1,900円払ってる場合ですよ
先日、RHYMESTER King of Stage at Blue Note TOKYOに行ってきた。
感想は【最高と言わざるを得ないのが現状】だったので、久しぶりにヲタク全開の駄稚長文を書き散らかそうと思う。
RHYMESTERの生LIVEを観るのは新型コロナによるパンデミックが始まる寸前、2020年の2月に行なわれたTBSラジオEXPO以来なので、実に3年ぶりとなった。
あの時は確か、EXPOの会場となった横浜みなとみらいパシフィコのすぐ目と鼻の先に、当時連日のようにニュースに取り上げられていたダイヤモンド・プリンセス号が停泊しており、壇上の荻上チキさんと武田砂鉄さんが「国内もうかうかしていられないかもしれない」というような内容のことを話していたのを覚えている。
その時は世の中がここまでめちゃくちゃになるとは正直、予想していなかった。
思えばこの3年間は、ニュースを見る度に世界が社会が崩壊していくのを目の当たりにして、僕自身もダウンしてしまいまともな生活を送るのもやっとという状態の中で、TVに映し出される大人たちの決して褒められない行いの数々に、大人の自分が言うのも滑稽な話だが「大人ってこれだから信用出来ないのよッ…!!」と完全に人間不信、もとい大人不信に陥ってた。
そんな状態だったからだろうか、4年ぶりの3人の姿はあまりにも力強く、美しく、そして何より優しくて、久しぶりに「かっこいい大人」というものを見た気がした。
万物の長!大人なめんな!いいぞ!もっとやれ!
このBlue Note TOKYOのライムスLIVE、実は去年もやっていて、その時はチケット即完だったので今年こそは!とチケ発全裸正座スタンバイで臨んだが、今回は2日4ステだったのも功を奏してか、なんとかチケットを手に入れることに成功した。
当日を指折り待つ中、セットリストを予想するのも楽しかった。
RHYMESTERの楽曲は、私のヲタ活トップランナーあいみょん程、全曲網羅している訳ではないので願望込みの雑破なものだが
「ONCE AGAINとFuture is Bornは演って欲しいなぁ」
「今ニューアルバムのリリースツアーも並行しるから、その中からは演らないでしょーfeaturingも多いし」
「リスペクトは好きだけどあのアルバムからはもうあんま演らないだろうなぁ。。」
なんて妄想をしたりして迎えた当日。
会場に着いてからは今回のLIVE用のオリジナルカクテル【Future Is Born】を頂いたり。
小一時間ほど食事を楽しんだ後、いよいよ開演時間を迎える。
照明が落ち、タケウチカズタケバンドの皆さんが入場する。
大きな拍手と共に場内の温度が一気に上がる。
映画や演劇もそうだが、この瞬間がめちゃくちゃテンションあがる。
くるぞ…くるぞ…ッ!ライムスタがライブしにやってくるぞ!
オラBlue Note TOKYOに来るのは初めてだ。でも大丈夫、漫画BLUE GIANTで予習済みだ…!
太田光も恋愛経験の少なさを恋愛小説の読破量でカバーしていた…!
大丈夫、いける、客席後方から入場することは既に【知っている】ッ!
一瞬の静寂の後、扉が開く(扉は無い!)幕が開く(幕も無い!)待ちきれず客たちは騒ぎ出す!
スポットライトの中から、セットアップでバチバチにキメたグンバツスタイル高身長3人組が会場に登場!
やはり客席後方ッ!予習通りッ!進研ゼミでやったところだ!
っってか、近ぇぇえええええ!!!!!
キャパを見れば当たり前なのだがBlue Note TOKYOのステージはどの席からでもアーティストに非常に近く、我々の席のすぐ横を通ってRHYMESTERの三人がステージへと上がっていく。
宇多丸師匠デケェ…(私と同じ公称180cm)JINさんスタイルえげつねェ…Dさん色気ハンパねェ前髪ピンクェ……
そこからはもう、怒涛の圧倒的ステージングだった。
個人的やって欲しい曲ワンツーの『ONCE AGAIN』と『Future is Born』はもちろんのこと『ライムスターインザハウス』『ちょうどいい』『待ってろ今から本気出す』等、バンド編成×Blue Noteという地の利を把握し尽くしたセットリストにKing of 演出を実感せざるを得なかった。
そんな中でも超ど真ん中今の私にブッ刺さったのが『POP LIFE』だった。
私は長い出役人生の中で二度ほど、その意義について考えさせられた時期があり、一度目は東日本大震災、そして二度目は今も続く新型コロナによるパンデミックなわけだが、その度に背中を押してくれたのが同名のアルバム『POP LIFE』だった。
『Walk This Way』『余計なお世話だバカヤロウ』そして何より『そしてまた歌い出す』のリリックには何度救われたことか。
もうね、この記事がクソ長くなるのを承知でリリックの一部を載せちゃう。
2011年3月2日にリリースされたこの曲がなんの運命か、約一週間後に日本人であれば誰もが知っているあの日を迎えるわけどけど、あれから10年強、やはりどんな時代だって歌ってる場合ですよ、とは今でも思う。
そんな中、表題曲の『POP LIFE』は今回、何よりも力強く、何よりも優しい旋律で、かっこいい大人たちのかっこいいバースに、比喩でなく涙が止まらなくなってしまった。
今年はhip-hop生誕50周年。
たった50年そこいらの若い音楽ジャンルだが、今やチャートにhip-hopが並ぶのは決して珍しくなくなったし、国内でも若い人たちのバトル文化が盛り上がり楽曲よりもフリースタイル先行のアーティストが多くなってきた気がある中、日本語ラップ第二世代と言われる齢50代のRHYMESTERが、こと日本語ラップという表現においては今でもトップランナーだということを実感した。
それぐらい、圧倒的であった。
それを象徴したのが言うまでもない、アンコールで演られた『B-BOYイズム× Super STRUT』だった。
1999年、B-BOYのBたるブレイキン、ブレイクダンサー達の踊りやすいノリやすいBPM高めのナンバーとしてリリースされ日本語ラップクラシック最高峰と謳われた同曲が、タケウチカズタケバンドという最強のバンドを携えて、音符の読めないミュージシャンたるB-BOYたちが音楽家になる、そんな瞬間を見た気がした。
音楽性もhip-hop性も、そして異常なまでのテンポに乗せて乱射されるラップのフィジカル性も、どこを取ってもトップランナーと言わざるを得ないのが現状であった。
そもそもあんな早口で歌えないよ。。。50代やべぇ。。。
LIVEの途中、
宇多丸「SAY HO!」
客「HO!」
宇「HO!HO!」
客「HO!HO!」
宇「お昼休みはウキウキウオッチング!」
客「あちこちそちこちいいとも!」
が何の打ち合わせもなく完成したのもめちゃくちゃ笑った(笑)
確かに、数日前Instagramでのリハ動画にウキウキウォッチングしてる宇多丸師匠の姿がアップされてはいたが、多分あの会場の10%もそれを観てた人はいなかっただろうし、逆に言えばそれぐらい、日本人にとって「お昼休みはウキウキウォッチング」に対してのレスポンスは「あちこちそちこちいいとも」とプログラミングされてるのだろう、と驚いた。
そんなこんなで最高のLIVE体験だったわけだが、地元に帰ってから一緒に行った仲間と、どうかしてる程安いので有名なマルヤス酒場で感想会をしたところ、たらふく飲み食いして一人1,900円というぶっ壊れ会計だったことと、Blue Noteで頂いたオリジナルカクテル「Future is Born」が同じく一杯1,900円だったこと、数時間で色々な形の1,900円を実感してトータルで最高の一日と言わざるを得ないのが現状であった。
P.S.
当日の雰囲気を少しでも味わってもらいたく、プレイリストを組んでみたので宜しければそちらもどうぞ↓
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