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すし詰めの蜷川実花展

土曜の昼下がり、虎ノ門ヒルズに行ってきました。

昨年のうちに前売りチケットを買っていた蜷川実花にながわ みか展。
結論、人が多すぎてストレス満載だったので、少し感想を書いてみます。


体験の流れ

おそらく16時20~30分くらいに入口に並んで入場したと思います。出たのは17時頃。たった30分前後とは思えないほど、長いストレスフルな体験でした。

  • エレベーターで45階フロアに着く~受付をする
    メール上のリンクを開いて、表示されたQRコードを読み取ってもらうだけなので楽。ログインも不要(ユーザー登録せずに買ったからなのかも?)。前売特典のミニミラーもサクッと手渡し。

  • 受付後~展示フロア入場
    50人以上が折り返しの2列で並んでいた。10組ずつ案内しているらしく、待ち時間は5~10分弱?。

  • 展示フロア入場~前半の数フロア
    多少狭いところもあるけど、比較的スムーズに進める。

  • 後半フロア(花の広場の手前の通路)
    移動で長いL字型通路があり、淡々とみんな列を成して並んでいる。順路の途中でとてつもない待ち時間が発生すること以外は、まあ普通。10分くらい?(体感時間自信なし)

  • 後半フロア(花の広場)
    激混み、、。フロア入口手前から人の動きが止まる。前の方でスマホを構えて写真を撮る人は見えるけど、一向に進まない。「ディズニーランドみたいだな」とぼやいてた人がいたけど、たぶんほんとにそんな感じ。
    ※私はディズニーランドは昔2~3回行ったことあるのみなのであまり詳しくないけど、イメージとしては近いはず。
    フロアの中に入ると綺麗。綺麗なんだけど写真を撮る人や見る人でごった返し、これまた人の流れがほぼ止まっている。奥に行くにつれて空間が広がるので、先に行きたい人は人の間を縫ってどんどん進めるようになる。

  • 後半フロア(花の広場以降)
    混み具合は落ち着き、許容範囲な気がする。

とまあこんな感じです。
花の広場の手前で人の動きがほぼ止まったあたりで、あまりにも前に進まなさすぎてもう帰ろうかと思いましたが、なんとか我慢し展示物をチラチラ見ながら足早に通り抜けました(悲しい)。


オペレーションどうにかならんのか

私が勝手に「花の広場」と呼んでいる花々が溢れんばかりに展示された空間は、私自身花が好きなので雰囲気はとても好きで、本当はもっとゆっくり見たかったです。

でもやっぱり、人が多すぎてダメだった。どれだけ展示物が素晴らしくても、会場の動線がぐちゃぐちゃだと良い鑑賞体験にならないわけです、トータルで。
こんなにギュウギュウに人を入れないと採算が取れないのかなんなのか分かりませんが、それだったらチケット価格を上げてほしいですね。たくさんの人がアクセスしやすい金額というのはたしかにそれはそれで意味があるんだけれども、東京の一等地/最新施設での展示にしては正直安すぎたので。

私としてはやはりお金を払って足を運ぶ以上、心身ともにできるだけリラックスした状態で作品に触れたいわけですよ。
もしこれが時間帯の区切りがない入場方式なら、土曜の午後だし人が集まりすぎてしまったというのは理解ができます。でも本展では、会期中のチケットは日時指定制になっています(私は前売券だったので日時制限なしでしたが)。つまり、その時間帯にどれくらい人が来て、前売券での飛び入りがあっても何人くらいで、何分おきに入場してもらえばパンクせずに回せそうというのはシミュレーションできるはずなんです。
スタッフを動員して事前リハをやるなり、コンピュータ上で混雑シミュレーションをやるなり、ちゃんと運営計画策定と最適化をしないとダメです。

もちろん想定以上に撮影をする人が多くて滞留したりはあると思いますし、すべて想定通りにいかないことは私も理解します。あと、アーティストの蜷川さんなどはおそらく現場オペレーションには関わっていなくて、別途現場統括マネージャーのようなポジションの人がいるのだと推測はします。
なのでその方に届くことを願いますが、あのような過剰な混雑を引き起こしているというのは、プロの仕事としては失敗だと思います。
展覧会のメインであるアーティストの作品が好きでなかったり期待以下だったのであれば、それは好みや相性の問題であり、鑑賞者側もアーティスト側もある程度受け止めようがあります。でも、作品以外の部分で鑑賞体験に多大なフラストレーションを生じさせているのは容認できません(しかも予期と回避が可能)。
※一応運営連絡先にもフィードバックメールを送ってみようと考えています。

同じ会場で言うと、昨年10月のTOKYO NODEがオープンしたての頃に、演出振付家のMIKIKOさんが携わった『Syn : 身体感覚の新たな地平』というダンスパフォーマンスを観に行きましたが、人数には一定のゆとりがあり動線も工夫されていましたよ。
完全時間指定制だったり観客がフロアを誘導されて移動していくスタイルだったので単純比較はできませんが、少なくとも鑑賞者目線でしっかりと体験構築が行われていたと思います。

せっかく観に行った後にこのような内容を書き連ねたくはなかったのですが、早めにチケットを買ってとても楽しみにしていたので、次回以降に繋がることを願って書かせていただきました。


ほか気づき

オペレーションの話とは別で、個人的な気づきを2章ほど書こうかと思いましたがもう疲れたので数行だけ。

こういう展示会とかで写真を撮る文化が自分の中にはないなーと。どちらかというと作品を見て何かを感じる(もちろん感じないこともあってそれはそれでいい)ことに全エネルギーを使いたい派。
流行りとか好みとかカルチャーの問題なので、人それぞれでいいと思ってますが。

あと、こういう長蛇の列とかすし詰めとかでも、その場を楽しむマインドを持てるの大事だわと実感しました。
私は1人参加だったのでなかなか苦しかったのですが、カップルや友だちと来ている人も多く、待ち時間にお喋りをしたり、シースルー垂れ幕と外の景色を重ねて写真を撮るのを楽しんでいたり。そういうマインド大事ですね。


'24/02/04 最終更新

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