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エイプリルフールネタで幸せを

毎年4月1日の数日前からそわそわする。今年はどんなウソをSNSで投稿するか、ひとりブレストが始まるのである。エイプリルフールにつくウソには、ボクの中に理想形があって、ホントかウソかが最後までよくわからないんだけど、なんかドキドキしてワクワクするというが一番良い。それは、上等な推理小説を読む感覚に近い。そして、最後は「だまされてあっぱれ!」と思ってもらえるのがサイコーなのである。読み手が幸せな気分になることは、何より大切なことなのだ。

ウソの物語を作ることは容易いけれど、そういう条件を満たした物語を作るのはそう簡単ではない。「〇〇が死んだ」などは言語同断だし、「起業しました」や「本を出版しました」というサクセスものも最初は「スゴい!おめでとう」の気持ちが起きるんだけど、ウソだとわかったときの落差というか、《だまされた》感が半端ないこともある。このあたりの受け取り方は、千差万別なのだけれど、《裏切られた》感ではなく、《一本取られた~》感を残したいのである。

今年のネタ

例えば、今年(2022年)のfacebook投稿はこんな感じである。いくつか用意したネタのうち、結局これに決めた。

ドンハママのイメージ写真

【2022.4.1宣言】訳あって、この夏ドンハママとしてデビューします。お酒の作り方ひとつわからぬド素人ですが、新たな自分へのチャレンジです。雇ってくださるお店(業態不問)があると良いのですが…。本日に限り、絶賛募集いたします。ご検討いただける方、コメント欄に業態と条件をお願いしますm(__)m
《ママのできること》
・暗算(5ケタまで)
・リンゴの皮むき
・絵本のパフォーマンス読み

ウソのさじ加減

ポイントとしては、ドンハマ★ならありえるかもと思ってもらえそうなおもしろ系ネタであること。そして、今回は、早い段階で、エイプリルフールネタだとわかってもらえるようにさじ加減をしたくて、例えば、写真にApril Fool’s Dayの文字をいれたり、【2022.4.1宣言】「業態不問」「本日に限り絶賛募集」などヒントをちりばめる。ただ「今日はエイプリルフールです」とはっきり文章で書くのは無粋な気もして、その塩梅が結構難しいのである。

さて、今年の出来は、どうだったか?
Facebookの反応などを見るとそこそこ喜んでいただけたようなので、自分としては、まあ合格点でしょうか。

しかし、コロナやら、戦争やら、なんやかんやら、世の中ウソだらけじゃないかと猜疑心が渦巻くムードにあって、エイプリルフールのウソのさじ加減はなかなかにデリケートな問題だと思う。ともすれば、いとも簡単に人々を嫌~な気にさせ、不幸な気分を増殖させてしまうからだ。だから今回は、早めにエイプリルフールネタですよ、だから楽しんでね~という構成にしたい自分がいたんだと思う。

ウソから出た真

数年前、自分の主宰する絵本プロジェクトを法人化するというエイプリルフールネタを出した。これだけだと真に受ける方が多過ぎると思い、社長はイベント参加者から抽選で選びますと書いた。明らかにウソですよ~と伝えたつもりだったのだが、「このウソっぽい話、本当だったらうれしい~」みたいな反応が強く感じ取れたのだった。

そこで、私は、このネタを実現しようと考え、社長選びの抽選をイベントで本当にやったのだ。社長希望者が次々とチャレンジする中、ハズレくじが続き、これ本当にアタリはあるの?というムードになったとき、イベント初参加の若い女性が見事アタリくじを引いたのだった。それが『しゃんみ社長』誕生の瞬間だった。彼女に「社長になったのだから、これからもプロジェクトに参加してくれますか」とおそるおそる訊いてみたら、OKしてくれて、運営チームに加わってくれたのは、奇跡のような流れだった。彼女が『社長』を退任するまでの約2年は、絵本プロジェクトの最盛期でもあったと思う。

さて今年のネタ『ドンハママ』は、「ウソから出た真」になるのだろうか?それは神のみぞ知ることだが、そうなれば実に愉快な話ではないかと皮算用する私がすでにいる。

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