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万年ドベだった私がランニングを趣味にしたきっかけ

運動が苦手な肥満児だった私。
体育の授業で校庭を走るときにはいつもビリ。既にクラスメイトは皆決められた距離を走り終えていて、全員に「頑張れ〜」などと叫ばれながら顔を歪めてゴールする。おまけに我が家は校庭の真横にあって、自宅で家事をしている母が心配そうに窓越しで見ている。恥ずかしいったらありゃしない。

小学生の私が、大人になってランニングを趣味にしていると聞いたらさぞ驚くことだろう。

走れるようになったキッカケはひょんなことからだった。
高校の時、同居家族に急な不幸があった。ショックでしばらく食事が喉を通らなくなり、意図せず体重が15kgほど落ちた。

ちょうどそのころ体育の授業は、大嫌いなマラソン。
飲まず食わずで急に痩せこけた私は、周囲から相当心配されていた。それでも家族が悲しみに打ちひしがれているなかで「私だけはいつも通りにしていなきゃ」と気持ちが張り詰めていて、授業に出る元気はあった。若さゆえの芸当だった。

先生の笛が鳴り響き、一斉スタート。
放課後の予定を考えながら、走ることから意識を逸らせてやりすごす。

するとびっくり、クラスの標準的なタイムで走り切れてしまったではないか。
あら、わたし周回を数え間違えてる?と疑ったけれど、その後の数回もほぼ同様かそれ以上の結果。
いつもは身体中を真っ赤にほてらせて倒れ込むけれど、クールダウンとして歩く余裕も出てきていた。

あぁ、いままで私が走れなかったのは、体が重いせいだったのか。

常識的に考えれば肥満がランニングの妨げになるのは当たり前。
ただ物心ついたころからぽっちゃりのドベだった私。人より早く走れたことなど過去に一度もなかった。
てっきり自分には駆け抜けるための筋力が先天的に欠落していて、この先も一生ドベのままなのだろうと思い込んでいた。

運動面において人と同じように(平均的に)できた試しなど一度もなかった私にとって、この出来事は自信をもたらした。
耐え難い悲しみに暮れていたなかで、光がさした瞬間だった。
それから時間が経ち、やがて元通りになった。気落ちしていた家族の暮らしも、私の体重も。

いまはジムでトレッドミルを使って30〜60分、週3回くらい走ることにしている。
外で走る人もいるけれど、私はもっぱら屋内派。天候や混雑状況に左右されずに打ち込めるのが良い。

ジムのお供はYouTubeやNetflix。
ゆったりとしたジョギングであればジャンルを問わずに視聴するけれど、ランニングなら私の場合、アップテンポの音楽が無いと調子が出ない。
最近のお気に入りはBrave Girlsの「Rollin'」。

この動画は韓国軍への慰問公演をまとめ。なんと1時間49分も「Rollin'」漬けになれる。
Brave Girlsはデビュー以来なかなか日の目を見ず苦労したらしい。
慰問公演での巡業を多数こなすなかで、軍人にとって「思い出の曲だけど兵役を終えて帰ってくると巷で流行っていない不思議な曲」となり、昨年チャートを逆走して話題になった。

周囲の景色が変わっていくのが楽しいらしい。いずれトライしてみようかしら。

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