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ワイン醸造の一つ。マセラシオン・カルボニックとは?【ボジョレーヌーヴォーの醸造法】

昨日一人で飲んでいて考えたこと。

ブラインドでワインを当てる際に、品種特徴だけを探しに行くのではなく、もっと「作り方からくる特徴」を探しに行くことが大切なのかなと。
例えば、マセラシオン・カルボニックは独特の香りを生む。そこから品種や生産地を割り出すヒントになる。。

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↑昨日飲んでいたワイン。Château Les Croisille Cahors Croizillon 2018 フランス南西のマルベック。20%がマセラシオン・カルボニック。

マセラシオン・カルボニックとは、フランス語でmacération carbonique、つまり直訳すれば、「炭酸漬け込み」。

ワイン醸造とは簡単に言えば、酵母が糖を二酸化炭素とアルコールに分解するプロセスである。つまり、ブドウを密閉容器に入れておくと勝手に二酸化炭素が発生するのである。

通常、ワインを醸造する際にはブドウを始めに粉砕し液状にするが、マセラシオンカルボニックでは、粉砕せずただブドウを密閉容器に閉じ込め、自然に発生する二酸化炭素(もしくは、人工的に注入された炭酸ガス=二酸化炭素)に漬け込む。

ブドウは二酸化炭素に漬け込まれると、酵素がどんどん分解を進め、ブドウがどんどんワインとなっていく。(実はこの部分の細かいプロセスに関しては解明されていない点もある。)

粉砕をしておらず、ブドウの身だけ溶けたような状態になるため、タンニンが少ない反面、色は濃いワインとなるのである。

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↑ボジョレー、フルーリー村のワイン。CLOS DE LA ROILETTE / FLEURIE 2019 マセラシオンカルボニック製法である。

毎年秋に盛り上がる、ボジョレーヌーヴォーは出来立てを楽しむワインであるため、タンニンが少なく果実味がはっきりと感じられる、マセラシオンカルボニック製法が最も適したワインであろう。

マセラシオンカルボニック製法で醸造されたワインは、焦がし砂糖の独特な香りがする。もちろん、そのようなキャンディー香は、ガメイの特徴でもあるが、いわゆるボジョレーのあの香りは製法由来でもあると言える。

しかし、自分のテイスティングレベルでは、その香りが品種由来のものか製法由来のものかの判別をすることが難しいため、もっとワインを飲んでいく必要があるなと思わされる次第である。おわり

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