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福島復興サイクルロードレースシリーズVR Round4 by JETT(レッドビーコン)

突然の依頼

今年の1月某日。JETTのリーダー、Botman岩渕経由で「表題のレースシリーズのバーチャルレースをZwiftで実施したい、ということで有力グループに協力依頼が来ている」という話があった。

「福島復興サイクルロードレースシリーズ」とは、2011年の大震災・原発事故災害から立ち直ろうという福島県が復興に賭ける思いを込めて昨年誕生した「ツールドふくしま」をはじめとする「リアルの」ロードレースのシリーズだ。

開催事務局の思いは、今年の「リアルレース」を始める前に、最近ユーザーが増えて注目度が高まっているZwift内で、同レース名を冠に掲げたバーチャルレースをシリーズで開催し、注目度を上げてリアルの参加者を呼び込みたい、ということだった。

チーム対抗レース?

しかし開催事務局だけではZwiftでのレース実施のノウハウもなければZwift内での知名度もなくできることは限られている。そこでJETTやZWC、NICOやTMRなどの国内有数のチームに協力依頼が来た、というわけだ。

それぞれのチームがそれぞれの特色を出したコースの選定やレース運営をすることで、バラエティに富んだバーチャルのシリーズ戦ができるのでは?というのが事務局の目論見だったようだ。

しかし実際にはレース開催実現までに結構スッタモンダがあり(詳細は割愛)各チームのリーダーと事務局側でだいぶ長いことあれやこれやと相談が続いていたようだ。

グループライドに

その結果「各チームの特色を出すってんなら、JETTはレースというよりグループライドなんじゃないの?」という意見がJETTリーダーグループから出され、なるほどそうですね、ということでJETT担当回だけはグループライド形式になった。他のチーム担当回は全部レース形式である。

JETTがいかにグループライドを大切にしているか、ということだ。ちなみにJETTメンバーがレースが嫌い、ということでは全然なくて、リーダーをはじめとして毎週目を三角にしてレースを走り込んでいるメンバーはたくさんいる。

シリーズ開始

特設ページのリンクは文末に掲載

紆余曲折を経てレースシリーズは開始され、最初はクラブ対抗エキシビジョンレース、そして次がNICOさん担当のレース、そしてJETT担当のグループライド。第一回目は先週の2月21日(水)に開催された。私はただの参加者(一応レッド3番手ではあったが)としてログインし、ひたすらチャットの賑やかしに専念していた。400人もの参加者を数え、大盛況であった。

先週はまだマラソン前の走り込みの時期だったので、ライド前にトレッドミルで爆走していたこともあって脚にかなりキテおり、2.5倍設定なのに異様に疲れたのが印象に残っている。

そして今週28日(水)はJETT担当二回目のグループライド。予定空いてますよ、と連絡しておいたらいつの間にかレッドビーコン担当に割り当てられていた。

レッドビーコンとは

参加したことのある人はご存知と思うが、グループライドでは先頭でリードをして参加者に適宜指示を出すライドリーダー(いわゆるイエロービーコン)の他に、スイーパーと呼ばれる後方支援担当ライダーがいて、その一番手には頭上に赤い目印(レッドビーコン)が付けられる。

レッドビーコン点灯中(中継YouTubeより)

スイーパーの役目は、常に後方のライダーに目配りして、遅れそうなライダーに声かけしたり、うっかり遅れてしまったライダーの「Help!」コールに応じて助けに行く(スイープ)というもの。

以前にも書いたが、JETTではこの「スイープ」活動が非常に活発に行われている。うっかり遅れてしまっても、自ら「もう辞めます」とペダルを止めない限り、なんとしても集団に引き戻そうとしてボランティアスイーパーも含め大挙して「助け」にやってくる。

やったことある人はわかると思うが、これはライドの設定強度にもよるが、なかなかの苦行になることが多い。設定強度ギリギリの人が奮闘むなしく遅れていくときは助けようがないが、大抵は「通信不良で0Wになった」とか「ボトル落とした」とかが原因だから、本人は必死で集団復帰を試みている。

それを10人くらいで寄ってたかって4-5倍進行で5分くらい引きまくって集団に復帰させる。FTP5倍の人なら造作もないだろうが、自分みたいに4倍無いマンがこれをやるともうそれだけでイッパイイッパイ「TOAST!!」と叫ぶことになる。

あと、余談になるがKOM区間がフリーになって山頂に先着した人が、下り区間で集団に猛烈なスピードで追いつかれてそのまま置いてきぼりを食らう、というのもよくある。

ということで、場合にもよるがスイープ活動は一回でもなかなか大変。それをレッドビーコンはライドの時間中ずーっとやらないといけない。もちろん参加者の足並みが完全に揃って、なんのトラブルもなければ、何もすることはない。ただそういうことは非常に稀である。

幸い今回の福島復興ライド(大幅に省略)は設定が2.5倍と、水曜夜のエンジョイライドと同じ。そして今週はもうマラソン前のテーパリングに入っているのでFormは改善基調。自分でもなんとかこなせると踏んだ。

当日はいつもの水曜エンジョイライドは午後7時からの80分に短縮され、リーダーのRyoさんはなんと福島ライド(さらに短縮)と連チャンでイエロービーコン担当というなかなかのGouっぷり。そして今週もおかげさまでコンパニオン上ではすでに参加登録者が400人を超えていた。

コース

コースは最近追加されたイベントオンリールートの「Triple Flat Loops」。これは私が好きなWatopia's waist bandを二回ねじったような構成の一周33.9km。2.5倍進行でも1時間掛かるかどうか、という感じ。厳しいアップダウンはないが適度に変化があり、Watopiaの基本を押さえた良いコースだと思う。

砂漠スタート→海底トンネル→JWBスプリント→火山→JWB→海底トンネル→砂漠戻る

YouTube実況

今回、ライドの模様は専用のYouTubeチャンネルが用意して中継されている。事務局のハシケンさん、実況の牛むつみさん、そして解説に新潟の「最速店長」ZWCのKentaさんという形で実施され、さらにその裏方としてTMRのKotaさんが中継システムを担当するという強力な布陣だ。

実際のライドの模様は上記リンク先を見ていただくとして、走っている間はずーっとZwiftのカメラ視点を「6:リアビュー」にして、遅れそうな、あるいは遅れてしまったライダーは居ないか目配りをし続けていた。

400人突破

走り出した時点ですでに300人を軽く突破していた参加者は、レイトジョイン期限の30分が経過する前に無事(?)400人を突破した。大変な盛況ぶりにライド運営側としても嬉しい限りだ。

ミニマップを見ては自分の位置やイエローまでの空き具合を見て出力を調整したりするのだが、なにぶん参加者が100人を突破するとZwiftのキャパの関係で自分の周囲の100人しか描画されない。まして400人も居るとなると「誰もいないように見えて実は後方に遅れたライダーのカタマリがあった」なんてことが起きる。

案の定、スイープする機会は何度となく訪れた。その度にいつもライドで一緒に走っている仲間が「ボランティアスイーパー」としてスーッと近くにやってきて、遅れたライダーを励ましながら一緒に引き上げてくれる。この連帯感が、病みつきになる理由のひとつである。

チャット

そしてなんと言っても(動画内でも触れられているが)JETTのライドの特色は「チャットがすごい」これに尽きる。本来、Zwiftの本質は「ローラー台による自転車トレーニング」であることは間違いないが、JETTのグループライドの本質は?と問われたらもしかすると練習とかどうでもよくて、チャットを楽しみに来ているのではないか、というほどなのだ。

そんなこんなで、実況内でも随分とりあげていただいてたいへんこそばゆい状態だったのだが、当の本人はレッドビーコンのお仕事で一杯イッパイ、それらに反応する余裕が全然なかった。ただ、みなさんの強力な協力のおかげもあって、無事ライドを終了することができた。

無事終了

ライド後に「JETTのライドに初めて参加しました」「楽しかったです」などたくさんのポジティブなコメントをいただくこともできた。楽しいライドにしよう、と腐心していろいろ準備していたRyoさんも報われたことだろう。よかったよかった。これをきっかけに、新たにチーム登録してくれたZwiftユーザーも多数いるようだ。

これを読んで「ふーん面白そうだな」と思ったそこのアナタも!ぜひ機会をみつけてJETTのライドに参加してみていただきたい。

このシリーズはもちろんまだまだ続きがある。このあと他チーム担当に移って次回からレースシリーズが始まる。適宜カテゴリ分けがされるので、Gou脚以外楽しめない、といった心配はご無用。

最後に、関係者の皆さんたいへんお疲れ様でした。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

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