『お店をする』=クラウドファンディングになっていたという気づきと、これからの生き方
僕はクラウドファンディングはとても素晴らしいテクノロジーとアイデアだと思ってます。(※クラウドファンディングって何?って人は、まずはこちらを参考にどうぞhttps://furien.jp/columns/173/#1)
個人が、自らの夢を、理想を叶えるために、共感してくれる人達から資金を募りそれを実現する。
インターネット、そしてSNSの発展によって横に繋がりやすくなった、ピースフルな新しい社会の一つの象徴だと捉えています。
しかしながら、これまでは僕自身クラウドファンディングには興味はあっても、「自分がやろう」という気持ちが一切ありませんでした。
「なぜやろうと思わないのか?」、もしかしたら自分はまだクラウドファンディングの本当の魅力や利点に気づいてなくて、「知ればやる気になるかも?」とも思っていました。
まずはクラウドファンディングを知るために
そこで少し前のことですが、ビジネス系セミナーのイベントで『クラウドファンディング』についての話を聞きに行ったことがありました。
某クラウドファンディングのサービス会社の社員さんと、ファンディング成功者の方が実体験をもとに成功へのプロセス(裏話含め)をお話くださるという、とても刺激的で面白いトークイベントで、楽しく拝聴しておりました。
そんな中、トークを聞いている途中から「あれ?これってもう既に自分も始めてることじゃないのか?」という考えが頭の中に浮かんできました。
それは、クラウドファンディングの『資金援助以外』にある本当のメリット
『覚悟決め』
『仲間集め』
に話が及んだときでした。
お金だけが目的じゃない、本当のメリット
メモを取っていたわけではないので、記憶だけを頼りにそれぞれの要点を挙げると、
『覚悟決め』
クラウドファンディングで世界中の人たちに自分のやりたいこと、成し遂げたいことの意思表明をし、「絶対に途中で辞められない」という状況が生まれる。必然的に覚悟を決める必要がある。
『仲間集め』
自分の考えに共感し、応援してくれる人たちと出会える。プロジェクトへのリターン報酬のやり取りのみに終わらず、プロジェクトを継続していく上での心強いサポーターとなる。
大体このような内容であったと記憶しています。
クラウドファンディングは、資金集めそれ自体が目的ではなく、手段の一つであって、本来達成したいことがある。それならば達成したいことに対して、金銭面以外でも応援してくれる人、ともに動いてくれる仲間は、お金以上に価値ある存在と考えられます。
そしてこれは僕がお店を始めるにあたって意識していた大きな要素で、正直お金よりも絶対に大事で不可欠なことと思っていました。
そう、僕は『覚悟決め』と『仲間集め』をするためにお店を始めたようなものなんです。
偶然お店の近所の知人がその会場に居合わせていまして、イベント終了後に思ったことをそのまま喋ったのですが、「そうだと思いますよ」とすぐに同意が返ってきたので、「やっぱりそうなんだ」と自分のやっていることがひとつ腑に落ちた経験がありました。
腑に落ちたこと、それはつまり
お店を運営する=クラウドファンディング
になっていたということ。
徐々に形を成していく財産
『豊かな暮らし』を目指し、実店舗『Dongreeコーヒースタンドと暮らしの道具店』を始めて3年目。
近所のおばあちゃんに「石の上にも三年や」と励まされ、差し入れの素麺をすすりながらも、どうにかこうにか続けてこれました。
『Dongree』という名前には、20種類以上の樹木の実である「どんぐり」と同じく、自然界の多様性をヒントに、人間社会もまた多様性の集合体であるということ、どんぐり拾いのように『暮らしを自ら楽しもうよ』というメッセージを込めてます。
そしてそのメッセージ(Dongree)に集う人たちと共に、豊かな暮らし実現していく。
「豊かな暮らしってどんなんだろう・・・?今はまだ僕もわからないけれど、とりあえずやってみるから応援してもえますか?」
これが、お店を続けてきた僕の基本的なモチベーションです。
そうしてお店に立ち続けていることで、日々コーヒーを飲みにきてくれる人、展示会中に作家さんに会いに来る人、商品を買いに来る人、そしてイベントを手伝ってくれる人、年齢も仕事も色々、それこそ暮らし方が様々な人達が、お店に足を運んでくれるようになりました。
一杯のコーヒー代も、作家さんや色んなお店の人との出会いも、お客さんとの関係も、全て等しくDongreeの生きる糧となってきました。
ありがたい。本当にありがたい。
正直まだまだ金銭的にはとても苦しい思いはしていますが、確実に財産は増えてきていると信じています。
クラウドファンディング的に生きる世界
今、お金に対する価値観や考え方にも多様性が生まれてきている世の中では、一人一人が目指したいものを素直に目指せる土壌が、確実に広がってきていると感じています。
以前、僕が本格的に独立を目指し始めた頃、「金持ち父さん貧乏父さん」という1冊の本に出会いました。独立するためには資金が絶対に必要だと思っていた僕には、目から鱗の内容でした。本当の財産は銀行の口座の中にあるのではなく、自分自身の頭の中にある創造力であることを、この本から学びました。
そしてこの本の中で、「お金がないことへの恐怖から、人は動けなくなる」という一言が出てくるのですが、なるほどと思った僕は「そしたらお金がなくても理想を掲げて動いてやる!」と自ら綱渡りの暮らしに足を踏み入れました。そして綱渡りながらも「生きてこれた」という事実は、何かある気がしています。
お金が全ての価値基準であればDongreeも僕も、とうにこの世からいなくなっていることでしょう笑
僕は今、世界は確かに変わってきている、と実感してます。
何が変わってきている?
世界中で起きている貧困と格差社会の拡大?
スマホとSNSによるコミュニケーションの変化?
地球温暖化や地殻変動による異常気象・災害の頻発?
最近感じられる『世界の大きな変化』は、これらのようなニュースになるようなものが挙げられるかもしれませんが、もっとミニマムに考えて、『小さな変化』が無数に生まれている気がしています。
それは僕のような名もなき一人一人が声を上げ、理想を実現するための可能性であり、そしてその一人一人が世界を変えていく可能性。
今感じている世界の変化とは、一人一人の想いが具体的な形になってきているからなんじゃないだろうかと思ってます。
自分のお店を持つ事もその一つだし、YouTuberとしてみんなに自分の趣味を公開して生計を立てるのも一つ。
生まれ育った地元に貢献するイベントをクラウドファンディングで興すのもいいし、本気で映画が作りたい素人が資金集めもできる。
インフルエンサーと呼ばれる一般人(いずれこの表現も死語になると思ってますが)が入りみだれるインスタグラムもまた面白い。旧メディア(テレビ・新聞・ラジオ)では名前も顔も上がらなかったような人たちが活躍し、SNSを介して個人のリアルな繋がりも逆に濃密になってきてる。
一人一人の意思や行動が、すぐに世界と繋がるようになったからこその、無数の小さな変化による大きな波が、今の世の中を動かすようになってきているというのが、僕の感じている世界の変化です。余談ではありますが、コーヒーシーンにおける『サードウェーブ』というムーブメントも、その変化の一つです。
そして僕は、変化そのものに良し悪しは無いと思っています。
変えていける事実を前に、「自分はどうしたいか?」を常に問いかけ、無理のない生き方を目指すことこそが、これからのスタンダードになるのではないかと考えてます。
僕はこれからも「豊かな暮らしをみんなと一緒に」と愚直に伝え、動き続けることで生きていきます。まだ無理して動いているところも多々あるけれど、いずれ無理をしない生き方に辿り着けると信じています。
そしてその無理をしない生き方を、Dongreeに集ってくれる仲間たちや、まだ見ぬ友人、また、これから立ち上がる人たちと共に分かち合いたいと心から願っています。
これを読んでくれている貴方ももちろんその1人です。
ご拝読ありがとうございました。
Dongree 柴崎 友佑
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