詐欺師の手口

※人の死に関する話題が含まれます。
苦手な人は閉じてください。

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私の気持ちを吐き出す為に書いてます。
プライベートな事柄が特定出来無いように、所々ぼかして書いてるので、事実詳細と異なる部分があります。

失った家族の名前をR
詐欺師インフルエンサーをT
と表記しています。

遺影や葬儀

Rの遺体が帰ってきた。
Rは臓器提供意思表示をしていた。
生前、そのことについて
「自分が死んでも、この世のどこかに自分の細胞の一部が残って、それが人の役に立つなら良いよね」
と家族で話していた。

その時は、私が死ぬことを想定した話の流れだったのに。
私より先に死ぬことがあるなんて考えても居なかった。

東京は、火葬場が少なくて予約が取れたのは数日後らしく、それまで冷凍庫みたいなところで安置しておくらしい。

臓器提供して帰って来たRを少し見せて貰った。
血色良くいつもつやつやしていたピンク色の頬や唇が青ざめているけど、長い睫毛や形の良い眉やおでこなどは、いつものRだった。
眠っているRの写真を撮ったり、髪を撫で頬にキスをしていた日々が遠い日に思える。

家に帰ってから遺影を選ぶ為にスマートフォンの写真フォルダを開くけど、大きくなってからは、あまり写真を撮らせてくれなったので、顔のはっきり判る写真がほとんど無い。

いまの若い子の性質なのか、加工してない写真を撮られるのをいつも嫌がっていた。
私からすると、そのままのRが可愛くて素敵だし、加工した写真はRではないから嫌なのに。

写真を眺めていると、楽しかった思い出が次々に蘇ってきて涙が流れる。
ここ数日、身体中の水分を出し尽くすほどずっと泣いている。涙って、こんなに沢山出るものなのね。

私の写真フォルダからは良い写真が見つから無さそうなので、Rのスマートフォンの写真フォルダを開いた。

見なければ良いと解っているのに、好奇心に勝てずティックトックやtwitterを開いてしまった。

そこにはTとのやり取りが残っていて、Tが獲物を見定めて、何気ない会話をしながら徐々に情報を集め罠にかける様子が生生しく残っていた。

Tの自宅やインテリアの話の流れから
「Rちゃんの家って広いの？どれくらい？」
「そんな広くないよ。○平米くらい」　
「都内で、その広さだと結構家賃高くない？」
「う〜ん。○万円って言ってた」
「すごっ！もしかして、結構お金持ち？」
そこから家族の職業や家族構成などの話題。

私が、Tは信用出来無い人だから、あまり仲良くしたり信じ過ぎるのは良くないって言った後に
「大人ってさ、自分は夢を叶えられなくて毎日つまらないから、キラキラ輝いてる人が羨ましいんだよね。
だから、うちらみたいのに反感持ってると思う」
そこから、自分達のようなインフルエンサーも本当はキラキラしてるだけじゃなくて、色々大変なんだって話や、こういう話は表向きイメージもあるから話せないからと言って特別感を煽り
「Rちゃんは夢とかあるの？」
と言って、理解者のふりをして
「夢を叶えてない人の言う事なんて聞く必要ないよ。
人生に失敗してる人の言う事聞いても意味ないから、自分がなりたい人や憧れの人の意見に耳を傾けたほうが良いと思う」
など、自分の言う事を聞く方向に誘導している。

読んでいると胸糞悪いが、全て詐欺師の典型的な手口。
言ってることは、一見すると最もらしいけど、上っ面だけの中身の無い耳触りの良い言葉。

ＳＮＳ上には、こういう上っ面だけの優しく耳触りの良い言葉を発信する詐欺師が沢山いて、数多くのフォロワーがいたりする。
まるで実体験の重さを感じないそれらの言葉を、どうして信じてしまうのか不思議で仕方ない。
奴等の言葉は、単なるマニュアル化されたテンプレートに過ぎないことがなぜ見抜けないのだろう。

そこからいくつかやり取りを重ねて、
ついに初めてのカード不正利用に誘導するトークが展開する。

欲しいものはないか？
ネットで数千円とかの買い物なら、誤差だと思って気付かない。
いつも使ってないショップの明細なら気付かれるから、いつも使ってるサイトから購入すること。

(たしかに気付かなった)

その時は、ネイルチップなど2000円程度のものを買ったらしい。

一旦、罪悪感の壁を超えてしまえばあとは容易い。

次は、イベントに着ていくワンピース。
そして、Tへの千円程度の投げ銭。
この時、Tは画面上で何度もRの名前を呼んでいる。
「Rちゃん。マジで！いいの？うれしい。
Rちゃんから初めての投げ銭頂きました。わぉ〜っ！」
みたいな。
こうやって承認欲求を煽るのですね。

そこから、毎日数千円の投げ銭が続き、気付けば1日数万円になるまでたった1ヶ月。

1回目のカードの不正利用がバレた時もTは
「えぇ〜っ。じゃあ、もうライブ配信は来れないの？Rちゃんとも話せなくなるね」

本来ライブ配信は無料で誰でも聞けるはずなのに。
投げ銭出来無いことと、ライブ配信に来れないこに関連性はないのに、すでにTの言いなりになってるRには、それがわからない。

すでにTを信じ込んでるRは、新しいカードの番号を入手して更に課金しTからメッセージが届く
「今日も参加してくれてありがとう。
もう話せないと思ってたから心配した。
でも、ほどほどにね」

いまさらかっ！！

自死を選ぶ直前にもメッセージしている。

そこには、
大変な自体になったことに気付いた。
もうTとは話せない、ごめんね。
でも家族を裏切った代償は大きい。
家族のことを愛してたなの、なんてことをしてしまったのか。
Tも家族も失ってしまう。
怖い。無理。
もう生きていけない。

という内容だった。

Tからの返信はない。
用済みになった人間に返す必要など無いという意味であろう。

たった数ヶ月で600万円以上を荒稼ぎして、何食わぬ顔で今日もユーチューブを配信して、次の獲物を探しているのでしょうね。

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