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サイコロきっぷの可能性と 使って感じた課題

サイコロきっぷ“使った”人には好評だった

 以前どんこめは、YouTube でサイコロきっぷに関するアンケートを実施しました。質問したのは「知っているか?使ったか?良かったか?」です。
 それによると、使った人の3人に2人は「良かった」という回答をしており、実際に使った人には好評だったようです。
 ところが実際に使わなかった人では、2人に1人が「良くない」と答えていました。更にはなんと、全体の回答の半分くらいの人が「知らない」と回答。やはり全国的にはサイコロきっぷの存在その物を知らない人の方が多かったようです。

サイコロきっぷとは?

 先に、サイコロきっぷについて振り返っておきましょう。
 サイコロきっぷとは、JR西日本が2022年7月に発売した企画乗車券です。
アプリのサイコロによってランダムに目的地が決定される代わりに、大阪からの往復5,000円で特急(目的地によっては新幹線もOK)が利用できるという、超破格の安売りきっぷです。
 どの目的地が出ても定価より45%以上、最大82%割引というまさに破格でしたから、大阪以外からの利用でも十分安さを感じられる値段設定となっていました。

 その後、広島発のサイコロきっぷも9月から発売されています。
※どちらも現在はエントリー期間が終了しています、ご了承ください。

実際に使ってみた

 かくいうどんこめも、10月頭に実際にサイコロきっぷを使い、東舞鶴までの旅行をして参りました。この旅行は急遽決まったもので、前日までに別の用事で大阪に来ていたことが使ってみるきっかけとなりました。
 正直に申し上げれば、関東在住のどんこめにとって舞鶴はかなり行きづらい場所で、興味はあってもなかなか行く気になれない場所でした。今回のようなきっかけがなければ、まず行く機会の無かった所だったかもしれません。

特急きのさき号。特急まいづる号はきのさき号と綾部まで連結運転する。サイコロきっぷは経路上なら途中駅からの乗車も可能。(途中下車は指定駅以外では切符が回収される)

 旅行の行程は、京都→東舞鶴(きのさき号、綾部乗換)、
東舞鶴駅から赤レンガパーク周辺、バスに乗って西舞鶴駅、
そこから帰りに特急まいづる号に乗車、といった感じでした。 
 行きは近鉄の観光特急「あをによし」に乗ったので、京都からの途中乗車となりましたが、問題無く自動改札は通れました。経路上ならOKのようです。(ただし東舞鶴の場合は、新幹線の京都~新大阪、およびサンダーバードなどの京都~大阪間利用はできません)

 行きのきのさき号も、帰りのまいづる号もかなり混雑していました。特に帰りのまいづる号はほぼ満席だったようで、西舞鶴駅から乗車した際のホームはとても混雑していました。
 おそらく皆さん、サイコロきっぷ利用者だったでしょうから、相当利用者を増やす効果はあったのではないかと思います。(舞鶴港の観光船のガイドも同じようなことを言っていました)

サイコロきっぷで感じた課題

・最初から結構手間がかかる

 ここからは、実際に感じた課題点を述べていきます。まず利用開始前ですが、ここからちょっと不安になるようなことがありました。
 まず、利用には特定のスマホアプリ(WESTER)をインストールすることが必須になっており、人によってはこれだけで結構つまづくのではないかと思いました。
 また、どんこめはもっぱらスマホよりiPadを使う人間なのですが、iPadにインストールすると一部の動作がおかしくなるらしく、結局スマホにもアプリを入れるという二度手間になってしまいました。まあ、そこは買えたので問題は無かったです…。

 そして次に、J-WEST会員になる必要があります。どんこめは元々会員だったのですが、しばらくJR西日本エリアに行ってなかったので有効期限が切れていたようで、再登録しなければなりませんでした。
 どんこめですらこういった手間がかかったので、ネット慣れしていない高齢者の方などにとっては、なかなか時間もかかって煩わしく感じるのでは、という気もしました。まあ同時に6人分まで購入できるので、同一行程なら誰か代表1人が買えば良いのですが・・・。

 そしてサイコロきっぷは、
 「エントリー」
→「サイコロを振る」
→「最大約10日間待つ」
→「指定席を確保する」
→「発券する」

という行程があるわけなのですが、ご覧の通りまだ最初の「エントリー」の部分しか説明していません。この時点でこれだけの文章量なのですから、結構準備だけで手間がかかる、ということを強調しておきたいと思います。(まあ、ある程度JR西日本をよく使う人にとっては問題ないことだとは思いますが)

・最大10日間待つ

 これが結構謎なのですが、どんこめが1番舐めていて焦った部分でもあります。
 エントリーをしてアプリでサイコロを振り、目的地が決まった後に、待期期間が最大10日間発生します。つまり、確実に当日利用は不可能な切符なのです。ここはもう少し告知の時点で強調しておいた方がよかったように思います。
 どんこめの場合、ちょうど7日間待ちました。前述のiPadの問題があったので、そもそもちゃんとエントリーできてるかさえ不安な7日間を過ごすことになりました。旅行開始予定日も10日前ギリギリぐらいだったので、最低でも2週間前にはエントリー済ませておいた方がよさそうなように感じました。

 これは結構トラブルの種かもしれませんね。
 更にややこしいのが、購入時は実際の利用日ではなく、実際のエントリー日(つまり申込当日)で購入する必要があります。実際の利用日は購入可能になってから期間内で自由に選択できますが、この辺も不安になる要素でしょう。
 目的地によっては、その間に指定席が埋まってしまったりする可能性もあると思うので、それに応じた増結・増発もやってほしいなあと感じました。  
 特に今回行った舞鶴に関しては直通列車が少なく、きのさき号との増結運転をしていることもあって、それは強く感じました。

・発券しない方が便利だが、チケットレスではない

 サイコロきっぷは一見スマホ1つで完結しそうな切符ですが、最後に発券しないと使うことができません。頑張ればチケットレス化もできそうなのですが、ちょっと惜しい所です。
 予約の変更も発券前であれば何度も変更できるのですが、逆に発券後に変更したい場合は、1回限りで変更は可能ですが、みどりの窓口・駅員に申し込む必要があります。つまり、ギリギリまで発券しない方が便利な切符なのです。

 自分は最近、JR東日本のエリアでみどりの窓口縮小に伴う混雑の話を知っていたので、なるべく事前に発券しておきたいという気持ちもありました。更には、サイコロきっぷエリア内とはいえ、地方駅に出向くので指定席券売機やみどりの窓口が無い可能性もあり、あってもやはり行列になって発券できない事態は避けたいと思っていました。
 しかし実際には、自分がその混雑の原因を作る事態になってしまいました。その時の話をしたいと思います。

西舞鶴駅であった出来事

 自分は東舞鶴駅18:36発まいづる14号の指定席を持っていたのですが、散策するうちに西舞鶴駅まで来ていたこともあり、1本前の西舞鶴16:36発の12号に乗りたいなと考えて居ました。その時点で発車の20分ほど前でした。
 結論から言うと、指定席変更はできました。が、結構なドタバタでした。

 まず西舞鶴駅にみどりの窓口は無く、みどりの券売機ぷらす(指定席券売機)だけがありました。それも1台だけです。ということは券売機に読み込ませれば指定席変更できるのか、と思ったのですが、手続きには通話する必要がありました。

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