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【VRChat】たった1ヶ月でITブートキャンプを立ち上げ?!舞台の裏側を公開します!!(中編)


はじめに

本記事は前編をベースに話を進めています。まだ前編の内容を読まれていない方は、ぜひとも伴わせてお読みください!



TL;DR

  1. 説明会を実施し、参加フォームへの入力を促す

  2. タスクの洗い出しと生産体制を確立し、ものが生みだされる組織を作る

  3. Discordサーバ-を作成して、生徒さんを呼び込もう



ITIB2024の裏側(中編)

顧客への2度目の提案

「鉄は熱いうちに打て」と言われますが、1度目の提案から間を空けずにさっさとポストを流します。補足ですが、これまで紹介してきたデザインと、これから紹介するデザインはすべてFigmaというデザインツールを使用しています。PhotoshopやIllustratorなどもありますが個人的にはFigmaが最もおすすめです。

どねのツイート

VRChatでのイベントなので、宣材としてのポスターを以下のように用意しましょう。

ITIB2024の説明会で使用したポスター

前編で作成したイメージボードからのトンマナ(デザインやスタイル、文言などに一貫性をもたせるルールのこと)を意識して、ポスターを作成しました。また、ポスターを仕上げる前に一度ラフデザインを作成しておくことで仕上げまでを加速させることができます。ラフデザインにおいては、おおまかにどのようなレイアウトでどこに何を配置して全体の構造を作るかという部分だけでOKです。

ポスターのためのラフデザイン

また、この時点でロゴも作成しました。ITIBを横に並べただけのシンプルなデザインですが、これもトンマナを意識してシャープにしました。

ITIB2024のロゴ

そして当たり前ですが、説明会のための資料を作成しましたので、参考までにご確認ください。

特筆すべき部分としては、元々「1つの日程で4人くらいの生徒に3日間みっちりやれればいいな~」くらいに思ってたところを「A日程、B日程の2つの日程で6名ずつ応募する」という形で応募できる生徒の枠を増やしたところでしょうか。思った以上にリポストされ、ブックマークもついていたので完全に調子に乗りました。この応募人数と日程はノリと勢いで決めてます。これらは絶対に慎重に決めましょう(戒め)

余談はここまでにして、以下に説明会資料の構成をまとめます。
1. 表紙
2. 目次
3. 自己紹介
4. 背景と目的
5. 概要
6. メリット・デメリット
7. 学習方法と教材
8. 参加フォーム
9. Q&A
おそらくですが、頭から説明しても20-30分くらいで終わる内容です。それ以上話すと飽きちゃうので、60分の説明会のうち説明 20分: Q&A 40分か、もしくはそれぞれ30分: 30分の割合でよいかなと思います。ちなみに、この時点でもどんなカリキュラムにしようかみたいのは固まってないです。

また、説明会資料の中では参加フォームをQRコードとして設置していますが、現在回答は不可能です。なので、「どのような質問、内容を参加フォームに入力してもらったのか」をPDFファイルとしてお渡しします。

特に、重要な部分を挙げるとするなら、プライバシーポリシーでしょうか。おそらくこの部分をちゃんと書いてるイベントは多くありません。しかし、個人情報を集める場合は、たとえSNSのアカウント情報であっても責任を明確にする意味で載せるようにしましょう。

結果、2024年1月18日時点ではX(旧Twitter)のポストについて69リポスト115いいね17ブックマークのなかで、ITIB2024には20名弱の方に説明会にお越しいただき、最終的に11名の生徒さんが参加されました。

そもそも『なんでこんなコンバージョン率(訪問したユーザーがどれだけ成果としている目的行動をしてくれたかを測る指標)が高いんだろう?』という疑問を抱きます。

おそらくですが、「ちゃんと刺したいターゲットに深く訴求できた」という1点に限ると思います。つまり、「ITインフラの基礎を一気に学ぶ」という価値をベースにデザインしてきて、それらのニーズに対してちゃんとぶっ刺さったということです。もしくは、説明会資料を読めば分かりますが、プログラムの充実度とそれがまさか無料であるという部分も魅力的だったのかもしれません。その意味では「どうして無料でやるんですか?」みたいな質問を説明会でいただきましたね。そこは、すごくどうでもいい個人的な話なので、もし知りたかったらVRChatでもDMでもいいので直接聞きに来てください。


協力の要請とサーバーの作成

いきなりですが、正直ぼくは全体の見積りが甘かったと言わざるをなかったです。最初は自分ひとりでできるもんだと思ってました。反省なのですが、この時点でゴールを見通して、逆算からタスクを洗い出しておくべきです。タスクの洗い出しをする前から、手を動かしている(そもそも手を動かす前にタスクを洗い出すのが基本!)最中で途中からなんとなく「こりゃ無理だ」という確信を得たので、すでにお声がけいただいていたITインフラ集会のメンバーにご協力いただきました。

本来であれば、「生産体制」を強く意識するべきです。ここでいう「生産体制」というのは「組織的にものが生まれる体制、仕組み」のことです。そのためには「誰がどのような役割を担うのか」が分かっている必要があります。そして、そのためにはおおまかなタスクを洗い出しておく必要があります。頭の中ではなく、ちゃんと書き出しておかなければなりません。粒度は大きくていいので、まずはタスクの洗い出しを行い、それらのタスクの担当を考え、そこに見合った役割を見出し、そこに人を割り当てるイメージです。

たとえば、「教材テキストの作成」といった比較的大きな粒度のタスクがあれば、以下のようなタスクが考えられます。
1. 構成の作成
2. 構成のレビュー
3. スライドの作成
4. スライドのレビュー
このような場合、教材の作成者とレビュワーの2人の担当・役割が考えられます。これをゴール到達までの粒度の大きなタスクを洗い出して、それをもとに洗い出したタスクをさらに粒度を下げて洗い出していくなかで、タスクのグループ化をしながら必要な役割を見出し、そこに具体的な個人を割り当てるということです。(後編でタスクの一覧シートを公開します)

ITインフラ集会のメンバーに協力していただくことを要請した後に、ちゃんとDiscordサーバを立てました。頭では「自分でやろう」という気概だった(そもそもこの気概自体が間違いです)ので、このサーバ設立と生産体制の構築が遅れてしまったことは反省しなければいけません。

まずは基本に忠実に、イベントの目指すべき形や理想、ゴールを描いたドキュメントを用意し、さらに全体の計画表、タスク一覧シートと組織図を用意しましょう。そのうえで、参加してくれるメンバーにドキュメントを一つひとつ対面で説明し、理解および同意してもらう手筈を踏む方がよいです。かならず参加メンバーには「言われたからやる」ではなく「やりたいからやる」に意識をシフトしてもらう必要があります。明確に「私にはあなたが必要です」という意思とともに伝えましょう。
こうでもしない限り、参加メンバーのコミットメント(出力)が安定せず、生産体制として脆弱な形になってしまい、結果的に自分の首を絞めることになるからです。そのうえで、かりに協力してくれる参加メンバーのコミットメントを引き出せないとしたら、それはイベントを主導するリーダーの問題です。これは決して人のせいにしてはいけません。


生徒さんのサーバーへの招待

ここで話す内容については、あくまでITIB2024の例として捉えて、理解してください。説明会に参加し、参加フォームに入力していただいた生徒さんには、Discordへ参加していただく必要があります。このためにどのような準備が必要なのでしょうか。以下に、4つ取り挙げます。
1. 運営スタッフのロールの割り当て
2. 生徒さんロールの割り当てる仕組みづくり
3. カテゴリ・チャンネルの作成
4. 招待用スクリプトの作成

それぞれについて詳しく見ていこうと思います。
運営スタッフへのロールの割り当てには、スタッフ同士でプライベートチャンネルでやり取りするために必要です。
ITIB2024の場合、『生徒さん』と『A日程』もしくは『B日程』という2種類のロールを生徒に割り当てることにしました。それぞれ「生徒全員には見てほしいチャンネル」と「A日程とB日程で分かれてほしいチャンネル」を作成したためです。この辺の設定はどのような講座を作るかによって変わります。

ロールの割り当てについては、ノウハウとしてCarl-botを導入することをすすめます。Carl-botはDiscordにおいて、チャンネルの任意の投稿へのリアクションをもとにロールの割り当てを行うことができます。

ITIB2024で用意したCarl-bot のダッシュボード画面
ITIB2024のリアクションロールの一覧画面

最初に訪問した際に、誰でも見られる『挨拶と規則』チャンネルにおいては「ITIB2024における禁則事項」や「楽しむための心得」などを理解、同意してもらいます。下記の場合、「👍」というリアクションをすると『生徒さん』ロールが付与されます。

『挨拶と規則』チャンネルにおけるCarl-bot

『生徒さん』ロールが付与されたユーザーに関しては、今度『日程分け』チャンネルの閲覧権限が付与されます。このチャンネルで「🐱」のリアクションなら『A日程』、「🦊」のリアクションならと『B日程』のロールにそれぞれ振り分けられます。

『日程分け』チャンネルにおけるCarl-bot

最終的に作成されたカテゴリ名と権限は、以下の通りです。
ウェルカムボード: 生徒さんなら全部見れる
ALL OF YOU: 生徒さんなら全部見れる
講座に必要なもの: 生徒さんなら全部見れる
A日程: A日程の生徒さんなら見れる
B日程: B日程の生徒さんなら見れる
運営: 運営スタッフだけが見れる

ITIB2024のカテゴリ一覧と一部のチャンネル

カテゴリのうち『A日程』と『B日程』のチャンネルについて、(個人情報を含むため)それぞれ例としてはお示しすることが困難なためフレームだけ紹介させてください。それぞれの上から順にチャンネル名と目的を以下に示します。
全体連絡: それぞれの日程で主に生徒に向けて連絡するチャンネル
出欠連絡: 生徒が欠席等をする場合に使用するチャンネル
個別: 例えばaさん、bさん、cさんがメモのために使うチャンネル
tmp: 用途を問わない、なんでもござれチャンネル
全体ボイチャ: 講座に使いそれぞれのボイチャに振り分けるチャンネル
ボイチャ01, …: 生徒がチームごとに分かれて使用するチャンネル

ITIB2024のA日程、B日程で使用したチャンネルのフレーム

そして、『運営』カテゴリのチャンネルについては、基本的にコントロールが可能なので、これもあくまで一例として捉えてほしいですが、あえて画像は載せずチャンネル名と目的だけそのフレームを以下に示します。
タスク: 運営スタッフに指示するチャンネル
レビュー(構成): 各講座の構成をレビューしてもらうためのチャンネル
レビュー(テキスト): 上記同様、テキストをレビューしてもらうチャンネル
レビュー(スライド): 上記同様、スライドをレビューしてもらうチャンネル
レビュー(ハンズオン): 上記同様、ハンズオンをレビューしてもらうチャンネル
個別: 運営スタッフ個人がメモのために使うチャンネル
連絡事項: 基本はここでやりとりしたいチャンネル
tmp: 用途を問わない、なんでもござれチャンネル
ミーティング: 打ち合わせで使うボイスチャンネル
配信テスト: 全体ボイチャの代替。テストで運営が利用するチャンネル。
このうち、レビュー(テキスト)、レビュー(スライド)、レビュー(ハンズオン)、個別、連絡事項、ミーティングのチャンネルは機能してなかったので不要だったのかもしれません。なので、これらは改善の余地があります。ただし、レビュー用のチャンネルは後編でお話ししますが、単純に時間的余力が足らずにそのようなレビューを飛ばしたという経緯が隠れているため完全に不要とまでは言い切ることができません。

そして、生徒さんへの招待用のスクリプトの作成については以下のような形で文章をスタッフに作成していただき、それを生徒さんへ配布しました。

初めまして、[置換: 生徒さんの名前]さんこんにちは! 『IT Infrastructure Bootcamp 2024』(以下、ITIB2024)のスタッフの[置換: スタッフ名]です。 この度は、ITIB2024 にご参加いただけることを大変嬉しく思います。[置換: 生徒さんの名前]には、「[置換: A日程 or B日程]」でご参加いただくことになりました。 まず初めに、ITIB2024の公式Discordサーバーへのご参加をお願いします。以下のリンクをクリックしてサーバーにアクセスし、参加手続きを行ってください。 Discordサーバー参加リンク or https://discord.gg/SBMbuSG2 (招待期限 12/24 23:59) サーバーに参加されましたら、「挨拶と規則」チャンネルをご覧いただき、そちらで必要な情報をご確認ください。また、「挨拶と規則」チャンネル内でのリアクションをお願いします。 次に、「日程分け」チャンネルにて、参加予定の日程([置換: A日程 or B日程])にリアクションをしてください。リアクション後、自動でロールが割り当てられます。「生徒さん」と「[置換: A日程 or B日程]」の2つのロールが付与されていることをご確認ください。 最後に、「自己紹介」チャンネルにて、簡単な自己紹介をお願いします。他の参加者とのコミュニケーションのきっかけとなりますので、ぜひご協力ください。 なお、これらの手続きは、12月24日 23:59までに完了していただくようお願いします。期限内に手続きが完了していない場合、イベントへの参加資格を失う可能性がありますので、ご注意ください。 もし何かご不明点やご質問があれば、お気軽に[置換: スタッフ名]までにお問い合わせください。[置換: 生徒さんの名前]さんのご参加を心より楽しみにしております。 よろしくお願いします。

ITIB2024のDiscordより

置換が必要な部分については、スタッフごと、生徒さんごとにスクリプトを書き換えてもらう形です。どの生徒がDiscordサーバに参加したのかを毎日見返すようにして、進捗を把握してもらっていました。

ちなみに、このスクリプトを送るために事前にどの生徒がどの日程に参加するのかを参加フォームの内容をもとに振り分けていました。


運営スタッフ用のメールアドレスの配布

一応、補足させていただければ、と。

意外かもしれませんが、今回ITIB2024のためにメールサーバと運営スタッフのためのメールアカウントを作成し、それぞれスタッフに配布しました。ぼくはすでにXServerと契約していたので、契約しているドメインで一時的なメールアカウントを複数作成して、運営スタッフに渡しました。

というのも、ITIB2024においては、Notionでドキュメントを管理していましたが、このドキュメントへの限定公開をメールアドレス指定で行うためで、既存で利用されているGmailなどのメールアカウントなどを利用してもらいたくなかった(そして、ぼくもスタッフのメールアドレス情報を持ちたくない)という経緯があるからです。

メールサーバを利用できるレンタルサーバーであれば何でもいいと思いますし、もしくはチームで利用するGmailアカウントを自ら作成して配布するといった場合でも問題ないと思います。



おわりに

5000文字を越えたので、中編としてはここまでします。次は、ドキドキハラハラの後編です。語りたいことがたくさんありすぎて、もしかしたら5000字じゃ足りないかもしれません。あなたのスキやシェアが、めちゃくちゃ励みになるので、よろしくお願いします!!


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