拗に食い下がる。ついには1ヶ月以内に連絡がない場合は裁判に訴えるとまで主張している。


 また、「週刊文春」によると、立花代表が代表取締役を務める「立花孝志ひとり放送局株式会社」が発券した株式を巡り、詐欺行為の疑いがあるという。ひとり放送局は2012年9月の設立当初から、動画上で株主を1口1000円で募集。2018年2月までに5000万円の資金を集めたという。しかし、その後も資本金の増資が登記された形跡がなく、株主総会も配当も一度もない。それどころか、集めた資金は実際には立花代表への貸付金として処理されているそうなのだ。
 これは詐欺行為になる可能性があるというのだが、立花代表は「返金の要請があれば直ちに返している」と違法ではないと主張している。


 さらに、立花代表が情報商材の販売を開始したとの情報もある。それは「REL(リッチ・アンド・エンジョイ・ライフ)」というもので、「N国応援.com」というサイトによれば「天才・立花孝志を作り上げた」「能力開発プログラム」であるという。自己暗示によって無意識にポジティブな考え方が出来るようになるというもののようだが、値段はなんと49万8000円! 立花代表がどこまで関与しているのかはわからないのだが、きわめて胡散臭い印象を受ける。


■立花孝志YOUTUBE収益停止

 このような問題があったことと関係しているのだろうか。10月頃に立花代表のYouTubeチャンネルの収益化が取消された(現在は復活)。
 “政治家YouTuber”を自認する立花代表のYouTubeのチャンネルには現在50万人以上の登録者数がある。立花代表によると8月分の広告収入だけで1,247万2,868円あったそうだ。それが収益化の停止によって広告収入が無くなってしまったのだ。広告停止の理由は明らかになっていないが、これまで述べたような問題行動が原因で、通報が相次いだのかもしれない。立花代表は新たなYouTubeチャンネルを開設した。

◼️ホリエモン公認

 このように問題や批判の多いN国党だが、その一方で支持は確実に広がっている。一部の著名人がN国党を支持する発言を積極的に行なっている。
 例えば、“メンタリスト”DaiGoは自身のYoutubeの動画で、立花孝志代表を絶賛している。同じく堀江貴文・元ライブドア社長も立花代表を「頭良すぎてヤバい」と高く評価した。その堀江氏をN国党は次期総選挙で公認すると発表した。しかも堀江氏を集票役として衆院比例区で議席を確保し、堀江氏が辞職することでその秘書の齊藤健一郎氏を議員に当選させるとのプランまでぶち上げている。

 脱税で逮捕され現在公判中の“青汁王子”こと三崎優太氏もN国党から総選挙に出馬することを表明している。N国党は「悪名は無名に勝る」と、問題や前科があっても著名な人物を積極的に擁立しようとしている。2016年に麻薬所持で有罪となり現在執行猶予中の元プロ野球選手の清原和博にも声をかけていることが明らかになっている。また、歌手のASKAや、元アイドルの酒井法子に声をかけたとの噂もある。最近では薬物所有で逮捕された女優の沢尻エリカや、元プロ野球選手の新庄剛志にも立候補を持ちかけている。

 その一方でN国党を離れる人もいる。東大法学部出身のYouTuber“マスザワ内閣(まっすぅ)”はこれまで動画でアムウェイ批判などを行なっていたが、8月にN国党に入党し衆議院比例九州ブロックでの公認を受けていた。ところが、9月になって突如離党を表明。理由を「N国党支持者たちの負の感情が強すぎて心を蝕まれていった」からだと説明している。また、自身も今後は批判することで閲覧数を稼ぐといったことを止めると表明した。

◼️N国党内紛?

 YouTuber“さゆふらっとまうんど”こと平塚正幸氏は参院選に千葉選挙区から立候補していたが、彼によってN国党内の内紛が明るみに出た。
 もともとは池袋で行なわれた立花孝志代表の参院埼玉補選の街頭演説の際に、平塚氏と同じN国党の林大祐氏の間に起きたトラブルが原因であった。立花代表の街宣を撮影していた平塚氏に対し、林氏が路上での撮影を止めるよう注意したのが発端であったという。平塚氏によると、その時その場には他にも動画を撮影していた人がいたそうである。それ以前から林氏はTwitter上で平塚氏を批判していたことから、両者の間には確執があったとされる。
 また、このトラブルに端を発して、立花代表の第二公設秘書だという吉田真人氏が、「公式の配信を除き、自分のアクセス数をアップするために配信する人間は、その収益をすべて党に入れてもらう」と宣言したそうだ。もともと立花代表は、演説の模様をネット配信することを奨励しており、N国党が躍進した原動力の1つともなっているのだが、平塚氏がN国党内で2番目に登録者数の多い(現在2.96万人)YouTuberだったことからやっかみがあったようだ。 
 その後、平塚氏は大橋昌信・千葉県柏市議との間でもトラブルになっている。大橋市議がYouTube上で「N国党のNo.2になったのだから、他のN国党員の選挙の応援に行って下さい」と要求したところ、平塚氏は「大橋議員の言っていることはN国党のためにならない。」と拒否。遂にはN国党からの離党も表明した。

 N国党に限らずどのような組織であっても多かれ少なかれ内側に問題は抱えているだろう。とりわけN国党は立花孝志代表という強力なカリスマ指導者を中心に、有象無象の人物が集結したという側面があり、正直組織としてのまとまりには欠けているという印象がある。しかし国政政党として今後も更なる上を目指すのであれば、党の仕組みをきちんとさせなければなるまい。
 平塚氏はもともと“アンチN国党”として参院選に立候補しており、参院選の政見放送でも「N国党には投票しないで下さい」と語っていた。彼によって多少なりともN国党の支持者が離れたであろうから、十分にその目的は果たしたのではないか。

◼️立花代表、連続落選

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 大野元裕・参議院議員が埼玉県知事選挙へ出馬し失職したことに伴う参議院埼玉選挙区補欠選挙が10月に実施された。当初N国党は県知事選と同じ浜田聡候補の擁立を進めていた。ところが、立候補の動きが上田清司・前県知事しかなく、自民党・公明党が候補者擁立を断念したことから、N国党は勝算があるとして別候補を擁立する方針となった。立花代表は30代前半の女性の擁立を提案していたため、7月の参院選に埼玉選挙区から立候補していたYouTuber“えびぴらふ”こと佐藤恵理子(えりい)氏(33)を立てるのではとの憶測があった。また上杉隆・N国党幹事長によると、秘書への暴言・暴行が問題となって自民党を離党した豊田真由子前代議士や、県知事選で落選した野球評論家の青島健太氏、歌手のさいたまんぞう氏らにオファーを出していたとのことである。
 ところが公示前日になって立花孝志代表自身が出馬を表明したのである。現職参議院議員が辞任して同じ参議院議員選挙へ出馬するというのは極めて異例。しかも、立花代表は参議院議員の任期を6年残している。今回の補選の任期は大野前参院議員の残りの任期3年のみであるため、当選しても任期が半減することとなる。参院補選に立候補したことで立花代表は参議院を失職。浜田聡氏が繰り上げ当選した。参議院でのN国党の議席は維持出来たが、会派「みんなの党」として持っていた予算委員会のポストは不意になってしまった。立候補の記者会見で立花代表は、繰り上げ当選となる浜田聡氏に、6年後の5月には議員辞職してもらい比例3位の岡本介伸氏に議席を譲る。その1ヶ月後には岡本氏も辞めて比例4位の熊丸英治氏に議席を譲るという驚愕のプランも述べていた。
 参院補選の投票結果は予想通り上田清司候補が大差で当選した。しかし、立花候補も16,8289票を獲得し得票率13.6%と健闘した。 

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  立花代表は、この参院補選の最中に11月10日投票の神奈川県海老名市長への出馬を表明した。確かに当選は極めて困難な情勢ではあったが、これでは端から当選する気があったのかと疑ってしまう。立花代表は上杉隆幹事長との対談で、立候補の理由を「そこに選挙があるから」と答えているが、立花代表は選挙に当選しても一度も任期を全うせずに辞職して次の選挙に出馬しており、目的は選挙をしたいだけなのではないかと思わせる。もっとも海老名市長選は、海老名市議選に立候補する三宅紀昭候補への援護射撃という目的もあった。その甲斐あってか、三宅候補は定数21のところ20位で見事当選を決めた。しかしながら立花代表の得票は5.51%に留まり、供託金を没収されるという惨敗ぶりであった。

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 立花代表はすかさず11月24日投票の奈良県桜井市長選に立候補した。現職の松井正剛市長と一騎討ちとなったが、現職への批判票を十分に集める事が出来ず惨敗に終わった。公示日以外に現地入りせず、桜井市とは何の関係もない都内のNHK会長宅の前で抗議の街宣を行なうなどの選挙戦が、有権者の反発を買ったのではないか。

当選14,330松井 正剛 63 無所属・現(自民党推薦)
   1,294立花 孝志 52 NHKから国民を守る党・新

 立花代表は12月1日告示8日投票の東京都小金井市長選挙にも立候補を表明しており、さらに選挙オタクぶりを発揮している。

◼️N国党の選挙ビジネス

 立花孝志代表が勝ち目のない選挙にで続ける理由としては、それが一種のビジネスとなっているからである。確かに選挙に立候補するためには、例えば市区長選は100万(政令指定都市は250万)、市区議選なら30万(政令指定都市は50万)円の供託金が必要である。だが、落選したとしても供託金返還ポイント(市区長選は有効得票の10%、市区議選は有効得票÷定数の10%)を上回れば供託金は返還される。さらに、ポスターやビラ代、街宣車のガソリン代などが公費で負担されるのだ。
 また、最近注目されているのが、N国党のポスター印刷を一手に引き受けている「ネット選挙株式会社」の存在である。責任者が牧原慶一郎氏であるため「牧原会社」とも呼ばれている。牧原氏は2019年4月の統一地方選で東京都千代田区議選挙に立候補するも落選。参院選では大分選挙区から立候補し、政見放送では一言も喋らず終始無言を貫いた。「全国法人データベース」によると、「ネット選挙株式会社」は2019年7月29日に設立。当時の所在地は東京都千代田区神田須田町だが、ここは牧原氏が選挙時に届け出た住所と同一である。その後、11月11日に葛飾区西新小岩に住所変更しているが、こちらは立花代表の自宅兼事務所と同一になっている。N国党では選挙ポスターやビラの印刷を自前で行なうことによって、公費をそのまま収入とすることが出来る。
 ただこうした選挙ビジネスも、候補者が供託金返還ポイントを上回ることが前提であるため、立花代表が海老名市長選と桜井市長選で相次いで供託金を没収されたことは痛手となっている。選挙に出るたびに数100万円の損失を出していることとなる。

◼️衆院選特設ページ

 もう一つの立候補の理由は、来る総選挙を見据えての支持拡大であろう。
 N国党の衆院選特設ページが公開された。だが、それを見た私は目を疑ってしまった。

 今はまだ選挙区等は明らかになっておらず、名前と顔写真が載せられているだけなのだが…。ともかくその一部をご覧頂きたい。

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 いったいこれは…。一瞬どこかの風俗店のサイトを間違えて立ち上げてしまったのではないか? お願いだから、誰かがネタで作ったサイトだと言ってくれー!!

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 特に下着姿の鈴木理絵候補というのが酷い。いやしくも国会議員になろうという人物がこんな写真を公開して良いものだろうか? さすがに批判があったのか、すぐに写真を着衣のものに変更している。

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 候補者の中には横峯良郎・元参議院議員(民主党→新党大地)といった実績のある大物もいるのだが、その大半は若い女性である。N国党の総会で立花代表は、候補者の選び方を「美人」「若い女性」「イケメン」「供託金出せるか」だけであると語っている。N国党の名前で勝てる可能性のある選挙区で、損しない選挙をすることが大切であって、政策や人柄は不問であると語った。いったい選挙を何だと考えているのだろうか。

 候補者の一人・「あかず」こと飯沼里香候補はTwitterで、ホームページの候補者の写真をもっとエッチなものにしたいと語り水着写真を掲載している。それにしても、「超絶えちえち」って…。

 
 この飯沼氏、N国党のボーリング大会の後、同じN国党の衆院選予定候補の片岡将志氏とラブホテルへ行き、「夜の勉強会」と称して動画配信を行なっているのである。


 また、参院埼玉選挙区に立候補していた佐藤恵理子氏は、「週刊現代」でグラビアデビュー。際どい写真を披露していたが、「グラビア界をぶっ壊す!」(講談社)なるデジタル写真集まで発売している。

■N国党の資金源

 N国党は参院選に進出するに当たって、支持者から1億円もの資金を集めた。年利15%で借用するという形で、当初は政党助成金から返却するつもりであった。ところが政党助成金を借金返済に充てることは認められないとのことである。
 立花代表によると、2019年11月末の時点でN国党の預貯金は2400万円、借金が1億5000万円あるという。参議院選挙の借金に加え立花代表が会社設立の際に借り入れた借金があるらしい。収入としては、浜田聡参議院議員から寄付される歳費の165万円と、視聴料という形で視聴者の善意で集まる金額135万円で月額合計300万円。支出は、コールセンターや私設秘書等の人件費400万円、上杉隆幹事長の会社に100万円、家賃が100万円、その他諸経費が200~300万で月額合計900万円。つまり毎月600万円の赤字となっている。


 N国党の政党助成金は年間1億6759万6209円で、今年は10月以降の分が6983万1千円に支給されることになっている。もっともN国党では各支部への送金もあるため、今年の3月には資金が枯渇する計算になっていた。
 そこで、立花代表は新たに資金の借用をYouTubeで呼びかけた。すると、わずか30分で1億円を超える金額が集まり、最終的には4億4600万円に達したという。山本太郎前参院議員率いるれいわ新選組が参院選の際に集めた金額は4億円であったから、N国党はたった1日でそれとほぼ同じだけの金を集めたということになる。ただ、れいわ新選組の場合は政治献金であるため返却は不要であるが、N国党は借金なので返却の必要がある。年利は初年度15%、次年度以降5%ということであるが、N国党は6億円以上の借金を抱えたことになる。
 立花代表は、来る衆院選に候補者を立てた場合、両院を合わせて2億8千万円もの政党助成金が入るため、将来的にはN国党の資産は黒字に転ずると語っているのだが、果たしてその頃までにN国党の勢いは残っているのだろうか。

◼️N国党はどこへ向かう?

 参院選で立花孝志代表が当選した時点ではN国党の勢いは確かにあった。だが、その後の相次ぐ迷走ぶりにここに来て勢いにも陰りが見えてきた。
 海老名市長選で立花孝志代表が惨敗した11月17日、千葉県我孫子市議選、埼玉県桶川市議選、栃木県大田原市議選の3つの選挙にN国党の候補者が立候補していた。しかし結果はいずれも落選であった。中でも我孫子市議選は、近隣の柏市、流山市、松戸市議会にN国党が議席を持っており、立花代表も「当選確率は90%」と豪語していたほどの選挙区であったのだが、坂本雅彦候補は次点に泣いている。
 N国党がどのような政党であるかが広く周知されると、かつてのように政党名だけで当選することも難しくなってきたのだろう。しかしながら、海老名市議選では三宅紀昭候補が勝っているように、戦い方によってはN国党候補の当選の可能性は十分に残っているのだから、今後は候補者の資質や選挙運動がより重要になってくる。
 そう遠くない時期に衆議院が解散され、総選挙が実施されるであろう。立花代表は、比例区で150万票で3%、選挙区で79万票で5%の得票率を予想している。だが現在のN国党がそこまでの得票を挙げられるだろうか? 特に比例区は議席を獲得した参院選よりも票が多い。正直かなり甘い見積もりに感じる。
 だが考えてみると、参院選でのN国党の議席獲得も事前の予想を裏切るものだった。立花代表のことである、必ずや何かしら我々の度肝を抜く戦い方をしてくれるに違いない。それを楽しみにこれからもN国党に注目していこう。

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