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THE BEACH BOYS/ENDLESS SUMMER

ビーチボーイズのレコードでいちばん好きなアルバムは「ENDRESS SUMNER」。
1974年に発売された2枚組のベストアルバムだ。
私にとってオリジナルアルバムより素晴らしいベストアルバムが数枚存在する。その中の一枚なのだ。
全ての曲が素晴らしく聴くたびに私を夢見心地にしてくれるとても素晴らしいアルバムなのだ。

ビーチボーイズはペットサウンズ以降アメリカでの人気が急落しており、70年代に入ると既に過去のバンド扱いだった。
しかしこのアルバムは爆発的に売れた。全米ナンバーワンの大ヒットだった。
この素晴らしいアルバムのお陰でビーチボーイズは70年代を乗り切る事ができたのだ。

1973年にジョージ編集によるビートルズのベストアルバム(赤盤、青盤)が発売され爆発的大ヒットになった。キャピトルもエンドレスサマーには気合入れたのだろう。当時アメリカングラフティ、スティング、華麗なるギャツビーなどアメリカの古き良き時代背景の映画が大ヒットしていたのでタイミングも良かったと思う。
しかし選曲の良さが全てだろう。
アメリカ人が好むサウンドにドンピシャ的中だったのだ。
せっかくなので1曲聴いて貰おうか。
とてもロマンチックな「THE WARMTH OF THE SUN」だ。
気絶するほど素晴らしいコーラスなのだ。


近年ビーチボーイズ=ペットサウンズという風潮になってしまったが、私がROCKに夢中になっていた70年代には一般的には無視されていたアルバムだった。レコードは廃盤で米国盤は何故かCARL&THE PASSIONSとのカップリングで売られていた。勿論ジャケは違う。日本盤も70年代後期にやっと再発売されたのだ。

昭和57年にTHE ROLLING STONE RECORD 
GUIDEというガイドブックが発売されてとても重宝していたのだが、ペットサウンズは5点満点の3点という低評価だった。現在では考えられない評価だったのだ。ペットサウンズの評価が高まったのは80年代以降だ。
ENDRESS SUMMERにはペットサウンズからの曲は1曲も入っていない。
翌年発売された「SPIRIT OF AMERICA」という2枚組ベストアルバムにも入っていない。
1曲以外は全てペットサウンズ以前の作品だった。
70年代にペットサウンズが無視されていた事実はこれで納得して貰えるのではないでしようか?

私がペットサウンズを聴いたのは90年代CDの時代になってから。
音楽誌で絶賛されるようになり気になって買ってみたのだ。
最初は全く良さが解らなかった。メロディがビーチボーイズと違うのだ。音階もなんか変だったしサウンドも違う。
悔しいので繰り返し何度も聴いてみた。
何度も聴いてやっと解ってきた。
とても居心地の悪いサウンドだけどとても素晴らしいアルバムだと。
これはブライアンウィルソンのアルバムだったのだ。

現在若い人達はペットサウンズが素晴らしいと言う。裸の王様になってないか心配だ。
ビーチボーイズはこれ1枚聴けば良いと言う奴までいるようだ。
はっきり言おう。
ペットサウンズはとても素晴らしいアルバムだが異質なのだ。
ペットサウンズ聴いて興味を持った方には是非エンドレスサマーを聴いて欲しい。
調べたらエンドレスサマーのCDは廃盤だ。見つかればラッキーだが違うベスト盤でも良いだろう。
オリジナルアルバムならトゥディ、サマーデイズ、サーファーガールあたりがお勧めだ。
これらがビーチボーイズの真髄なのだ。



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