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「女」って何?


最近、「anone,」というセクシュアリティ分析サービスで自分のセクシュアリティを分析してみた。

今回は2回目で、前回は今年の1月。

60-70問くらいの質問(選択式)に答えると、こころの性・恋愛指向・性的指向・表現したい性の4項目で結果が出る。各項目に解説が付いていて、解説の中には他のセクシュアリティについての説明もある親切設計。学びが多い。

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というわけで、今回の私の結果はご覧のとおり。

1月の分析でシスジェンダー(こころの性と体の性が一致している)だった「こころの性」の項目が、今回はXジェンダーになってた。

ちなみに表現したい性は1月と一緒。言葉遣いや服装に表れやすいらしいけど、ここはそんなに驚きじゃなかった。かっこいい感じの服を着たい時と、可愛い感じの服を着たい時があるし、言葉遣いで自分の性を表現したいと思ったことはない…気がする。

で、とりあえず、「Xジェンダー」っていう結果にびっくりした。「セクシュアリティはグラデーション」って言うから、「まあそういうものよね、ゆるふわ系の女の人がいればスタイリッシュな女の人もいるし、男の人だってそんな感じだし、いろいろな人がいるよね」なんて思って生きてきた。正直、自分がそのグラデーションの中でゆらゆらしているとは思ってなかった。自分のことを「100%の女」とか「絶対的に女だ」とか思ってたわけじゃないけど、まあ確実に「女」だろうと思ってた。


しかも、「Xジェンダーあるある」的なものを読んでも、さほど共感はしなかった。Xジェンダーの人が感じるような窮屈さを、私はあまり経験してこなかったと思っている。自分がXジェンダーだと分かった時の開放感も腑に落ちた感もないし、何なら逆にモヤモヤし始めてる。

たとえば性別。性別欄の「男・女」では迷わず「女」に〇を付けてきた。どちらでもないとか、答えたくないとか、そういう選択肢に〇をつけることは考えたこともなかった。

服装。スカートは普通にはく。小学生のときは、それまで毎日ジーンズだった私にとって「中学生になったらスカートをはく」という将来に少し抵抗があったけど、結局ものの数日で慣れた。中・高では制服とジャージしか着てなかった気がするけど、そこにスカートが嫌いだったという理由はなかったし、大学生になってからは普段からスカートをはいていた。別に違和感はない。スタイリッシュな服装は、自分の顔と雰囲気的に似合わないと思っているけど、憧れはある。

恋愛対象。今は男性の恋人がいる。女性に対して恋愛感情を持ったことはないけど、中性的な女性の顔や中性的な服装が好きで、InstagramやTwitterでフォローしている人が何人かいる。いつか女性を好きになる日が来るのかなぁなんて思ったりしてる。恋愛指向としては「見た目で人を好きになるタイプ(これは私の理解)」って分析結果になってるから。

自分が女性であることに違和感を覚えた経験は無かったつもりだけど、いくつか書いてみると、私って「ゆらゆらしてる」気がしなくもない。でも、これって「私が女じゃない」ことになるのかなぁ。好みの問題じゃない?そもそも「女」ってなに?性自認が女で、スカートがはけて、恋愛対象が男性なら「女」なの?そんなわけないでしょ。


最初は驚きだけだったけど、日が経つごとになんだか不安になってくる。自分の言動に対して、「いまの私は女性?男性?」と考えてしまう。そもそも女とか男とかって何?という問いもセットで浮かぶ。性別欄で「女」に〇つけていいよね?なんて、誰の許可も要らないことを考えてしまう。だからといって「どちらでもない」を選ぶほど、自分の「どちらでもなさ」には自信がない。だけど自分が「女」であることには自信がなくなってしまった。どこからが「女」なのかハッキリさせてほしい。「自分がXジェンダーだと知ってこれまで感じてきた窮屈な気持ちが一気に晴れました!」と言う人はいっぱいいるのに、何で私はモヤモヤしているんだ。ぐるぐる。




今回の分析は「断定」じゃない。セクシュアリティは流動的なものだし、「Xジェンダー」は病気でもなんでもない。ていうか「Xジェンダー」ってよく分からない。


けど、潜在的に持っていた自分のアイデンティティが崩れていく瞬間に立ち会っている気がする。セクシュアリティなんて別になんでもいいと思っていたのに、セクシュアリティはグラデーションだと理解していたのに、いざシスジェンダー以外のものを自分に提示されるとこんな状態になってしまっている。自分の中に差別意識があったような気がして、後ろめたさを感じている。



(12.19 追記)

何かの記事で「男性の前では女性として振る舞いたくて、女性の前では男性として振る舞いたいのって変かな?」とお話している方を見かけて、それに対して「Xジェンダーっていう性かもしれませんね!」とコメントがついていた。これにはめちゃくちゃ共感できるな、と思ったのでメモしておこう。





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