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蝶と花のラプソディ

男は覚醒めた。
目ヤニによって接着された左目のまぶたを無理やり剥がす。
窓から差し込む朝日が眩しい。
それにしても疲れている。
もう一眠りするか、という意識を置き去りにし身体がカメラを詰め込む準備をしていた。
そうだった、今日という日は二度となかったんだな。
身体に染み込んだ貧乏性が意識の諦めを誘う。

と、いうわけで、本日もお一人様ドライブで写真撮影にでかける。
マイコースの巡回にしようと思う。
前回は、、、えっと、5.28、、あれ二週間しかたってないのか?
アオバセセリに会ったのは随分昔のような気がする。

朝一のイチモンジチョウ

今日のお迎えはピカピカのイチモンジチョウだった。
二週間まえに垂れ下がっていた白い花はなくなっていて、アオバセセリはまったくでてこない。
唯一、サカハチチョウ春型だけが、ボロボロの姿をみせてくれた。

お疲れ様のサカハチチョウ

トンネルサイドはさほど変わった蝶がでるわけでない。やはり限界なのかな。とはいえ、一本の蔓が目に入ったのだけどね。

さてなにかな?  A.ミツバアケビの新芽

結局川沿いのハンノキポイントも何もいない。5分で撤退。
ここもイマイチなのかもしれない。でもこのあたりは1ヶ月おくれで季節がやってくるので、7月の中旬には翠の蝶がでてないか確かめよう。見捨てるのはそれからにするよ。

山もちょっとだけ寄ってみようと思ったのだが、入り口のところで車両通行止めになっていた。3秒悩んで少しだけ歩くことにした。
とりあえず、あるいてよかったと感じたのは入り口のところにいきなり花が咲いていたからだ。車なら絶対に見つけることはできない。

これ去年も咲いていたよな

変わった形の花は好きだ。これなんだっけ。それにしても写真としてこれじゃだめだな。やはり下から撮ってみよう、、、と、この下からもワンパターンになりつつある。

思い出した織田真紀だ!! A.ひっとしたら怒りそうかも。

2週間前はさいてなかったと思う。そしてこれ一株だったから最初の一輪なのかもしれない。

ミドリ色の花びらは珍しいかな? さてなんだろう。  A花びらじゃなくて山吹のガクでした。

歩いていると車では気付きそうもない小さな花に気がつく。
そして蝶も、、、実は季節が1ヶ月遅れということでウラゴマダラシジミにであうことを密かに胸に秘めている。あれ?密かに秘めている、って重複になっている? まあいい。

この斑点のならびはやクルリかな?

ちがった。でもすべて撮って確認しよう。
なんて思っているとウスバシロチョウの大群が乱舞していた。ウスバシロチョウは春一番で追いかけ倒したが結構息のながい蝶なんだ。
あ、ヒオドシチョウが降ってきた。でもやっぱ、アスファルトの上かぁ、、一応撮ったけどアップはできないな。
同じアスファルトの上でも、これぐらいやってくれないと、笑

重糞にヤマキマダラヒカゲがいっぱい

これさ、いっせいに飛び立って気がついたんだけど、一匹違うやつがいるんだよね、笑

フタリシズカにフタオビヒメハナカミキリ

フタリシズカもけっこう沢山咲いていた。でも、前回もとったし、、、お、いいところにカミキリムシがいるではないか。じゃカミキリムシにピントをあわせて、、、

前回咲いていて、かろうじて残っていたのがベニバナイチヤクソウ、、でももう枯れている感じかな。色は濃くなっている気がする。

終焉をむかえる。

ふと目に入った蔓の植物。おおお、これも車だと見逃す可能性が高いかもしれない。

さてなんだろうね。  A.ジャパニーズクレチマスことハンショウヅル

蕾、開きかけ、開いてます、って揃っているのは、それだけで面白いから、真正面からそのままでいいかな。バックもワントーンで整理されてるし。
花自体も面白いしきれいな色だな。名前はわかんないけど。
その下で咲いていた極小の花もなかなかいいね。

小さな花畑
かわったシベ  A.ヒメハギの咲き始め

なんだかシベの造形が面白い。マクロはたしかもってきたはずだからレンズをつけかえて1枚、シベがウーパールーパーのエラのようだ、という連想をするのは珍しいヤツかな?

さてここまで蝶の成果がない。花はもともと無知なので、知らない花に出会う確率は高い。2週間と同じポイントへいっても花がなくなっているから、もう蝶もいないだろう。でも、北道を帰るのもなぁ、、、この県で一番高い山へいく手もあるけど、流石にまだ早い気がする。
あ、そういえば、、、と思い出したのが、昨年GWに来て超早すぎで震えていた別の山の山頂があったな。6月半ばにそこで会えるヤツがいるって聞いている。

その山に車で登っている。途中、何度も車を停めながら。

けっこう好きな蝶 コチャバネセセリ
たくさんいるスジグロシロチョウ 少しソフトフォーカスにて

花は咲いている。蝶もいる。もしかしたらウラゴマダラシジミもいるかもしれない。じっくり見ながら行こう。
と、じっくり、じっくり行ったが結局、コチャバネやスジグロにしか会わない。ほぼ諦めムードで岩のポイントへついた。
いきなり飛び出したのがヒオドシチョウ。そのまま岩に止まった。
お、人工物じゃないところに止まった。

ピカピカのヒオドシチョウ

そっと近寄る。

ばっちりのヒオドシチョウ

好きな蝶なので嬉しい。のだが、二週間前もあったしさっきの山でも会った。会いすぎると新鮮味がなくなるのは、付き合いたての恋人同士と同じだな。ツンデレとかならいいけど、ここのとこ目の前で心を開いてくれる。
心を開きすぎると飽きも早い、少しミステリィな部分を残しておこうぜ、と40年前の自分に言ってみたところで、、、だな。

まわりを歩いていると、一頭の蝶が足元から飛んだ、、あれ?もしや?
ビンゴ、、、きたきた、、、来たじゃない、居ただ。

ギンイチモンジセセリ春型

まさか、ここに本当にいるとは、春先の河原とちがって背景がいい。
写真バエするんだ。

ピカピカのギンイチモンジセセリ お花を添えて

でも、ここでもこの一頭しかいなかった。少し目を話した隙きにいなくなって、二度と出てこなかった。ああ、またか、、、

ピカピカのツバメシジミ

仕方ないので、ツバメシジミでも撮る。
ああ、きれいなツバメだったのでいいんだけどね。

それとさ、岩の上にきれいな鳥の翅が落ちてるよ。
そういえばnoteで鳥の翅を拾ってきてコレクションしてる、みたいなのを読んだな。きれいだし、拾っていこう。よし、決めた。とりあえず記念写真。

なんやかんやで、信じてなかった蝶へとの出会いでまあ満足して山を降りる。山を降りる途中も蝶がいれば車を降りる。
あ、アサギマダラ。と、車を降りたら空に向かって消えていってしまった。
でも、空から降ってきた蝶も2頭いた。
一頭は高い葉に止まった。

なんだかよくわからない。コチャバネやスジグロ系じゃ無い気がする。でもセセリっぽいよな。イチモンジセセリは二ヶ月近く遅れているところをみると、これも二ヶ月おくれかもしれないなぁ、、、ミヤマセセリかな。

もう一頭は、大きさも羽ばたき方も飛ぶ雰囲気もヒメウラナミジャノメそっくりである。が、なんとなく白っぽいのだ。全然とまらない。やっと止まったと思ったら遠くて暗い。写真もぶれてしまった。

ブレブレの証拠写真

あ、この感じ見たことある。ゴイシシジミだ。肝心の碁石がみえないが間違いない。ある程度高度の高いとこじゃないといないんだな。

この後も何箇所か寄ってみたけど、全滅。
ドレッドヘアっぽい花が最後だった。

なんだろうね?  A.ショウマ

流石に疲れ果てた。仕方がない。今日という日は今日しかないのだから。
鳥の翅を拾ってくるのを忘れたのはこのnoteを書きながらである。
やろうと思ったことを一瞬で忘れるんだよな、、最近。orz




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