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マザーハウス山口絵理子さんのお話が感動的だっただけでなく、学習法としても学びがあった話

9月8日の日曜日に、MOTHERHOUSE(株式会社マザーハウス)さんが毎年行っているサンクスイベントに参加してきました。

情熱大陸やカンブリア宮殿などで特集されたりと、つねに新しいことにチャレンジされているチーフデザイナー兼代表取締役社長の山口絵理子さんや、共同代表としてそれを支える代表取締役副社長の山崎大佑さんのお話、お二人の深くてつよいパートナーシップに涙目になりながら(すぐ泣く)も今年も元気をもらってきたのですが、

会の後半のQ&Aの時間に、ある方が、

「山口さんはどんどん新しい国に工場をつくったりしていますが、どうやって言葉の勉強をされているのですか?」

というようなご質問をされました。

その質問への山口さんの答えが、

「いまでも朝と夜に1時間ずつ語学の勉強をしているんですよ。ドリルとか解いて」

でした。

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」

とバングラデシュやネパール、インドなど、さまざまな国に活動を広げ、各地を飛び回りながら、現場でデザインをしながら、経営もされている多忙な中、より良いものをつくるためには、現地の職人さんたちに自分の感情を伝えなくてはいけない、自分の言葉で伝えなくてはいけない。

そのためにも現地の言葉を勉強されているということに、モノづくりへの情熱を感じ、胸が熱くなったのですが(すぐ泣く)、そこで同時に思ったのが、圧倒的な努力と同時に、やり方もすごくすばらしいなということでした。

(感動しながらも、すぐにその方法はその人に合っているのか、そのやり方は脳科学や心理学的に適切なのかとかに目がいってしまう辺り、職業病だなと感じます)

「ドリルをやる」
「問題集をやる」
「テストをする」

これらって、子どもたちはあまり好きじゃない子も多く、

「テストをするよ」というと、「え〜、いやだ〜!」という子も多いです。(先週もブーブーいわれました)

小さい時から「マルバツ勉強」をくり返してきたような子や、「お直し」という名の苦行や修行などをたくさんさせられてきた子なんかだと、「バツはダメなこと」だというマインド(「Fixed Mindset」といいます)になっていたり、「バツは罰」につながっていると思っているような子もいます。

でも、問題集をすることやクイズ形式で学ぶこと、テストすることって、「テスト効果」といいますが、とても有効な手段なのですよね。

テストは地図のように目的地と現在地を知るための「計測ツール」であり、ウェイトトレーニングのように特定の箇所を強化し、学びを促進するための「学習ツール」。

テストは、認知心理学の分野で研究が進み、「覚えるために受けるもの」であったり、「覚える前に受けた方がいいもの」だということもわかっています。

イリノイ州のある中学での数年にわたる実験でも、たった数分のテスト(クイズ)をするだけで成績が上がり、「89%」の子が自分の成績の向上を実感しました。

勉強や暗記などの「インプット」的なものと、テストや発表などの「アウトプット」的なもの理想的な比率というのは、アーサー・ゲイツら心理学者の研究で、

「インプット1:アウトプット2」

が理想だといわれているんですね。

「3分の1をインプット」に使い、「3分の2をアウトプット」に使うことで、「30%」近く優れた成績を残せるそう。

事前にテストを受け、「わからないことを明確化、意識化」することで、あとで脳が学ぶため、思い出すためのきっかけをつくる。

発達心理学の世界的権威、キャロル・S・ドゥエックは

「努力の大切さを強調すれば、子どもはすばらしく変われる」

といいますが、

山口絵理子さんのお話を聞きながら、子どもたちにも、

「テストの目的は成果ではなく成長」だと知ってもらい(もちろん、成果にこだわらなければいけないテストもありますが)、

「覚えたらテストではなく覚えるためにテスト」の感覚でどんどんトライして、山口さんのおっしゃるKeep Walkingならぬ、Keep Learningしつづけてもらえたらなと思ったのでした。

山口絵理子さんといえば『裸でも生きる』が有名ですが、新刊『Third Way(サードウェイ)』すごくおすすめです。


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