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2019ITUポンテベドラLD世界選手権日記【その①経緯・スロット獲得編】

怒涛の2023シーズンが一区切りついたので、マラソンシーズン本格化の前に以前Facebookに投稿していた2019年ITUロング世界戦の日記に経緯などを追記してまとめておく。

ITU世界選手権とは

競技スポーツを統括する団体が二つ以上あるのは良く聞く話で、トライアスロンでも同様に「IRONMAN」を掲げる「World Triathlon Corporation(WTC)」と、オリンピックディスタンスの世界選手権などを開催している「International Triathlon Union(ITU)」という団体があり、それぞれ別のレースイベントを開催している。

World Triathlon(旧ITU)
IRONMAN

2020年にITUが「World Triathlon」に改称されたのでややこしくなったが、一般には「IRONMAN」か「WT」かで区別すればよいのだろう。いずれにせよ2019年当時は「ITU」だったので本記事では「ITU」と表記しておく。

ここでは私が参加したロングディスタンスの話しかしないが、イベント自体は「マルチスポーツ選手権」と呼ばれており、ショート(オリンピックディスタンス)やアクアスロン、アクアバイク、デュアスロン、エクステラ、他パラ競技に至るまで実施種目は多岐にわたる。

スロット難易度

良く知られているとおり「IRONMAN」の場合は、世界各地で行われるアイアンマンレースの各エイジカテゴリごとに与えられる限られたスロットを獲得した選手だけが、毎年10月にコナ(またはニース)で行われる「世界選手権」に出場することができる。

そのスロットは、各エイジカテゴリごとに出場人数に応じて配分されるため、概ね上位1%未満の位置というか、ぶっちゃけ最低限エイジ表彰台に登れる実力が無いと獲得できない、要するに非常に難易度が高いのだ(ゆえに私はまだカスリもしない)。

一方、ITUの「世界マルチスポーツ選手権」のエイジカテゴリについては、ロングディスタンスの場合「五島Aのエイジ12位/Bの6位、または佐渡Aのエイジ6位/Bの3位以内」なら出場権が得られる、という規定だった。他、別途「自薦/他薦」の枠(もちろん一定の審査はあった模様)があり、かの有名なマッチが出場したのもそれだったらしい。

「その辺の域」に居る人なら分かると思うが「エイジ表彰台」と「エイジ12位以内」の難易度は全く異なる。だからコナスロットを獲った人からすれば「ITUのスロットなんかチョロイ」ということになってしまう。

実際には「エイジ12位以内」といっても年齢や性別により場合によっては「完走=スロット」ということもあるから、その難易度は一定ではないのだが、40代~50代のいわゆる「激戦区」では概ね上位1割以内に入らないといけない。コナスロットより容易なのは間違いないが、そう易々と取れるものでもないのがお分かりいただけると思う。

ロング参戦とスロット獲得

初ロングは2016年の五島Aだった。もちろん当時は「完走」が第一目標。順位など二の次だし、世界戦のことも一応知ってはいたものの他人事でしかなかった。ところがその時の成績はM50エイジ15位と決して悪くはなく、むしろエイジ12位まであと3人なのか、と思うと微妙に悔しさが募って来たくらいだった。

次の2017年。当時気象条件が良かったこともあり、ランで滅茶苦茶追い込んで総合二桁まで躍進したものの、M50エイジ14位。スロットまであと6分という結果にひっくり返って悔しがる結果となった。一方お馴染みチームのエース山Mさんは当然のようにエイジ表彰台に乗っていたのを見て、己とのあまりの実力差に愕然としたものだった。

明けて2018年。当時は当時なりに、スイム・バイク・ランともに必死で頑張った結果、なんと総合69位/M50エイジ7位という画期的な好成績(当社比)をたたき出した。ゴールエリアで速報をチェックしていた山Mさんがリザルトを伝えてくれた時の感激は忘れらない。「スエさん、おめでとう!スペインだね!」

という事で、念願叶い2019年開催のITUマルチスポーツ世界選手権ロングディスタンス(スペイン・ポンテべドラ)出場権を獲得することができたのだった。

大会の公式ロゴ

自腹

ご存知ない方のために追記しておくと「世界選手権・日本代表選手」の一員という非常に晴れがましい立場で試合に赴くのであるが、費用は全部自分持ちである。JTUはツアコンやブリーフィングをしてくれるだけで、あとは日本代表ウェア・シャツ・バッグ等からエントリーフィー、渡航費用まで全部支払わないといけない・・・エリートじゃないからしょうがないよね。

もう一つ悩ましかったのが「嫁さんも一緒に行くか」問題だったが、滞在先のホテルのグレードを見た嫁さんの目がキラーン(笑)。そして偶然だが嫁さんが○から○○たときに○を○○に○んで○○してしまって○○○が○○われることになり(ご想像にお任せします)「ヨシ!これで行ける!」ということになったのだった。

今思うと、この時無理してでも出場しておいてよかった。翌年の2020年は当然のことながらコロナで中止、そしてその後しばらく海外渡航が緊縮モードになったこともあって世界選手権に行こうという選手が極端に少なくなり、一時期「行きたい人どうぞ」状態になっていたという話もあった。

現在ではJTUが規定したいくつかのミドル・ロングの大会の成績を得点化し、2試合分の合計最高得点で年間ランキングが決定される仕組みになっている(なぜか皆生と珠洲は非対象)。そして各エイジ上位20位までが出場権を得られるらしい。

つづく

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