勢いのある国を探す
とあるグラフ
上のグラフは、とある日本企業が公表している、海外における四半期ごとの販売個数推移を示したグラフです。
より正確には「1日あたり販売個数」で、販売個数÷期間日数で算出した数字だと思われます。
全体的な特徴として、1年ごとの周期が存在していることがよく出ています。
年間で最も大きくなるのは9月末(データ上は1四半期前までの集計なので、実際には4-6月期間)の数字で、
最も小さくなるのは3月末(同、前年10-12月期間)の数字であるようです。
増加している国
インドネシアは、右肩上がりに上昇しています。直近2四半期は勢いが落ちていますが、2021年12月期の数字(データ上は2021年7-9月期間)から一度も中国に抜かれることなく1位を保っています。
続いてフィリピン。こちらも概ね同様の右肩上がりで、2020年9月期(データ上は2020年4-6月期間)から韓国を抜き3位が続いています。今後もこの勢いが続いた場合、中国を超えて2位の位置に定着する可能性もあるでしょう。
そしてタイは、グラフで見ると横ばいですが、高い水準を保っています。
2015年3月期の数字(データ上は2014年10-12月期間)を基準とした場合、最新の数字は+8%で、じわじわと拡大していることがわかります。
減少している国
一方、顕著に減少している国もあります。わかりやすいのは中国です。
グラフの大半の期間で1位となっていましたが、前述の通りインドネシアに逆転され、その後も季節性の周期を考慮しても右肩下がりの状況が続いています。
中国よりも早い段階で減少が始まっているのが、韓国です。
グラフはほぼ全体にわたって右肩下がりで、2015年に3位だった順位も4位、5位とだんだん下がってきています。
現時点で見ればまだ大きなシェアではありますが、このまま続けば重要度は時間とともにますます下がっていくことでしょう。
別のグラフ
上のグラフは、2015.03の数字を基準にした増減グラフです。
突出しているピンク色の線は、前のグラフでは下の方に埋もれていた国の数字です。この国はどこでしょうか?
この国は、ベトナムです。
このグラフは8年間分の数値変化を見ているわけですが、1日あたりの販売個数は実に5倍に成長しています。その勢いは、他国では衰えが見えた直近2四半期でさえも、順調に伸び続けているようです。
さいごに
東アジアの消費が減退し、東南アジアに旺盛な需要が起きている。
とある一社の商品販売実績を見るだけでも、こうも世界の変化を垣間見ることができるのは、なかなか面白いですね。
他にも様々な商品の売上動向を調べてみて比較してみるのもいいかもしれません。通貨ベースでもいいですが、個数で見た方がより実態に近くなるかと思います。
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