33歳人妻が16歳の少年に恋した話 7 一目惚れ
2022年、7月中旬。
とある試合の日。
つまり、フラッグ君に会ってステッカーをもらう日。
朝からものすごい不安感に襲われていた。
高校生の子供と会ってステッカーをもらう、それだけなのに。
ネットで知り合った人と会う経験なんてなかった私は、やはり怖かった。
もしかしたら、高校生になりすましたおじさんかもしれないし。
不安で仕方がなかったので、ステッカーをもらう際、夫に同行してもらうことにした。
フラッグ君にはその旨をDMにて伝え、試合が始まる30分前に、会場の外で待ち合わせることとなった。
待ち合わせの前に、ステッカーをもらうお礼としてステラおばさんのクッキーを買った。
今時の高校生にステラおばさんのクッキーは渋いかな…と不安になった。
ステラおばさんという自身のチョイスにさらに不安になりながらも、とりあえず夫と共に待ち合わせ場所へ向かった。
早速フラッグ君にDMした。
「着きました。どちらにいらっしゃいますか?」
「入口から見て右手にいます!黒のリュック背負ってます!」
見つけた。スマホを見ながらキョロキョロしているあの子だ。全然おじさんじゃなかった。
私たちに背を向けた状態で、辺りを見回していた。
「後ろにいます」
と返信したら、彼が振り向いた。
顔を見た瞬間、吸い込まれるような感覚に陥った。
時が止まったかのようだった。
私はしばらく無言で彼を見つめることしかできなかった。
彼も彼で緊張していたのか、何も言葉を発することなく、オドオドしていた。
なんだこの時間は。
私たちの様子を見かねた夫が
「色々とグッズ作ってくれたみたいで。ありがとうございます」
と言ってくれた。
そこでフラッグ君は思い出したかのようにステッカーを取り出し、私にくれた。
「はい、どうぞ」
かわいい柄のジップロックに綺麗に入れられた、私の造語がプリントされたステッカー。
もらった瞬間、思わず顔が綻び、ワア〜!!!と言ってしまった。そのまま彼の顔を見た。
彼も笑っていた。かわいい笑顔だなと思った。
私もステッカーのお礼にと、ステラおばさんのクッキーを渡した。
「え、そんな、お菓子なんていいのに…でも、ありがとうございます」
と、戸惑いながらも受け取ってくれた。
その後、夫と試合を観ていてもぼーっとしてしまい、内容が全く頭に入ってこない。
試合中夫が何回も話しかけてきたようだが、一度も気付かなかった。
とにかくぼーっとする。おかしい。
どうやら私は、生まれて初めて一目惚れをしたらしかった。
続く
関係ないけど忘年会でサイゼ行った。間違い探し難しすぎて1時間かかった。
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