33歳人妻が16歳の少年に恋した話 50 フォロワー歓喜

帰宅。

身体が冷え切っていたので暖房を入れてこたつに入った。

ひとまず彼に連絡した。

「無事に家着いた?」
「ついた!」
「やってしまったね」
「はい(笑)へへへへへ初めて奪われちゃった(笑)」
「奪っちゃった(笑)へへへへへへへ」
「へへへへへへへ」

久しぶりにカップルみたいな浮かれたやりとりをした。幸せだった。

夫が帰宅する時間が迫っていたので、ひとまず夕飯の準備をすることにした。
彼との連絡は一旦中断。

夕飯を作りながらも、ずっと今日の彼のことを思い出していた。

柔らかい唇。嬉しそうな顔。ハグした時の身長差。鼻に残る彼の香り。彼が話してくれた将来のこと。

思い出してはひたすらぼーっとしてしまう。

ぼーっとしながらもなんとか夕飯を作り終えた後、スマホを見たら数件のLINEの通知が入っていた。

フォロワーたちだった。

既婚女性①「ちょっと!どうだったの?」
独身男性「まだ一緒にいたりして笑」
既婚女性②「早く話聞きたーい!チューしたかな」
既婚女性①「キャーーーーー」

また勝手に盛り上がっていた。

私が既読をつけた瞬間、

「既読ついた!!!!!」
「あのこちゃんキタ!!!!!」

と、フォロワーたちは興奮していた。

私「すみません、1時間ほど前に帰宅して夕飯作ってました」
独身男性「夕飯より先に報告やろ!!」
既婚女性①「そうだそうだー!!!」
既婚女性②「旦那さん帰って来ちゃうもんね、お疲れ様」

関係ないけど既婚女性②は結構優しい。

既婚女性①「どうだったの?」
私「楽しかったです」
独身男性「チューした?」

私「しました(笑)」

全員「キターーーーーーーーーーーーー」

案の定大盛り上がりだった。

既婚女性①「フラッグ君初めてでしょ?」

私「はい」

独身男性「ファーストキスキターーーーーー」

私「よかったのかな、ファーストキスの相手が私で」

独身男性「いいでしょ!好きなんだし」

既婚女性①「そうだよお互い合意の上なんだし」

私「そうかなあ」

既婚女性②「今テレビでやってた某音楽番組の録画見てて。いろんな人が恋愛ソング歌っててさ。
フラッグ君もこんな恋愛の真っ只中にいるんだなあって思ってなんか幸せな気持ちだよ」

私「既婚女性②さん…」

既婚女性②「なんか泣けてきた。フラッグ君、幸せだよ今きっと。いっぱい辛い思いしてきたと思うけど、好きな人と初めてできて、本当によかったなって」

既婚女性①「やめて、なんか私も泣けてくる」

独身男性「なんでだよ笑」

なんでかちょっと感動的な空気になってしまった。

既婚者であることや年齢差は一旦忘れて、彼の今の好きな人は私で、私の今の好きな人は彼で。
そんな2人が初めてキスをした。

その事実だけを見つめたら、確かに幸せなことなのだろうな。

襲ってくる罪悪感を今日は無視して、嬉しい気持ちに浸っていよう。
彼にとって今日は、好きな人と初めてを経験した幸せな日なのだから。

続く

関係ないけどチョコザップの特典でついてきたスマホスタンドが有能。これでお風呂中も楽しく動画が見られる。嬉しい。

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