【note】コロナと保険、ローン、REIT…聞いた話

今年はコロナ問題で、色々な所に大きな影響が出ています。この先、コロナそのものが沈静化しても、経済活動への影響は、むしろこれからだと思います。
いくつか、目に見えて影響がでているものとしては、飲食店や旅館の廃業もちらほら出てきています。製造業の遅延などで、町工場が廃業・倒産の危機という話は、直接聞く事があります。

この辺は、予想通りという言い方でもいいでしょう。観光がほぼほぼストップしている状態。バス会社などでは、転業なんて事も検討している所もあると聞きます。

町工場の廃業・倒産の話の先には、金融機関の危機があると言われています。債権回収ができないために、貸倒が大量発生、やがて破綻するという話です。

今回は、聞き耳を立てていたら聞こえてきた、コロナ問題における経済への影響の意外な話をいくつかご案内しましょう。

保険と住宅ローンの…

コロナの検査で、無症状でも”陽性”と判定されると、「新たに保険に加入できない」そうです。これは、保険会社が、引受をするかどうかの判断(危険選択という)をする場合に、リスクの発生確率や発生した場合の影響度などを判定します。なので、発生確率や影響度が判らないものは、原則として引き受けないようにしています。今回のコロナの場合がまさしくそのケース。少し話が脱線しますが、保険に加入していても、不明な傷病や保険約款に記載されていない傷病の場合、保険給付が受けられない事があります。そもそもなぜ、そういう事を行うかというと、保険の加入者にリスク負担を平等にするという”保険の相互扶助の精神”に則っているからです。例えば同じ保険金100万円が出る保険の加入者が、一人は若くて健康な人、もう一人が高齢者で病弱だった場合、同じ保険料だと不公平ですよね。だから、保険金の減額、保険料の割り増しなどの条件を付けたり、場合によっては謝絶する事があります。
さて、陽性と判定された人が保険に加入できないとなると、実は住宅を購入したい場合に影響が出てきます。一般的に住宅購入をする場合、住宅ローンを組む事になると思いますが、保険に加入できない人に対して金融機関が融資をするか…ここはなかなか微妙な所になろうかと思います。通常住宅ローンには、団体信用生命保険に加入する事になるかと思います。これは、ローンの債務者に万一の事があった場合、団信で残債を返済するという保険です(遺族には債務がなくなり住宅が残る事になります)。この団信に加入できないとなると、金融機関も難しいだろうと思います。仮に融資したとしても、その後万一の時があっても、遺族がその債務を引き受けなければなりません。色々と厄介になりそうです。
このことから、住宅市場にもなんらかの影響がでるかもしれません…。なにせローンが組めないとなると、住宅購入を諦める人が出てくると予想されるからです。不動産業界も、ハウジングセンターへ客を呼び込めないから、販売促進も難しい所でもあって、大変な状況かもしれません。

ビジネス街の意外なビジネスが…

コロナ問題をきっかけにテレワークを初めて導入した企業も沢山ありますが、コロナ問題が解決しても、一定数の従業員をテレワークさせようという動きがあるみたいです。つまりオフィス街には、かつてほどの人が戻らないのではないかという事です。そのためオフィスの空いた部分の賃貸を解約するという動きが今後、予想されます。オフィス街を中心に投資しているREIT辺りは下落するだろう…もう織り込み済みかもしれませんが。REITを含め、不動産賃貸業には、大きな打撃になりそうです。

所で、このテレワークが普及すると、意外なビジネス(といっていいのかな?)にも影響がでるとも言われています。皆さんは思いつきますか?まぁ、中央区あたりのオフィス街にいけば、ワゴン車などでやってくる弁当屋さんとか、周辺の飲食店でランチ営業をやっている所とか…、その辺は影響でそうですね。そして、もうひとつ…。中央区って”歯医者”が多いんですよ。知ってました?私も一時期、茅場町や日本橋周辺に勤務していた事があったので、歯医者にはお世話になった事があります。その歯医者が危機なんだそうです。まぁ、まさかオフィス街で人が減るなんて事は、よっぽどの不況(コロナ問題も大きな不況の要因といえなくもないが)にならない限りないだろうと思ってた思います。なかなかね、盲点なのかもしれません。

オフィス街に人が減るから不動産賃貸業には大きな打撃なのでは…って言いましたが、実はしたたかに別の戦略があるのでは、と私は思っています。テレワークが進むと自宅で仕事する事になる…とは限らないと思っています。そこで、サテライトオフィスの需要が高まるのではないか、そこに不動産賃貸業やREIT筋は目をつけるだろうと思っています。某カラオケチェーンでは、すでにテレワーク用のプランを用意している所もあり、盛況だという話も聞きます。そのうちテレワークに特化したREITなんて出てくるかもしれません。

コロナ問題の経済への影響は、まだまだこれから始まるだろうと予想しています。でも逆に、これをチャンスとする動きもあります。果たして来年、5年後、10年後はどんな未来になっているのでしょうか?そして、どういう影響が出てくるのでしょうか?その辺をしっかり見極めたいと思います。



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