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藤井五冠、研究が顔を出すか?

このところの豊島九段との王位タイトル戦第一、二局を観ていて思うのは、最近の角換わりの将棋は研究の精度が中終盤までに及び、いったん不利になると対局中に挽回するのが極めて難しくなっているのではないでしょうか。

つまり自らの研究範囲を外れたところを相手が研究していた場合、自力ではそれをカバー出来ないレベルまで精度が上がっていると。

これは研究精度が上がることで、逆に運の要素が高まっている?
事前研究の範囲とそれが当たるかどうか?が勝負を大きく左右しているような気がします。

また、対局中にその研究が当たっているかどうかは、考慮時間で判断出来ます。
最初に長考に入った棋士が概ね研究を外れた展開になっており、短時間で指し続けている棋士はまだ研究範囲にあると。

もちろん先手の方が研究で相手を誘導し易いが、最近は後手でも研究の精度が上がっています。
直近の例では昨日の竜王戦本戦稲葉八段対伊藤匠五段の一局がありました。
途中先手の伊藤五段は3時間超、一方後手の稲葉八段はわずか1分!とか。

この考慮時間の差はAIの評価値より正確に状況を伝えてくれるケースが多いようです。

但し、藤井五冠の場合は普段から惜しみなく考慮時間を注ぎ込むので、必ずしも対応に困って長考しているとは限りませんが・・・

2022年度可能対局数残:57局 7/16現在(段位、冠位、敬称略)

順位戦23年03月 08局○○○○○○○○(次 菅井竜也 未定)
棋聖戦22年07月 02局タイトル2○(次 永瀬拓矢 7/17)
王位戦22年08月 05局タイトル5○(次 豊島将之 7/20,21)
JT杯戦22年11月 03局本戦○○○(次 羽生or菅井 9/23)
竜王戦22年11月 07局タイトル7○
銀河戦22年12月 05局本戦○決勝トーナメント○○○○
王将戦23年02月   07局タイトル7○
朝日杯23年02月 04局本戦○○○○
NHK杯23年03月 05局本戦○○○○○(次 伊藤匠 未定)
棋王戦23年03月 11局本戦○○○○挑決2○タイトル5○(次 久保利明 未定)

合計 57局(トーナメント全勝、挑決とタイトル戦フルセット)

今期初可能対局数 78局

今期勝ち数計  8勝(勝率 0.727、振り駒勝率 0.400 2:3)
今期負け数計  3敗
今期喪失局数  8喪失(棋戦敗退による対局喪失)
今期早失局数  2早失(番勝負早期決着による対局喪失)

今期防衛・奪取・昇級棋戦:
叡王戦22年06月 叡王防衛 対出口若武 (今期3勝,2早失)

今期敗退棋戦:
王座戦22年10月 本戦1回戦●大橋貴洸×××タイトル5*×(今期1敗、8喪失)

今期対戦結果:
2022/04/28 ○ 出口若武 叡王戦 タイトル戦 1回戦(先手 相掛り)
2022/05/06 ● 大橋貴洸 王座戦 本戦 1回戦(後手 矢倉)
2022/05/15 ○ 出口若武 叡王戦 タイトル戦 2回戦(先手 相掛り:千日手指し直し局)
2022/05/24 ○ 出口若武 叡王戦 タイトル戦 3回戦(先手 相掛り)
2022/06/03 ● 永瀬拓矢 棋聖戦 タイトル戦 1回戦(先手 角換わり:千日手指し直し2局)
2022/06/15 ○ 永瀬拓矢 棋聖戦 タイトル戦 2回戦(後手 角換わり)
2022/06/22 ○ 佐藤康光 順位戦 A級 1回戦(先手 向い飛車)
2022/06/29 ● 豊島将之 王位戦 タイトル戦 1回戦(後手 角換わり)
2022/07/04 ○ 永瀬拓矢 棋聖戦 タイトル戦 3回戦(先手 角換わり)
2022/07/08 ○ 中川大輔 棋王戦 本戦 1回戦(後手 角換わり)
2022/07/14 ○ 豊島将之 王位戦 タイトル戦 2回戦(先手 角換わり)

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