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スナップショット。

パシャリ。軽快な音と同時に、日常が切り取られる。そうすることで、意味が追いかけてくる。流れゆく日常の一つ一つに意味が付随してきたら、我々の脳味噌はぐったりと曇り続きの向日葵みたいに萎れてしまうだろう。

少年はスマートフォンを手にしてから、積み重ねたら城が建ってしまいそうなくらい写真を取り続けていた。データ上で管理されるゆえ、その膨大な量に気づくことが出来なかった。少年にとって、パシャリというあの音がシンフォニーのように響き渡っていたのだ。

あなたにも考えて見てほしい。流れゆく日常の全ての動作や風景に意味が付随してくることを。スポンジも、川に投げ入れてしまえばその働きを全うすることができない。スナップショット。

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