バイト先のお客さんと付き合った話 5 動揺の理由

翌朝起きると、DQN先輩からメールが届いていた。

「あのこ、生田さんお前に何か言ってこなかったか?」

「え?あの…えっと…ぐらいは言われましたけど」

と返信すると、すぐさまそれに対する返信があった。

「あーマジか。何か言えよ生田さんも」

「どういうことですか?」

DQN先輩は、生田さんの態度がおかしかった理由を説明してくれた。

私が風邪を引いていて生田さんがレジ越しに話しかけてくれた日の夜、生田さんはDQN先輩を突如誘い、2人で飲みに行ったのだそう。

その際に

「あのこさんと連絡を取ってみたいけど恥ずかしくてそんなこと言えない。DQN君なんとかしてくれないか」

と言われたらしい。

そこでDQN先輩は

「わかりました。俺からあのこにメールして生田さんと連絡取ってみないか?って聞いてみます(バイト先で話すとみんなから色々言われる可能性を考慮してメールで聞くことにしたらしい)
それでOKもらえたら、生田さんのアドレスを教えて連絡するように言います」

と返したらしい。

生田さん、私に興味があるの?!と驚いたとともに、DQN先輩から私の元にそんなメールは来ていないという疑問。

DQN先輩は

「実はよ、生田さんとその話して帰った後家のトイレにケータイ落として水没させちゃってよ。
当然お前に連絡できねーし、こうなったら直接言おうと思ったのによりによってお前と数日シフト被んねーし。
てことで生田さんにそんな話して期待持たせたまま終わっちゃってたんだよ。マジでごめん」

と言った。

つまり、生田さんはあの日の夜以降私から連絡が来ることを期待して待っていたらしかった。

それなのに連絡が来ることはなく、その上レジに行ってみたらやたら動揺して声が上擦っている私を見て、生田さんは

・連絡してみないかとDQN先輩に聞かれたがあのこはしたくないと答えた
・その直後にレジに生田さんが来て気まずくて動揺して声が上擦っていた

と捉えていたらしい。

だから接客を終える時に何か言いたげだったのかと思った。

申し訳ない気持ちもあったが、DQN先輩はなんというタイミングでケータイを水没させやがったんだと思った。
あまりにもタイミングが悪すぎる。

ちょっと怒ったら、DQN先輩が

「ごめんごめん。ま、とりあえず無事こうしてケータイも代替機もらって生田さんにもメールして誤解は解いてあるから」

と言い、生田さんの連絡先を添付してきた。

「気になってんだろお前も。メールしてあげてよ」

とても変なメールアドレスだった。

かっこよくておしゃれで物静かなイメージとはかけ離れた変なアドレスに動揺したが、ますます興味が湧いてきたのでメールすることにした。

「はじめまして。この間はごめんなさい。DQN先輩からお話聞きました。あのこと言います」

久しぶりにドキドキした。

続く

関係ないけど今日は友達とお子と我が家の中や庭や近くの公園をひたすら走って遊んでいた。めちゃくちゃ楽しかったけど35歳にはキツすぎ。今日は早く寝る。

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