「ラジオが好き」とは言いづらい

初対面の方に
「ラジオ好きですか？」
と聞かれれば

「んー、結構聴くね」
くらいにとどめてしまう。

嘘です。
本当は好きです。
メールが採用されて、番組から頂いたノベルティ達を見つめては部屋で一人ニマニマしていることを白状します。

コロナ禍に入ってからますます好きになった。
お昼の労働がラジオ聴きながら出来るものに変わったので、聴く時間もさらに増えた。

以前pod castでも話したが「好き」と返答することに慎重になってしまう。
このpod cast内でも引用させて頂いた有吉さんの広島カープ芸人についての言葉をいま一度、心に刻みつけたい。

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「電車乗るの好きです！景色最高！」これが一番良いんだよ。
「これはキハの362ですね」って、飯マズくなるだろバカ野郎！駅弁がマズくなるだろうが！無人駅でたたき落としてやろうか！この野郎！

じゃあ球場に毎日足を運んでてな
「あの選手は誰か名前知らないけど、あの投げ方の人好きだね」
っていうおばあちゃんは、ファンじゃねぇのか？ファンだろ！？しょうもねぇこと言いやがってよ！ウスラトンカチがよ！ボケ野郎！
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至言だと思う。
そして自分はどちらかと言えば「それはキハの362でヤンス」とか言い出しかねないタイプの人間だ。刺さる。

「ラジオ、好きです」

いいじゃない。もっと言ってこうよ、俺。
たとえこんな言葉が返ってきても

「オールナイトニッポンだとどの枠が一番好きですか！？」
「はがき職人ですか！？」
「深夜ラジオいいですよね！」
「芸人だと誰が好きですか！？」

オッケーオッケー。
「ラジオ好き」と言ってしまった時点で、こういう偏見に晒されることは百も承知だ。あなた達の頭の中にはビタースウィート・サンバが流れているだろうが、こちらのハートには思い出野郎Aチーム『楽しく暮らそう』のチャチャッチャッチャチャが響いている。なんで終わってもうたんや。

「オールナイトニッポン…聴いてません…」
「職人…あ、いや、お便りでしたらたまに出してます…」
「カーボーイくらいは、タイムフリーで……」
「プチ鹿島さんと、マキタスポーツさんですかね」

正直に答えていけば良い。
相手の想定していた答えと違って微妙な空気が流れたとしても、もう自分に嘘をつくのは、やめよう。

らじおとが好き。
生活は踊るが好き。
たまむすびが好き。
Sessionが好き。
アトロクが好き。
毅郎さんでスタンバイして、めぐさんで寝る。

全部が全部は聴けないから、全く詳しくはないけど

「ラジオ聴くの好きです！ラジオ最高！」

これでいいじゃない。
そうすればいつか、初対面のおばあちゃんに

「あのパーソナリティは誰か名前知らないけど、あの喋り方の人好きだね」

と歩み寄られるかもしれない。
そこで僕はすかさず言うのだ。

「あの人はジャパニーズHIP HOPグループRHYMESTERのマイクロフォンNo.1宇多丸氏でヤンス。ちなみに今あなたが聴いていいと言ったアトロクことAFTER6JUNCTIONはあの伝説の番組ウィークエンドシャッフルの正統後継番組でヤンス。そして同じくTBSのこれまた同じく帯で平日11時から放送している生活は踊るのメインパーソナリティジェーン・スー氏は宇多丸氏と同じ早稲田大学ソウルミュージック研究会ギャラクシー出身という縁もあるし、あ、ちょっと話はそれるけど生活は踊るの中のキラーコンテンツ相談は踊るは同名の前身番組が母体になっていて、と、それ過ぎたでヤンスねwwwで先ほど僕が言った好きな芸人のプチ鹿島さんが月曜の24時からやっている番組東京pod許きゃきょくがすごく面白いから必ず聴いて僕に感想送ってね、で、その文系芸人3人のうち1人サンキュータツオ氏がこれまた不思議な縁で宇多丸氏と同じく巣鴨プリズンの出身でして、あ、そっか、巣鴨プリズンってのは豊島区にある巣鴨高等学校のことでしてこれが第二次世…」
「あ、あの…！！」
「え？」
「もう……大丈夫です……」
「……」




ラジオ大好きです。今度は嘘じゃないっす。






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