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2020年3月の記事一覧

『ハングルへの旅』(茨木のり子)読了

ハン・ガン氏の흰(すべての白いものたちの)を読んでから、私はハングルに興味を持つようになり、その"感覚"を掴みたいと今年から細々と学んでいる。 とはいえ、たった数ヶ月で劇的に進歩できるほど外国語の学びは甘くなく、ハングルを何とか音として読め、たまにわかる単語がある程度で、文を作る・話をするなどはまだ程遠いところにいる。 そんな中でたどり着いた本著は、50代にしてハングルを学びはじめた茨木のり子氏のエッセーである。さすがは詩人、ときどきハングルを使いながらも文字の歴史、国の歴

デミアン (抜粋)

8 「すべての人間は、彼自身であるばかりでなく、一度きりの、まったく特殊な、だれの場合にも世界のさまざまな現象が、ただ一度だけ二度とはないしかたで交錯するところの、重要な、顕著な点なのだ。だから、すべての人間の物語は、重要で不滅で神聖なのだ」 9 「すべての人間の生活は、自己自身への道であり、一つの道の試みであり、一つのささやかな道の暗示である。どんな人もかつて完全に彼自身ではなかった。しかし、めいめい自分自身になろうと努めている。ある人はもうろうと、ある人はより明るく

アルケミスト (抜粋)

20 「人生で簡単に見えるものが、実は最も非凡なんだよ。賢い人間だけがそれを理解できるのさ。」 24 「人は自分の運命を選ぶことはできない、と言ってるのだよ。そして最後に、誰もが世界最大のうそを信じている、と言っている」 「世界最大のうそって何ですか?」 「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ」 28 「つまり、おまえが誰であろうと、何をし