見出し画像

献血デビューは焦らなくてもいいよ

先日、久し振りに駅前の献血バスで献血をしてきたときのこと。
医師の事前問診で、何やら長引いている1人の若い女性がいた。

聞くところによると(小さなバスの中で座って順番を待つのでどうしても耳に入ってしまうのだ・・)、前回の献血の際に貧血になってしまったらしく、そこが問題になっているようだ。

医師「もう少し時期を空けて、採血など含め血を採ることにもっと慣れてからの方がいいと思いますよ。」
女性「でも前回貧血だったら絶対ダメというわけではないんですよね?今日は体調も良いしせっかくなのでチャレンジしたいんですけど、、」

どちらの気持ちもわかる。
最後は自己責任とはいえ、献血で何かあったら問診をパスさせた医師の責任もある。彼女自身にも現場の看護師にも負担を掛けることとなる。
一方で、早く献血をして役に立ちたい、せっかく足を運んだのに・・という彼女の思い。

結局医師が難色を示し続け、彼女はその日の献血を断念して帰って行った。
できれば励ましの声を掛けたかったがさすがにビックリさせるかなと断念した私は、心の中でこう思っていた。

大丈夫、大丈夫!献血なんてこの先何十回でも好きなだけチャンスあるから。今焦って頑張らなくてもいいし、途中で断念したら格好悪いとかないから。
むしろ焦ってまた貧血になったら、一生献血できなくなる可能性もあるから、安全側に倒して判断したのは正解だよ。


私が初めて献血をしたのは、たしか高校の文化祭に来た献血バスだったと思う。
そこから時間のあるときはふらっと献血バスに立ち寄る生活を続け、先日の献血でちょうど10回目となった。

注射嫌いという言葉もあるが、注射への慣れ度合いに加えて、自分の血を抜くというのは誰しもが初めは緊張するものだ。私も最初は緊張した。
彼女のように貧血になったり、心理的に不安が高まってよからぬ身体反応が起こることもある。私も冬の寒い日の献血で、途中から血管がペシャンコになって(血圧の低下?)採り終えるまで時間がかかったことがある。
それに女性の場合は特に、貧血になりやすいと記憶している。
体重が比較的軽い女性は血液量も少ないのに加え(血液量は体重の約13分の1と言われているらしい)、体質的に貧血気味な人もいる。また、若い女性で献血前の採血で比重が基準に満たず献血中止となる人もいると聞く。

当たり前の話だが、献血者の安全が高いレベルで確保されるからこそ献血ができるし、無償の献血システムが成り立つ。
焦って自身の体調を損ねてしまっては本末転倒だ。
あと、貧血等の要注意症状が2回連続で出てしまった人は、一生献血できなくなる可能性があると聞いた記憶がある。
私がどこかで聞きかじった程度の情報で、公式にアナウンスされている情報ではないので信憑性は何とも言えないが、何にせよ無理をしないことに越したことはない。

長いスパンで見たとき、その1回の献血を無理して頑張ることよりも、無理せず少しずつ何十年も持続的に献血し続ける方が、貢献インパクトは大きいはずだ。(献血は60代までOK)


なんかクレジットヒストリーみたいなもんかなと思ったりもする。

よっぽどの高級取りや社会的信用?がない限り、1枚目のクレジットカードでいきなり厳しめの審査をクリアするのは難しい。
初めは作りやすいカードから持ち始め、こつこつとカードを使っていくうちに、「私はコンスタントにカードを使ってしかも毎月きちんと遅滞なく口座から支払っています」と言えるだけのヒストリーが積み上がっていき、『信用』として確立されていく。

献血も「200ml/400ml 無事に献血できました!」という実績を積み上げて納得してもらうしかない。体調や体質的なものはどうしてもある。だから、焦らずゆっくり相談しながら試してみてよ。
素人の「今日は体調良いんで大丈夫です!」よりも、前回・前々回無事に献血できたという実績の方が、何十倍も説得力がある。なにせ医療というのはエビデンスの積み重ねであり、医師や看護師はその世界の専門家だからだ。


これはおまけ。昔書いた雑多な献血の感想。


'23/02/19 最終更新

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?